銀幕大帝α

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オンリー・ゴッド

2014年05月24日 21時28分44秒 | 洋画ドラマ
ONLY GOD FORGIVES
2013年
デンマーク/フランス
90分
ドラマ/犯罪/格闘技
R15+
劇場公開(2014/01/25)



監督:
ニコラス・ウィンディング・レフン
『ドライヴ』
製作:
ニコラス・ウィンディング・レフン
脚本:
ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:
ライアン・ゴズリングジュリアン
クリスティン・スコット・トーマスクリスタル
ヴィタヤ・パンスリンガムチャン
ラータ・ポーガムマイ
ゴードン・ブラウンゴードン
トム・バークビリー



<ストーリー>
兄・ビリーを殺され報復を考えたジュリアンだったが、兄の犯した罪状を知って思い留まる。しかし激昂した母・クリスタルは彼に復讐を命じ…。

その復讐は 神への挑戦

-感想-

お気づきになられただろうか・・・。
主要人物の殆どに表情変化がない事を。
徹底して無表情にする事で、こいつは何をしでかすか分からない、といった不気味さを味合わせてくれて、観ている私までもが不安に陥り、妙にビクビクしてしまう。

表情に変化は無いが、感情は大きく出ている。
それは“怒り”だ。

息子を殺された母親にしろ、危うく殺されかけそうになった警官にしろ、兄貴を殺された主人公にしろ、皆が皆、“怒り”というオーラを強烈に放って行動している。

この“怒り”に満ちた映像を前面に押し出すことで、作品そのものが重く、暗く仕上がり、奇妙な作品ながらも妙に魅了されてしまったのは、ラストまで安定した雰囲気を保ったまま物語を動かし、且つ、スローモーションや不安感を与える効果的な音楽を多く散りばめる等の演出の全てに、監督のセンスの良さが伺えたという要因が一番に大きかったからではないだろうか。

圧倒的な強さを見せ付ける警官チャン。
彼を殺す事に対して躍起になっていたクリスタルすらも、あの手この手で仕掛けるも全く歯が立たず、最期は無残な姿に成り果ててしまう。
母親の命令ならば仕方が無いと重い腰を上げた主人公ジュリアン。
彼が求めるも軽く拒絶され一切得られなかった母の温もりを、彼女の死後にようやく感じ取るシーンがとても印象的だ。

兄が何をして殺されたのか、それをきちんと理解しているだけに、余り復讐する事に乗り気では無かったジュリアン。
だが、愛する母の為にと、チャンの姿を追うも、自分の力では絶対敵わないと実感する時が来る。
それが、あのジムでのタイマンシーンだ。
顔の原型が崩れ落ちる程にタコ殴りにされて完敗してしまうジュリアン。
母・クリスタル率いるファミリーが相手にした人物が悪すぎた。
母親の亡骸を目の当たりにし、仲間が全員殺された事で、改めてファミリーが犯した罪の大きさに気付いたジュリアンは、その罪を全て被るかの様に許しを請う如く自ら進んで両腕を差し出す。
そしてチャンは神に代わり、その許しを受け止めジュリアンにも罰を与えるのだが、その後のカラオケで熱唱するチャンの姿は、私の存在はこの街では絶対的だという風に見て取れて、本当に強き者は血も涙もなく、逃げも隠れもせずに堂々と生きてられるものなんだなぁと、少し怖くなった。

監督は本作の主人公・ジュリアンを演じたライアン・ゴズリングと共に作り上げた傑作『ドライヴ』で一躍、名を馳せたニコラス・ウィンディング・レフン。
あの作品もそうだったが、本作もまた暴力描写がスバ抜けて素晴らしかった。

好みの分かれる作品かもしれないが、私は結構面白く観れちゃったなぁ。
タイトル出た時、は?これ何語?って思ったんだけど、舞台がバンコクだからタイトルをタイ語にしたんだね。
こういうセンスも好きだわ。

評価:★★★☆
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コメント (6)
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