玄侑宗久(げんゆう そうきゅう)著 「テルちゃん」を読みました
エテルこと「テルちゃん」
フィリピンから安雄のもとに嫁いだのです
そして2年半の結婚生活で安雄は突然「脳幹部出血」で他界してしまうのです
それからのテルちゃんを中心とした家族の物語です。
家族は
安雄とテルちゃんの息子、3歳の康則ことノンちゃん
そして後でフィリピンから呼んだテルちゃんの息子「太郎」
こと「タロくん」
安雄の弟の健志とそのパートナーの玲子、一月に一回尋ねてくる
そしてテルちゃんと玲子の義母(80歳を過ぎている)
テルちゃんは明るくて、聡明、日本語も上手で
とっても素直でよく働き
「おかさん」といって病気の義母の面倒をとてもよく看るのです。
テルちゃんを中心として家族がテルちゃんを大事にし
家の中はいつも明るいのです
そして料理が上手でフィリピンの材料を使って美味しい料理を
いろいろ作り、またそれを皆が喜んで食べるのです
フィリピンの人は皆材料に対する知識があって
材料を上手に使いいろいろな料理を沢山覚えるのだろうか?
私なんかとてもテルちゃんの足元にも及ばない気がします。
バナナごはん
バナナの葉にインデカ米と刻んだパプリカ、鶏肉を入れ
くるりと巻いて紐で結び沸騰したお湯の中で煮る
とても良い香がするという
シニガン・スープ
日本のみそ汁みたいなもので酸っぱいらしい
ばろっと
アヒルのゆで卵だが、有精卵で途中まで孵化させてから
食べるので、卵の殻の一部を割るとすでに羽毛を具えた
雛鳥の軀や頭、足などが識別できるのだそうです。
皆がうまいと食べるのだが玲子はどうしても食べられない
テルちゃんが「おねさん、だいじょぶですか」
と心配する
読んでいると
テルちゃんは、観音様に思えてくる
作者がお寺の住職さんなので文章が柔らかく
読んでいて暖かい気持ちになる