それは練習の帰り道だった。
いつもの帰り道。
幹線道路ではない細い裏道をいつも利用している。
細いけど、交通量の少なくはない道。
対向車線はあるけど歩道はなく路側帯のみがある道。
その路側帯にはところどころ電柱が立っているので「車椅子でこの道は通れないな」といつも思う道。
大きな道路からその道へ入った直後の事だった。
左前方に携帯を手に持ち通話しながら路側帯を歩く男性を確認。
対向車は無いけれど、一応中央線を越えないギリギリの車線を走行。
例え路側帯寄りを走ってもドアミラーが車線ギリギリにある電信柱に当たることもないので、それで十分だと思っていた。
がしかし、その歩行者を追い抜きざまに左側のドアミラーから「ドン!」と何かにぶつかった音がした。
「え!?」と思って停車。
するとその男性が窓から覗き込んでくる。
窓を開けると「ドアミラーが当たりましたよ」と言われた。
そんなはずはないと思ったけれど、でも何かに当たったのは事実。
「警察を呼びましょう」
と僕が言うと、「じゃぁそこ左に止めてください」と言われたので指示に従う。
すると「そこの路地を左に入って止めてください」と言われる。
その通りにすると、その男性は運転席側へ来て右手が当たったと話す。
「けがは大丈夫ですか?」
と聞くと、ほんの少しだけ手の甲を見せたうえで、手は大丈夫と答えた。
確かに傷も無ければ赤くもなってはいなかった。
がしかし、手に持っていたスマホを衝撃で落としたのだという。
で、そのスマホが車の左後方のタイヤに踏まれて壊れたという。
手に持つ携帯を見ると、確かに右上の方にタイヤに踏まれたような跡があった。
電源も入らなくて困っているという。
「とにかく警察へ連絡しましょう」というと、これから東京駅へ行かなきゃいけないからそんな時間はないのだという。
って言われても・・・と考えていると、彼は手は大丈夫だけどスマホはないと困るのだと強調。
スマホは弁償してほしいという。
そして、このスマホは今中古で5万円くらいで買えるから、今5万円ください、と言ってきた。
僕は意外な展開にちょっと驚いたけど、「今僕が現金をお渡しすることは出来ないので、保険屋さんに対応してもらうためにもここはまず警察を」と主張すると、時間がないの一点張り。
でもそういう訳にはと僕も主張を繰り返す。
「ドアミラーも曲がってしまっていて、その修理もあるので」と僕は保険屋さんでの対応を主張。
するとその男性が、ミラーは戻りますよ、と言ってくれた(笑)
操作すると動くけれど、でも曲がっているのに変わりはない。
「動きも通常とは違っているので修理が必要ですし、保険で対応するようにしましょう」
と再度提案。
すると彼は突然、分かりました、携帯は保険でなんとかするので、じゃぁ2万円だけください、と言ってきた(笑)
「いや、だから、この場で僕が現金をお渡しすることは出来ません、それは保険屋さんで対応してもらうことにしましょう」
と主張を曲げなかったら、彼は、じゃぁいいです、と言う。
え?どういうこと?と思った次の瞬間、彼は「気をつけて運転してくださいよ」と捨て台詞を吐くようにして、振り返り歩いて行った。
「はい、気をつけます」
と、どことなく小さく丸まった彼の背中に声をかけ、恐る恐る帰路についた。
良い経験をした(笑)
ある意味レアな体験だったと思う。
当たったと言われた瞬間、いや、それはあなたの不注意でしょう!とも思ったけれど、当たった以上、自動車側の過失を問われることに違いはない。
ドアミラーの位置では当たった瞬間をドライブレコーダーで捉えるのは難しい。
それが出来るのは一部の機種だけじゃないかと思う。
僕の車には前後のカメラをつけているけど、それではサイドミラーは写せてはいない。
ただ、自分が車線のどの位置を走行していたのは、速度も含め確認できるし、その男性の歩行の様子も記録されている。
後方の映像から衝突後の彼の行動の事実確認も出来る。
そもそも、スマホを踏んだとしたら、経験からタイヤのその感覚を僕は感じることが出来ると思う。
もしかしたら、その衝撃で敏感なレコーダーは作動していたかもしれない。
でもその違和感は無かった。
スマホを調べれば、その瞬間の通話記録も出せるはずだから、そこで事実確認を行うことも出来る。
なんてことは思っても口にはしない。
少なくともそのタイミングでは。
そして交渉を進めた結果、このような結論となった。
ちなみに、帰宅後はその現場のを管轄する警察署へ連絡し、そうした案件があったことを報告。
恐らくは常習性のある人だと思うので、その注意喚起を願ったうえで。
そもそも、名前も連絡先も求められていない。
その時点で不自然だし。
そして、その服装はおそらくこのためを装ったものだと思った。
だって、そのスーツ姿はビジネスマンとしては違和感のあるコーディネート。
ただそこにあったスーツにシャツとタイを合わせただけといった感じ。
僕の勝手な想像だけど、そこから様々な背景を考えたりもする。
更に、金銭を目的とするのであれば保険金を狙う方が確実だと思う。
けどそれをせずに直接現金を求めるのには訳があるはず。
そう、それが出来ないからそうするしかないとも考えられる。
何故それが出来ない?
面が割れているからじゃないのか?
と考えた。
だとすると、僕の「修理が必要だから」という一言が結果的に彼へのプレッシャーになったのかな?とも思った。
警察や保険会社からは「またお前か」とリストアップされている人物なのかもしれないから。
もし仮にそうだとしたら、場所を変えて同じような手口でやってくるだろうし、被害にあう人が出てくるとも思える。
ので警察に連絡。
当たりましたよと言われた瞬間、僕は「人身事故かよ」と残念に思う自己中な考えが頭をよぎったけれど、たまたま免許証の点数も満点だったし、営業ドライバーでもないので直ぐに「警察に連絡」という判断が出来た。
もしこれがそうではない状況・立場だったら、事を荒立てない為にお金を手渡して済ませようという考えが生じることはむしろ自然なことと言えると思う。
そこにつけ入るのがそもそもの狙いであり、だからおそらくはターゲットを絞って(車種やドライバーの印象)狙いを定めていたのではないかとも思う。
いずれにしても、被害に遭わずに済んでよかった。
ドアミラーも帰宅後確認すると、言われた通り元に戻った(笑)
このことを人に話せば、「社会情勢の現れ」という人も少なくない。
確かにそうかもしれない。
国内でも今までになかったような犯罪が多発しているし。
いずれにしても、気をつける、気を引き締めておく必要があることに間違いはない。
今回被害に遭わずに済んだのはコンディショニングの点においても実によかったと思う。
メンタルが揺れてただろうから(笑)
みなさんもどうぞお気をつけください。
さぁ、トレーニングに励もう!
明日の自分の為に!
いつもの帰り道。
幹線道路ではない細い裏道をいつも利用している。
細いけど、交通量の少なくはない道。
対向車線はあるけど歩道はなく路側帯のみがある道。
その路側帯にはところどころ電柱が立っているので「車椅子でこの道は通れないな」といつも思う道。
大きな道路からその道へ入った直後の事だった。
左前方に携帯を手に持ち通話しながら路側帯を歩く男性を確認。
対向車は無いけれど、一応中央線を越えないギリギリの車線を走行。
例え路側帯寄りを走ってもドアミラーが車線ギリギリにある電信柱に当たることもないので、それで十分だと思っていた。
がしかし、その歩行者を追い抜きざまに左側のドアミラーから「ドン!」と何かにぶつかった音がした。
「え!?」と思って停車。
するとその男性が窓から覗き込んでくる。
窓を開けると「ドアミラーが当たりましたよ」と言われた。
そんなはずはないと思ったけれど、でも何かに当たったのは事実。
「警察を呼びましょう」
と僕が言うと、「じゃぁそこ左に止めてください」と言われたので指示に従う。
すると「そこの路地を左に入って止めてください」と言われる。
その通りにすると、その男性は運転席側へ来て右手が当たったと話す。
「けがは大丈夫ですか?」
と聞くと、ほんの少しだけ手の甲を見せたうえで、手は大丈夫と答えた。
確かに傷も無ければ赤くもなってはいなかった。
がしかし、手に持っていたスマホを衝撃で落としたのだという。
で、そのスマホが車の左後方のタイヤに踏まれて壊れたという。
手に持つ携帯を見ると、確かに右上の方にタイヤに踏まれたような跡があった。
電源も入らなくて困っているという。
「とにかく警察へ連絡しましょう」というと、これから東京駅へ行かなきゃいけないからそんな時間はないのだという。
って言われても・・・と考えていると、彼は手は大丈夫だけどスマホはないと困るのだと強調。
スマホは弁償してほしいという。
そして、このスマホは今中古で5万円くらいで買えるから、今5万円ください、と言ってきた。
僕は意外な展開にちょっと驚いたけど、「今僕が現金をお渡しすることは出来ないので、保険屋さんに対応してもらうためにもここはまず警察を」と主張すると、時間がないの一点張り。
でもそういう訳にはと僕も主張を繰り返す。
「ドアミラーも曲がってしまっていて、その修理もあるので」と僕は保険屋さんでの対応を主張。
するとその男性が、ミラーは戻りますよ、と言ってくれた(笑)
操作すると動くけれど、でも曲がっているのに変わりはない。
「動きも通常とは違っているので修理が必要ですし、保険で対応するようにしましょう」
と再度提案。
すると彼は突然、分かりました、携帯は保険でなんとかするので、じゃぁ2万円だけください、と言ってきた(笑)
「いや、だから、この場で僕が現金をお渡しすることは出来ません、それは保険屋さんで対応してもらうことにしましょう」
と主張を曲げなかったら、彼は、じゃぁいいです、と言う。
え?どういうこと?と思った次の瞬間、彼は「気をつけて運転してくださいよ」と捨て台詞を吐くようにして、振り返り歩いて行った。
「はい、気をつけます」
と、どことなく小さく丸まった彼の背中に声をかけ、恐る恐る帰路についた。
良い経験をした(笑)
ある意味レアな体験だったと思う。
当たったと言われた瞬間、いや、それはあなたの不注意でしょう!とも思ったけれど、当たった以上、自動車側の過失を問われることに違いはない。
ドアミラーの位置では当たった瞬間をドライブレコーダーで捉えるのは難しい。
それが出来るのは一部の機種だけじゃないかと思う。
僕の車には前後のカメラをつけているけど、それではサイドミラーは写せてはいない。
ただ、自分が車線のどの位置を走行していたのは、速度も含め確認できるし、その男性の歩行の様子も記録されている。
後方の映像から衝突後の彼の行動の事実確認も出来る。
そもそも、スマホを踏んだとしたら、経験からタイヤのその感覚を僕は感じることが出来ると思う。
もしかしたら、その衝撃で敏感なレコーダーは作動していたかもしれない。
でもその違和感は無かった。
スマホを調べれば、その瞬間の通話記録も出せるはずだから、そこで事実確認を行うことも出来る。
なんてことは思っても口にはしない。
少なくともそのタイミングでは。
そして交渉を進めた結果、このような結論となった。
ちなみに、帰宅後はその現場のを管轄する警察署へ連絡し、そうした案件があったことを報告。
恐らくは常習性のある人だと思うので、その注意喚起を願ったうえで。
そもそも、名前も連絡先も求められていない。
その時点で不自然だし。
そして、その服装はおそらくこのためを装ったものだと思った。
だって、そのスーツ姿はビジネスマンとしては違和感のあるコーディネート。
ただそこにあったスーツにシャツとタイを合わせただけといった感じ。
僕の勝手な想像だけど、そこから様々な背景を考えたりもする。
更に、金銭を目的とするのであれば保険金を狙う方が確実だと思う。
けどそれをせずに直接現金を求めるのには訳があるはず。
そう、それが出来ないからそうするしかないとも考えられる。
何故それが出来ない?
面が割れているからじゃないのか?
と考えた。
だとすると、僕の「修理が必要だから」という一言が結果的に彼へのプレッシャーになったのかな?とも思った。
警察や保険会社からは「またお前か」とリストアップされている人物なのかもしれないから。
もし仮にそうだとしたら、場所を変えて同じような手口でやってくるだろうし、被害にあう人が出てくるとも思える。
ので警察に連絡。
当たりましたよと言われた瞬間、僕は「人身事故かよ」と残念に思う自己中な考えが頭をよぎったけれど、たまたま免許証の点数も満点だったし、営業ドライバーでもないので直ぐに「警察に連絡」という判断が出来た。
もしこれがそうではない状況・立場だったら、事を荒立てない為にお金を手渡して済ませようという考えが生じることはむしろ自然なことと言えると思う。
そこにつけ入るのがそもそもの狙いであり、だからおそらくはターゲットを絞って(車種やドライバーの印象)狙いを定めていたのではないかとも思う。
いずれにしても、被害に遭わずに済んでよかった。
ドアミラーも帰宅後確認すると、言われた通り元に戻った(笑)
このことを人に話せば、「社会情勢の現れ」という人も少なくない。
確かにそうかもしれない。
国内でも今までになかったような犯罪が多発しているし。
いずれにしても、気をつける、気を引き締めておく必要があることに間違いはない。
今回被害に遭わずに済んだのはコンディショニングの点においても実によかったと思う。
メンタルが揺れてただろうから(笑)
みなさんもどうぞお気をつけください。
さぁ、トレーニングに励もう!
明日の自分の為に!
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