「自分は幼い頃より御笑いが大好き。『“本当の芸を持っている人物”は“芸人”だが、“芸を感じられない人物”は“御笑いタレント”。』というのが自分の考え。」というのは、過去に何度か書いて来た。好きな芸人の中でも“大好きな芸人”となると、そんなに多くは無い。今年3月29日に亡くなられた志村けん氏は、そんな数少ない大好きな芸人の1人で、だからこそショックは本当に大きかった。そして・・・。
昨日、小松政夫氏の訃報が報じられた。今月7日、肝細胞癌の為、78歳で亡くなられたと言う。昨年11月に受けた定期健診で肝細胞癌が見付かり、以降治療を受け乍ら仕事も続けていたが、体調が悪化した為、先月14日に入院。容体が回復する事無く、家族に見守られて7日に死去。
13年前の記事「あれもこれも皆懐かしい・・・ Part2」の中で書いた様に、小松政夫氏は大好きな芸人の1人。彼の面白さに引き込まれたのは、1976年に放送開始となったヴァラエティ番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」【動画】で、彼と伊東四朗氏のコンビが繰り出す笑いに、死ぬ程大笑いさせられたっけ。彼等は単独でも面白かったが、コンビでの笑いはメガトン級だった。
小松政夫氏のギャグが此方に紹介されているが、全て知っている。当時、自分も良く使ったギャグだけれど、特に好きなのは「ニンドスハッカッカ、マー!ヒジリキホッキョッキョ!ガーッチャマンに負けるな、負けるなガーッチャマン!」【動画】というギャグ。全く意味不明なのだが、馬鹿馬鹿しくて大好きだった。
志村けん氏が好んで演じていた“ひとみ婆さん”や「大丈夫だぁ~、ウェ、ウェ、ウェ、大丈夫だ~っ!」というギャグ等は、「彼が実際に接した人達の言動をデフォルメし、笑いに結び付けた物。」で在る。上で紹介した小松氏のギャグを見て貰えば判ると思うが、彼も又、実際に接した人達の言動をデフォルメし、笑いに結び付けたギャグが非常に多い。両氏共に、人に対する観察眼がとても鋭かったという事だろう。
もう結構昔になるが、伊東&小松両氏が共演する舞台が在り、観に行く予定だった。でも、急用が入ってしまった為、泣く泣く観に行くのを断念した。生の舞台を観に行けなかったのが、本当に心残りだ。(2年前に放送された刑事ドラマ「特捜9」の中で、両氏が久々に共演しているのを見た。息がぴたりと合っていて、名コンビという感じが変わらなかったのは嬉しかった。)
小松氏が付き人をしていた植木等氏との間のエピソードの数々は、何度読んでもぐっと来るのだけれど、特に心を揺り動かされたのは「彼が植木氏から、車中で“首”を通達されたエピソード。」だ。本当の父子にも劣らない、実に愛情を感じるエピソードで、何度読んでも泣けてしまう。今頃は、そんな父親と天国で楽しく語らっている事だろう。合掌。