ゼンハイザーの最新完全ワイヤレスイヤホン「CX 400BT True Wireless」。発売は9月下旬で、市場想定価格は23,500円前後(税別)だ
ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンといえば、音質にとことんこだわったノイズキャンセリング機能搭載モデル「MOMENTUM True Wireless 2」が大ヒット。今年4月の発売以降、価格.comの「イヤホン・ヘッドホン」カテゴリーで常に上位にランクインするほどの人気モデルとなっている。
そんな大ヒットモデルを手がけたゼンハイザーが2020年後半に放つ新たな完全ワイヤレスイヤホンが「CX 400BT True Wireless」だ。アクティブノイズキャンセリング機能などを省き、「MOMENTUM True Wireless 2」の弟分的な位置付けのモデルだが、ゼンハイザーのフィロソフィーである音質に一切妥協しないという部分は共通。具体的には、「MOMENTUM True Wireless 2」と同じ、ドイツ ハノーファーの本社で開発した7mmドライバーを搭載。「MOMENTUM True Wireless 2」と同じゼンハイザーのサウンドクオリティをしっかりと楽しめるモデルに仕上げたという。
イヤホン本体については、ハウジング外側のデザインこそスクエア形状に大きく変わっているものの、内側のノズル部分の造形は「MOMENTUM True Wireless 2」とまったく同じ形状を採用し、「MOMENTUM True Wireless 2」と同じフィット感を確保。LDSアンテナとクアルコム社製チップ搭載による安定した接続性や、タッチパネルセンサー&アプリを使ったカスタマイズによる快適な操作性、ビームフォーミング対応の2マイク搭載なども「MOMENTUM True Wireless 2」と同じだ。Bluetoothコーデックも、SBC/AAC/aptXをサポートする。
いっぽうで、冒頭にも述べた通り、「MOMENTUM True Wireless 2」と比べると、アクティブノイズキャンセリング機能がなくなり、外音取り込みや近接センサーを使用したスマートポーズ機能も省略された。IPX4の防水性能もなくなり、専用ケースも従来のファブリック素材を使用したものから樹脂製へと変更され、バッテリー容量も若干減っている(イヤホン本体のバッテリー駆動時間最大7時間は共通)
CX 400BT True Wireless」の市場想定価格が「MOMENTUM True Wireless 2」に比べて13,000円ほどダウンしているのはこういった理由によるものだが、省略されたスペックを見てもらうとわかるが、ゼンハイザーとして音質は妥協したくないが、「MOMENTUM True Wireless 2」の価格はいきなり手が出せないというユーザーのために、何とかしてコストをダウンしようと、音質に影響のない部分だけ手を入れていることがうかがえる。
実際、「CX 400BT True Wireless」と「MOMENTUM True Wireless 2」を聴き比べてみたが、音質の差はほんのわずかだ。確かに、アクティブノイズキャンセリング機能を省いたことで、周囲の騒音環境によっては音の見通しが若干悪くなることもあるが、元々フィット感が高く、パッシブなノイズキャンセリングが効くイヤホン形状ということもあり、比較的静かなオフィスではほとんど差を感じられなかった。音色傾向も非常に似ており、しなやかな低域、ボーカルの息遣いまで感じられる透明感のある中域、滑らかで伸びのある高域、イヤホンで聴いていることを感じさせない上品な響きなど、ゼンハイザーらしいバランスのとれたサウンドは長時間でも安心して聴ける。