マイ・ブラザー

BROTHERS／０９年／米／１０５分／戦争サスペンス・ドラマ／劇場公開
監督：ジム・シェリダン
主題歌：U2『WINTER』

出演：トビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマン、サム・シェパード

＜ストーリー＞
戦地で心に傷を負ったサム、それを支える妻・グレース、サムの弟・トミーが織り成す家族の愛や葛藤を描く。
＜感想＞
配給がライオンズゲートだし、海外版予告を観た時、てっきり精神を来たしたトビー・マグワイアが、殺人鬼並みに暴れまくって家族を恐怖のどん底に突き落としていくサイコ・サスペンスものなのかと勝手に想像してしまっていたので、期待を損なわれた感はあったけれど、戦地で悪夢を体験した帰還兵が、社会に溶け込めず苦悩する姿を克明に描いた映画としては中々の出来じゃないかと。

ベトナムへ赴いた父の影響からか、戦争の鬼と化した長男サム。
死地から帰還した事で、精神的に崩壊し、良き父親の顔から一変して家族が恐れ慄く表情へと実に上手く切り替え作り上げているトビー・マグワイアの演技力は相当なもの。

父親からは厄介者扱いされている刑務所帰りの弟トミーが、兄の死によって、自身を必死に変えようと、兄の家族に精一杯尽くそうとする姿を、これまたジェイク・ギレンホールが喜怒哀楽豊かに好演している点も評価したい。

戦争が齎す物は果たして何なのかというテーマを、家族の再生を軸に、哀しみや喜び、そして兄弟の葛藤というものを丁寧に織り交ぜながら、原作者や製作者による反戦の想いというものを観る側にきちんと伝えているし、観ている者も感じ考えさせられます。

ナタリー・ポートマンの母親役も実にハマッていましたね。
戦地へ行った夫の妻としての心身的な表現を、表情という形で実に上手く演じていました。

しかしまさか『レオン』でキュートなマチルダちゃんを演じたナタリー・ポートマンが、母親の役をやる時が来るとは・・・。

でも、マチルダの時から変わらず演技派美人女優へと歩んでくれた事には素直に嬉しい。
その一方で実生活では妊娠・結婚というファンには余りにも突然のダブルショックに悲しみを隠せません（泣

オフィシャル・サイト（日本語）

関連作：『ある愛の風景』（オリジナル）

評価：★★★☆
１１／０２／０３ＤＶＤ鑑賞（新作）

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レンタル開始日：2011-02-02
メーカー：ギャガ・コミュニケーションズ

ＮＥＣＫ ネック

１０年／日本／９６分／コメディ・ホラー・ロマンス／劇場公開
監督：白川士
主題歌：MAGIC PARTY『今夜はMAGIC BOX』

出演：相武紗季、溝端淳平、板東英二、佐藤二朗、細川茂樹、温水洋一、板尾創路、栗山千明、平岡祐太

＜ストーリー＞
大学院生・真山杉奈が研究する“ネック理論”の検証に巻き込まれた大学生・首藤友和、ホラー作家・越前魔太郎、美人編集者・赤坂英子のドタバタを描く。
＜感想＞
頭に思い浮かべた事が現実になる装置「ネックマシーン」。

題材も良いし、割とホラーもしています。

只、キャラ作りが弱い。
幼少期のトラウマで極度の怖がりになった越前魔太郎なんだが、普通に暗闇にいたりと矛盾する点がある。

真山杉奈に関しても、ちょっと変わり者なのだが、何故に他生徒が彼女を極端に避けたがるのかが今一つ伝わってこない。

それ以前にそれぞれのキャラ自体が軽いので愛着が湧かないんだけどさ。
相武紗季ちゃんは可愛いけどね。

終盤での人形軍団襲来と、貞子霊とのやりとりなんかも、作り手はコメディ風にしたかったんだろうけれど、何か出来そこないのヒーローものみたいな感じになっちゃって面白味も中途半端。

結果的にどういうジャンルにしたかったのかが分からない作品になっちゃっていましたね。
私的には少しコメディなガチホラーで勝負して欲しかったかな。

いや、ホント、ホラー部分が良かっただけに尚更そう思うんだよね。
余分な演出を入れ過ぎちゃったって感じかな。
今一つ盛り上がらなかったのもその部分があったからかも。

板東英二がさり気にゆで卵を拝借するシーンは私生活を反映していて面白かった。

オフィシャル・サイト

評価：★★☆
１１／０２／０３ＤＶＤ鑑賞（新作）

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レンタル開始日：2011-02-02
メーカー：アスミック