予想されたことだが、参院選は民主党の大惨敗に終わった。当然だ。
もともと、普天間移設問題の迷走、総理と幹事長の不透明な「カネ」の問題があり、その上に突如として浮上してきた「消費税」問題が重なったからだ。結局、この10カ月でハッキリしたことは、「権力の二重構造」「幼稚」「バラマキ」という、民主党政権運営の危うさだ。
しかも、「当分は静かに」と言われた小沢氏だが、選挙期間中、「昨年の衆院選のマニフェストは守らなければダメだ」「消費税率アップはダメだ」などと発言し、早くも内戦勃発だ。菅総理や枝野幹事長が「会いたい」と言っても、簡単に会えないというから何様のつもりなのか。
いずれにしても、「小沢爆弾」を抱えた民主党では、早晩、分裂するしかないだろう。今までは、政権交代という旗の下に、何とかまとまってきたが、国会運営の厳しさと相まって、民主党の迷走が続くことになる。
今日のお昼のワイドショーに、小沢氏の側近中の側近だと言われる松木謙公氏と反小沢氏の代表格である生方幸夫氏が出演していたが、松木氏の話しを聞いていると、小沢氏には、この程度の側近しかいないのだと思った。前国対委員長の山岡賢次氏にしてもそうだが、「虎の威を借りる狐」でしかなく、お粗末極まりない。質問に的確に答えていないし、説得力もない。
口では「小沢総理をつくりたい」というが、そんな状況には全くないことはハッキリしている。検察審査会の2回目の結論が間もなく出るが、1回目と同じ「起訴相当」の可能性が高い。仮に、そうでないとしても、国民の8割前後が、小沢氏の「カネ」の問題について納得していないのだ。
かつては、平野貞夫氏や、藤井裕久氏などがいたが、小沢氏と長く付き合うという政治家は少ない。一時は良くても、ほとんどの政治家は離れていく。いくつも新党をつくり壊していった過去を見れば分かる。ともかく、民主党は、小沢氏と手を切らない限り、遠からず転落の一途を辿るだろう。
われわれも、「改革、改革」「政権交代、政権交代」という言葉に踊らされてはいけない。政権交代したからと言って、改革が、一気に出来るものではない。改革は、絶えず行っていくものなのだから。そして、時間がかかるものなのだ。心して今後の選挙に臨まなければならない。