北の旅人

旅行や、ちょっといい話などを。そして、時には言いたいことを、ひとこと。

悲喜交々のドラマ残した統一地方選挙

2007-04-24 12:05:50 | Weblog

喜交々のドラマを残して統一地方選挙が終わった。文字通り、西に東に注目の選挙があった。その中で、特に考えさせられたのがが長崎市長選挙だ。現職の伊藤一長市長が銃撃され死亡するという、予想だにしない選挙戦になった。

藤前市長の遺志を継ぐということで娘婿の横尾氏と、事件とまちづくりは別の問題だとして立候補した市の統計課長だった田上氏の一騎打ちだったが田上氏が僅か953票差で勝利した。横尾氏側にしてみれば、期日前投票のうち、伊藤前市長への票が多くあったであろうということや、投票のやり直し(検討すべき)ができないなどの壁があったことにやり切れなさを感じたであろう。

方では、投票日の投票者数200830人のうち、約7.7%の15435票が無効票で、候補者でない者の名前を書いた票が8050票だった。その大半は伊藤前市長の名前を書いたとみられている。白票も5119票、雑事を書いたものが1228票あったという。これは、市民が伊藤前市長イコール横尾氏という捉え方をしなかったということだ。

治家の世襲が、しばしば問題視されるが、一概に悪いとは思わない。要は、その人が候補者としての諸条件を兼ね備えているどうかが問題なのだ。今回の場合、横尾氏の立起表明を聞いていても、伊藤前市長の何を継ぐのか、長崎のまちづくりをどうするのかが明確に伝わってこなかった。(せめて、その要点だけでも)異常事態だから仕方ないとも言えるが、やはり候補者としての条件を満たしていなかったということになる。

藤前市長の娘が敗戦後の選挙事務所で、「伊藤一長は、この程度の存在でしたか、こんな仕打ちを受けるとは思いませんでした」と叫んでいたが、遺族の心情としては分かる。しかし、市民に向かって口にすべき言葉ではなかった。市民の伊藤前市長への思いはあったにしても、同情だけで横尾氏への投票には結びつかなかったということだ。「弔い合戦は強い」というのが一般的な見方だが、あくまでもケースバイケースだ。

上氏は今まで、市役所の中で、まちづくりに多く関わり、実績を残してきているという。市民は伊藤前市長の行政的遺志を田上氏に託したのだ。田上氏の行政手腕を見守りたい。

統一地方選挙は終わったが、今度は私たちが選んだ人たちの活動をしっかりとチェックしていくことが大事だ。


弱いぞ、安倍首相の発信力

2007-04-19 16:14:00 | Weblog

崎市の伊藤一長市長が銃撃された夜、安倍首相は「捜査当局において厳正に捜査が行われ、真相が究明されることを望む」とコメントを発表した。その翌日のテレビで、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(日頃は、あまり好きではないが)が「一国のリーダーが出すコメントとしては弱い」という意味のことを言っていたが、まったく同感だ。

くの政府関係者や与野党の幹部がコメントを出したが、いずれも「民主主義を揺るがす行為だ、絶対に許すことは出来ない」「政治家の言論の自由を封じる行為は許されない」というように、断固たる強いコメントを発表している。

それに比べ、安倍首相のコメントは誠に頼りない、弱いものだった。その後は強いメッセージを出してはいるが、やはり最初の段階での発言が大事なのだ。

小泉前首相と比較すると、こうした時の発信力が弱い。これでは国民の心に響かない。一身を賭して日本と国民を守るという覚悟が伝わってこないのだ。

相になる前から気になっていたが、安倍首相が発言する際、
「○○であろう~」という言い方をすることが多い。しかし、どこか決断力のなさや、逃げの姿勢を感じさせ、あまり感心しない印象を受けていた。現代社会においては、マスメディアを通じて、こうしたマイナスの印象は即座に国民伝わっていくものだ。今後は、一国のリーダーに相応しい、的確な強いメッセージを発信してもらいたい。


楽天・田中君、初勝利おめでとう!

2007-04-18 21:40:54 | Weblog

ったね、マー君! おめでとう、マー君!
素晴らしかった。ソフトバンクを相手に6-213奪三振、被安打91四死球、140球の初完投だった。

たれても要所、要所をきっちり押さえる投球は、新人とは思えない堂々たるピッチングで、まさに球界に新星現れるという強烈な印象を与えた。すでに、34年プロの経験があるような堂々たるマウンドの勇姿だった。

ーローインタビューで「前回の西武戦で自分のピッチングが出来ていた。昨日の永井(東洋大)さんのピッチングを参考にして投げた」というとおり、見事に結果を残すあたりは、ただ者ではない。

井投手も「田中、田中とばかり言われて、悔しかった」と言っているように、田中効果はチームの中で大きく広がってきている。これが、さらに大きくなっていくように願いたい。

来、松坂の後継者になる素質を持っていると言った野村監督は、「マー君は1回、1点で収まったから乗ったな。なんか持ってるね。強い星に生まれている気がするな」とニコニコ顔。今年の楽天は面白い存在になりそうだ。先日の早稲田・斉藤君といい、田中君といい、ますます期待が膨らむ。がんばれ、がんばれ、ルーキーたち!


統一地方選挙第2ラウンド

2007-04-15 14:51:45 | Weblog

一地方選挙の第2ラウンドが始まった。全国的に注目される選挙がいくつかあるが、何と言っても、まずは北海道夕張市長選挙だろう。現職の後藤市長は責任をとって辞めることになった。何せ353億円の借金を18年間かけて返済していかなければならず、しかも新しい市長の給与は今までの862000円から259000円へ大幅ダウンとなる。よほどの覚悟がなければ務まらない。

在、道外からの4人を含む7人の立候補者がいるというが、事前の説明会には30人以上の問い合わせがあり、ポスター掲示板の枠は結局18人分用意したという。このような乱立になると、みんなが有効投票の四分の一を獲得出来なければ再選挙になる可能性がある。

海道には、夕張市のほかに、もう一つ注目したい選挙がある。小樽市長選挙だ。ここは、3選を目指す現職の山田市長(自民・公明・民主・連合小樽の推薦)に対抗して、元自民党衆議院議員の佐藤静雄氏と市議の森井氏(無党派)が立候補している。なかでも、佐藤氏は「無給で市長を務める」と宣言しているが、果たして市民はどのような選択をするのだろうか。興味をもって見守りたい。


お見事!神宮の星・佑ちゃん

2007-04-14 14:27:52 | Weblog


(4/14読売新聞)

宮の星・佑ちゃん、素晴らしいデビューおめでとう。
77年ぶりの1年生開幕投手という偉業もさることながら、東大戦で6回を投げて1安打8奪三振の初勝利は見事というほかはない。甲子園での駒大苫小牧の田中君との歴史的な熱闘から、わずか8か月。夢の続きを見られることにワクワクする。楽天・田中君もプロで大輪の花を咲かせるべく頑張っているが、それぞれの道での大いなる飛躍を期待したい。

が神宮球場で初めて東京六大学野球を観たのは、高校2年生の秋。修学旅行で東京を案内してくれた田舎の先輩が、たまたま法政大学に通っており、行きたいところに連れて行ってあげるというのでお願いした。確か、法政対明治の試合だったと記憶している。当時は、六大学野球の人気が高く、長嶋が大活躍してプロ入りした直後だった。

く言う私は、嬉しいことに佑ちゃんの先輩になることになった。なので、自然と親しみも湧き、応援に一段と力が入ろうというもの。

大学に入学してオリエンテーションの際、最初に見せられた2本の映画のうちの1本が、あの時のヒーロー・安藤元博投手が4連投と大活躍した伝説の「早慶6連戦」だった。(もう1本は尾崎士郎原作の「人生劇場」)

終の週で早稲田が2-1で勝って並び、決定戦となった。それが1-1の引き分け。再試合が0-0の引き分け、そして再々試合が3-1となり、やっと決着がついたというものだった。映画を観ているだけでも、燃えたものだ。そういうこともあって、在学中は結構、神宮へ行き、例の紙製の角帽をかぶり、「紺碧の空」を歌った。

ったときは、新宿に出て飲んだものだ。1年生の時、無精ひげを生やしたまま武蔵野館近くのビヤホールに入り、同席になった早稲田の学生と飲んでいたら、「先輩、ごくろうさま」と言って、ビールをご馳走してくれたことがある。話を聞いていたら、3年生らしかったが、言い出すタイミング失い、結局そのまま奢ってもらってしまったという楽しい思い出がある。

日の試合では、1年生の原君(桐蔭学園)が見事なホームランを打ったし、投手には、やはり1年生で甲子園優勝投手の福井君(済美高校)もいるので楽しみが広がる。楽天の田中君、早稲田の斉藤君は当然応援したいし、日ハムにも頑張ってもらいたいので、今年は野球で忙しい年になりそうだ。


海外旅行での失敗談②

2007-04-13 14:23:25 | Weblog

◇バンコクの空港で騙された!

20年前のゴールデンウィーク、仲間3人とタイ・インド・ネパールへ10日間の旅をした。一番のお目当てはヒマラヤの大パノラマを上空から見るマウンテン・フライト。もし、当日、天候が悪かったら飛べないので、前日、1500mの高原からヒマラヤの眺望を楽しもうということなどから、自由にスケジュールを組めるようにとオーダーメイドの旅を企画した。

旅の始まりはタイのバンコク。失敗は第一日目に起こしてしまった。空港へ現地のガイドが迎えに来ているはずが、なかなか見つからない。そこで、仲間の一人が、自分の名前を「○○でーす」(こんなことを言ってはいけなかったのだが)と言ってガイドを捜していたところ、「○○さん、○○さん」と言って、3人の若い連中が駆け寄ってきた。

そして、すぐに、3人のスーツケースを待たせてあった車に乗せてくれた。いやに親切だなと思っていたら、車はなかなか出発しない。そのうちに「チップをくれ」という。もちろん、冗談じゃないと、はねつけ車を走らせた。そこで、こりゃおかしいぞということになった。

運転手は、まぁまぁの日本語を話すので、「何分ぐらいでホテルに着くか」などと聞きながら車に乗っていた。30分ぐらい走ったあたりから、だんだん明かりが暗くなり、ホテルがある中心部とは違う方向に走っているらしいことに気づいた。

「コノヤロー、これはどういうことなんだ!」と、3人で怒鳴りつけた。すると、運転手は、「日本語はよく分からない」と言い出した。挙句の果てに、「女性がいる、いいところがあるから、そこへちょっと寄って行って欲しい」という。夜10時ごろの話だ。

そうこうするうちに、煌びやかなネオンが輝くホテルのような建物が見えてきた。何と売春宿だったのだ。運転手は、そこで車をストップさせて走らせる様子はない。われわれは、「責任者を出せ」と凄んだところ、中年の女性が出てきた。これが何と日本人だった。聞けば、経営者だという。

事情を話し、タクシーを呼んでもらい、さらにタクシー代2000円はいらないということで、目的のホテルまで送ってもらった。ホテルに着いたのは11時を回っていた。現地のガイドは渋滞で迎えが遅れたのだという。当時はケータイもなく、連絡もうまく取れなかったための大騒動だった。

それから、確か1年も経たない頃だったと記憶するが、同じバンコクで日本人の新婚さんがタクシーの運転手に殺されるという痛ましい事件が起こり、ぞっとした覚えがある。

最近、パラグアイで日本人二人が誘拐され、一人は釈放されたものの、まだ解決に至っていない。日本人は、どこの国へ行っても狙われているということを、改めて肝に銘じておく必要がある。


海外旅行での失敗談①

2007-04-12 13:55:10 | Weblog

6年前の2月、スイス(アルプス)・ドイツ(ロマンチック街道)・フランス(パリ)を旅した。この時、二つの失敗をした。これからゴールデンウィークで海外へ出かける人が多くなると思うが、何がしかの参考にしていただきたい。

 

①ニセ札をつかまされた! 

パリでの出来事。妻と二人でオルセー美術館へ行った。フランで入場料を払ったところ、なかなか入場券を渡してくれないので、おかしいなと思って受付の中を覗いてみると、何やら顕微鏡のようなものでお札を鑑定している。

やがて、「このお札は使えない」「ビザ、ビザ」というのだが、すぐには理解できなかった。VISAカードを持っていないかということだった。(JCBカードは使えなかった)フランの持ち合わせが無かったため、近くにいた日本人に両替してもらって入場した。美術館を出た後、両替した店に行ったら、すぐにニセ札だと分かった。

さて、どこでニセ札をつかまされたのか。

実は、前日パリ中心部から20分ほどかかるホテルまでタクシーに乗った。下りる時、タクシー代を払ったら、「これは切れているからダメだ」と言って、お札を返してよこしたが、その時に、運転手がお札を摩り替えて渡してよこしたのだ。その時は全く気づかず、改めて別のお札を出したというわけ。日本円にして、2500円ほどだった。

 

この運転手、誠に調子がよく、ホテルに着くまで、一生懸命に観光ガイドをしてくれる。時には日本語を交え、妻が覚えたてのフランス語の単語を発すると「お上手、お上手」と、しきりに褒める。私たちは、「いいタクシーの運転手に当たったね」と、すっかりいい気分になったほど。これがクセものだったのだ。だから、海外に出て親切にされた時は、十分に注意したほうがいい。

 

②パスポート・財布を入れたバッグを忘れた!

 帰国する日の朝、ホテル1階で朝食後、ロビーで新聞を読んでいた。(知っている単語を拾い読みする程度)8日間の旅で、少し疲れていたこともあり、ボーっとしていたのだと思う。パスポート・財布が入っているショルダーバッグを、ついうっかり座っている横のイスに置いた。現地のガイドさんに、「くれぐれも貴重品は肌身離さず持っているように。盗られたら絶対出てこないので」とキツク注意されていたのに、やっちゃった。

 

忘れたのに気づいたのは5階の部屋に戻ったときだった。ほんとうに心臓が凍りついた。エレベーターはすぐに来ず、待ちきれなくて二人で階段を走った。この時ほど距離の長さを感じたことはなかった。ロビーに行くと、「あったー!」。ほんとに信じられなかったが、ホッとした。

 

あとで、ガイドさんに話したら、「奇跡だね」と言われた。もし無かったら、一大事だった。今、思い出しても冷や汗が、どっと出てくる。これから海外へ出かけるみなさんは、私のようなバカはしなと思うが、気をつけるに越したことはない。何せ日本人はお金持ちだと思われているので、それこそ、くれぐれもご注意を。


統一地方選挙②

2007-04-11 17:40:04 | Weblog

統一地方選挙の前半戦が終わった。感じたことを一つ二つ。

東京都知事選挙は石原氏の圧勝に終わったが、事実上の一騎打ちとなった浅野氏は、思ったほど得票できなかったというのが率直な感想だ。

以前、パフォーマンス先行型の政治家は要注意と言ったが、私の見るところ、浅野氏は石原氏の対抗馬が、なかなか決まらない段階で、頻繁にテレビに顔を出し、勝手連的な動きが出てくるのを期待していた節がある。

出馬表明でもないのに、わざわざ記者会見を開くなど(ご本人は、マスコミからの問い合わせが多いので、まとめてお答えすると言っていたが)、少し不自然な動き方だった。選挙前は、政党色は出したくないと、わざわざ民主党に断ったにもかかわらず、中盤に入って形勢が不利と見るや、なりふりかまわず民主党の応援を頼むという具合。(石原氏と自民党の関係も似たようなものだったが)

あくまでも信念を貫かなければ有権者の信頼は得られない。政策にしても、いまひとつ明確ではなかった。ただ、石原氏の「驕り」を指摘しブレーキをかけたこと、投票率アップに貢献したことは認めなければならない。

それにしても、野党第一党である民主党が独自候補を擁立できないとは、なんとも情けない限りだ。民主党について、もう一つ指摘しておきたいのは「格差是正」を政策の柱に据えていたが、鳩山幹事長も認めている通り、東京でも争点にはなり得なかったということだ。

また、北海道知事選挙でも、民主党が夕張市を「格差」のシンボルとして、格差是正を声高に叫んでいたが、大きな流れを作り出すことはできず、民主党の推薦候補が現職に約75万票差の大敗を喫した。民意を掴みきれていないのではないか。

もう一つ、今回の選挙で、「無党派対策」ということが強調されていたが、これに対する答えは、魅力ある候補者を立てることに尽きるのではないかと思う。もちろん政策の善し悪しも大事だが、信頼できると感じさせる候補、自分の考え方を自分の言葉で有権者にしっかり届けられる候補が、マスメディアが発達した時代には求められていると思う。どの政党も、こうした視点を考慮して候補者の選考を行うべきではないか。


おかしいぞ、柔道連盟 !②

2007-04-10 14:17:06 | Weblog

「おかしいぞ、柔道連盟! 」のブログに、幾つかのコメントをいただき、ありがとうございました。賛成、反対、それぞれのご意見があることは当然ですが、それらのコメントを踏まえ、もう一度、この問題を考えてみたいと思います。

その前に申し上げたいのですが、私は谷選手の今までの実績については、ほんとうに素晴らしいと思っています。また、福見選手の名前は初めて知ったのであって、何の関わりもありませんので、客観的に感じたままを書いています。

まず、柔道連盟の考えに賛成というご意見ですが、

「異論はありません。全柔連の選んだ選手は結果を出しています。谷本歩選手は、国内では一人の選手に連敗したが、オリンピックでは金メダルを獲得している」というものです。

確かに、このご意見も分かりますが、福見選手が金メダルを獲得できる確率は低いと決め付けるのは、いかがなものでしょうか。

「金メダル獲得の確率を上げるという観点からすれば妥当だと思います。選考委員で決めるなら、そうした事態は十分予測されます。柔道関係者として、今回の結果には納得がいきます。他の競技でも関係者が見れば納得するかもしれません」

金メダル獲得の確率を上げるという考えを否定はしませんが、やはり今の時点で実力が勝っている者が選ばれるのが極めて分かりやすいことです。谷選手については世界選手権までに調整すれば大丈夫というのが柔道連盟の考え方ですが、大きな賭けではありますね。

柔道連盟の考えに反対のご意見は、

「あまりに理不尽すぎます。優勝した選手が出られないのならば、何のための大会なのか。今回の決定はマラソン以上に納得いかない」

「谷選手は辞退すべきです」

「実績では福見選手も十分だと思う」

「大会の結果を代表選考の参考にしかしないのなら、参考会とでも名称を変えるべき。どうしても谷選手を特別扱いしたいのなら、試合の結果にかかわらず、最初から代表に決めてしまっておけばいい」

いずれも、もっともなご意見だと思います。
やはり、関係者に考えていただきたいのは、柔道連盟の考え方が果たして一般社会の常識に照らして妥当なのかどうかということです。「世代交代」「若手育成」といった視点からも慎重に選ぶべきではないかと思うのですが。


おかしいぞ、柔道連盟!①

2007-04-09 16:24:49 | Weblog

8日行われた全日本選抜体重別選手権の女子48㌔級で、谷亮子選手(31)が敗れたのに、世界選手権の代表に選ばれたのは、誠におかしい!

決勝で勝ったのは福見友子選手(31)だった。なぜ谷選手なのか。

道連盟の吉村和郎・強化委員長によれば
「勢いか、ベテランの強さかという選択だったが、谷はこれまでどんな状況でも勝ってきた。同じ過ちを繰り返さないことにかけた」「自分たちは金メダル獲得が絶対条件。出場するだけでいいなら若手を使う」(読売新聞)

内で勝っても外国人に勝てない選手ではダメ」(朝日新聞)と語っている。

そして、4階級で優勝者が世界選手権の代表に選ばれなかった。これでは、本人たちも納得できないだろうし、客観的に見て筋が通らない。

くに、福見選手は5年前、谷の65連勝を阻んでおり、今回は2度目の勝利を挙げたのだ。ドイツの国際大会では準優勝しているし、昨年の福岡国際では優勝の実績もある。山口香強化委員は「勝っても代表に選ばれないのでは、チャンスがなくなってしまう。福見には今年がなければ、来年の五輪もないことになる」(朝日新聞)と反対した。山口氏の意見に全く同感だ。また、

①スポーツにおける「勢い」ということは、実に大切なことで、実績主義を優先させるなら、若手の成長を拒むことになる

②スポーツの精神は、「フェア精神」にあることはいうまでもないが、金メダル獲得を最優先とするがゆえに、不公平な扱いをすることは許されない。若者の可能性を信じるべきではないか。

③勝負は、やってみなければわからないではないか。努力したものが報われないのでは、選手たちには、あまりにも気の毒だ。柔道連盟は再考すべきだ。

いでに、マスコミに一言いいたい。かつて、オリンピックで3連覇の偉業を成し遂げた野村忠宏選手は「どうしても、柔ちゃんの記事の方が大きい扱いなんだよね」と、冗談交じりに言っていたが、話題性ばかり追いかけるのではなく、その成績の重みに充分配慮した紙面構成にしてもらいたい。