舛添前都知事の海外視察が問題となっている最中、今度は、舛添氏に質問を追及していた各会派の都議会議員たちが、リオオリンピック視察計画に1億円(当初計画では各会派28人)とも言われる出張費が見込まれるとして問題となっている。辞退した会派もあるというが、もう、何をか況やである。
舛添氏にしても都議の面々にしても、オリンピックが,あたかも都政の最重要課題でもあるかのような印象を与えるが、とんでもないことだ。それ以上に、近づきつつある大震災などの防災対策、安全なエネルギー対策、少子高齢社会対策など、緊急を要する課題が山積しているのだ。
財政豊かな東京都政とはいえ、本来、オリンピックに浮かれている場合ではないのだ。ひとたび、大震災に見舞われたら、どれほどのダメージを負うのか、東北大震災などを見れば火を見るより明らかだ。決まった以上は過度な負担は絶対に許されるものではない。ましてや、オリンピック視察に常識外の費用をかけるなど、とんでもない。視察が一概にダメとは言わないが(議会の質問や政策に生かすということはある)、直接の実務担当者と必要があるなら都議の代表何人かが中心になって視察してくればいいだけの話だ。
国会議員から地方議員に至るまで、議員歴に応じて任期中に海外や国内視察の権利を得られるような慣習になっているようだが、こうしたことを即刻改めるべきだ。ただ、訳もわからないテレビのコメンテーターが、視察が全く無用などと言っていたのは、言い過ぎだが。
真面目な議員などは、後援会報や視察記などを通じて報告している人もいるが、そうしたケースは少ない。中には、視察に同行した事務局員が書いた視察の概略に多少の感想を付け加えた程度の報告書というのもある。(全体がほぼ同じような内容なので分かる)
いずれにしても、国会議員も含め、各級議員たちの視察については今一度、早急に見直す必要がある。