① 母親に優しい国
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「『母親に優しい国』で日本30位 北欧が上位に」(5月9日、スポニチ)
国際的な非政府組織(NGO)「セーヴ・ザ・チルドレン」は8日、世界の165ヶ国に付いて「御母さんに優しい国」を国別にランク付けした報告書を発表、首位のノルウェーを始め北欧諸国が上位を占める一方、日本は30位だった。
調査は毎年行われており、今年で13回目。女性の生活状況や子供の成育環境等を総合的に評価した。日本は働く母親への支援制度が整っていない事等から先進国の中では低迷した。
上位にはアイスランド(2位)やスウェーデン(3位)、デンマーク(5位)等高福祉で知られる北欧諸国が入った。
一方、下位には子供の死亡率が高いアフリカ諸国が目立ち、最下位は食料危機により、多くの子供が栄養失調に苦しむニジェールだった。又、アフガニスタンやイエメンも低い評価を受けた。
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此の手の調査だと、高福祉国家が上位に顔を並べるのは常。だからノルウェーやアイスランド、スウェーデン、デンマーク等が上位に入っているのは意外で無い。
意外なのは、最下位が“北の国”で無かったという事。「判断材料となるデータが入手出来ないので、対象外としている。」という事なのだろうか?其れなら判るが、「対象となっているにも拘らず、最下位では無かった。」という事“だとすれば”、凄く不思議。
② 千年後には零!?
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「千年後に日本の子供零? 東北大が人口時計を公表」(5月10日、共同通信)
千年後、5月5日の「こどもの日」は来ない。東北大は10日、100秒に1人の速さで子供が減少して行く日本の少子化の状況がリアル・タイムで判る「日本の子ども人口時計」を、経済学研究科の吉田浩教授等が制作したと発表した。インターネット上で公表している。総務省が公表している2011年4月1日と、2012年4月1日時点の子供の人口から算出した減少率が此の儘続いた場合の子供の数が、1秒毎に表示される仕組み。
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上記の「日本の子ども人口時計」をクリックして戴ければ、当該する人口時計が確認出来る。飽く迄も「総務省が公表している『2011年4月1日』と、『2012年4月1日』時点の子供の人口から算出した減少率。」を基にした“参考値”で在るし、何よりも「一定値に迄子供の数が減少すれば、人間の本能として有しているで在ろう『種の保存を図ろうとする危機感』が働き、増加傾向に転じるのではないか。」という思いも在る。だから「千年後の日本では、子供(0~14歳)の数が零になる。」なんて事は、現実問題として在り得ないだろうけれど、1秒毎にどんどん子供の数が減って行く人口時計を見ると、「大丈夫かなあ?」という不安が湧いてしまうのも事実だ。
ただ、「調査対象の中に入っていたなら間違いなく最下位の筈だ」とばかりはいえないのではないでしょうか?
日本人の感覚では「とにかく全てにおいて地上最低最悪の国」ということになりがちですが、この調査は別に「政治体制が良いか悪いか」の判断などをしている訳ではないのですし、「母親となるべき環境」としてニジェールより下であるとはさすがに思うことはできません。
自分の場合、イメージとして「色んな面で、環境が非常に悪そう。」とは感じるものの、良く良く考えるとニジェールという国に対して、深く知っている訳では無い。北朝鮮に関しては「最悪な国」という印象が在るけれど、確かに此れは「政治体制」から来る部分が略殆どとも言え、「母親となるべき環境」という観点からすると、話は別というのも頷けます。
http://www.yomiuri.co.jp/adv/enterprises/release/detail/00034864.htm
http://www.savethechildrenweb.org/SOWM2012Interactive/SOWM2012/#/54/zoomed
日本は栄養が良い、教育が高い、良い水等子供指標は3位と非常に高いが、女性指標が低いので総合でこのランク。こうやって見ると確かにうなずけますね。これで見ると子供には手厚いが女性に対してはそうでもない。一方で上位の国の中には逆のケースが多いのが驚き。オセアニア2国とデンマーク、フィンランドは子供にはそれほど良いわけではない。上中位のドイツ、フランスはほどほどなのが良かったか(順位的に)。アメリカは女性にはほどほどだが子供の栄養、学問、「先進国とすれば」良くないらしい(
別のページにpoorと書いてあった。まあこんな物は「県民所得の上位グループと中位グループの差異ぐらいに実際には大した差がないのかもしれないが)
近隣国だとロシアが一応先進国グループの37位。
韓国、中国が準先進国グループの6位と14位
北朝鮮はどこにも載っていないが、載るとしたら一番下のグループと考えてよいと思うから、ニジェールより下かもしれないし、そうでもないかもしれないが、ここのグループの1位が「ルワンダ」なのだから、偏見取り除いても「どっちにせよ50歩100歩」と考えるのが自然と思います。ただこの最低グループの2位が「ブータン」。これは驚き。
実は記事内で触れなかったのですが、「日本がアメリカよりも下位。」というのにも、個人的にはやや違和感が在りました。「働く女性に対する好環境」という点で、日本はアメリカより劣っているという判断なのだろうとは思ったのですが、「巷間言われている様に、果たして本当にアメリカに於ける女性の社会的立場は、日本よりも優れているのだろうか?」という疑問がずっと在るからなのです。確かに政治の世界に於ける女性の進出度はアメリカの方が高いし、国民レヴェルでもアメリカの方が勝っているとは言われる。でも、アメリカの場合は日本以上に、「上」と「下」との格差が激しい気がしていて、「平均レヴェルで言えば、日米に指摘されている程の差異は無いんじゃないかなあ。」というのが、個人的なイメージ。
最低グループの2位がブータンというのは、自分も驚きです。唯、「幸せの尺度」というのは国よって異なるもの。極貧に喘ぎ、今日食べる物すらも無い様な国で在れば、パン1切れを得る事が途轍も無い幸福だろうけれど、先進国ではそうじゃない。ブータンは「一般指標」で言えば貧しかったり、母親に優しくない環境となってしまうのかもしれないけれど、「心の豊かさ」となると又別なのかもしれません。