温室効果ガスの1つで在る二酸化炭素は、削減が世界的な課題となっている。「そんな二酸化炭素を吸収し、生活に必要な電力を賄う。」という研究が、大阪市立大学・人工光合成研究センターで取り組まれていると言う。
週刊朝日(2月11日号)の記事「人工光合成の家 必要な電力を賄い、二酸化炭素も吸収する」によると、沖縄県宮古島には実験用の家が在り、大阪市立大学・人工光合成研究センターの天尾豊教授曰く「2022年には大学で作り上げたシステムを持ち込み、実際の太陽光等で、効率性や耐久性を高める為の実証試験を実施する予定。」なのだとか。天尾教授が試そうとしているのは、「屋根に太陽光発電の様なパネルを装着し、“人工光合成”をする家。」だ。
「太陽光の助けで、二酸化炭素と水を化学反応させ、蟻酸を作る。此の過程で二酸化炭素は無くなる。蟻酸は蓄えておき、必要に応じて触媒と反応させる事で、水素を取り出す。此の水素をガソリンで動くエンジンと同じ様な内燃機関で、水素を燃料とする水素エンジンで使い、発電する。其の電力で生活を賄う。」というのが、人工光合成のシステム。
蟻酸は、常温で無色の刺激臭の在る液体で、自然界では蟻や刺草に含まれている。蟻酸から触媒で水素を取り出す際、二酸化炭素が発生するが、此れも人工光合成で吸収。「大気中や家庭で出た二酸化炭素も吸収される。」と天尾教授。人工光合成の為、家の屋根に装着するパネルだが、実験によると「5m四方位の大きさで良い。」とか。
必要な水素量だが、「一般的な計算で燃料電池をを使用した場合、5人家族の一軒家で、1時間に600~1,000ℓ。蟻酸に換算すると1.2~2.1kg相当で、1時間に此れ位の蟻酸を作る事を目標にしている。」そうだ。「蟻酸を作る為の二酸化炭素は、1.2~2.1kg必要になる計算。」とも
面白い取り組みだとは思うが、装着するパネルの大きさが「5m四方位。」との事で、「もっともっとコンパクトにならないのかなあ。」という思いが在る。余りにも大きいと見た目の悪さだけでは無く、重量による屋根への負担等が懸念されるので。又、元記事に記されている様に、蟻酸は結構強い刺激臭が在る。「大量に発生させる事で、周りの迷惑にならないのかなあ?」というのも気になる所。