先月、北海道小樽市で海水浴帰りの女性4人をはねて3人を死亡させ1人に重傷を負わせた事件。
札幌地検は一番重い自動車運転処罰法違反の「危険運転致死傷罪」(最高刑懲役20年)を適用しなかった。その理由は、容疑者が酒気帯びの状態ながら、現場の制限速度(時速60km)内の50~60kmで走行し、自己の直接の原因はスマートフォンを操作しながらのわき見運転だった可能性が高いと判断。自己後に近くのコンビニまで運転していることも踏まえ、「正常な運転が困難な状態」であることを適用条件とする危険運転致死傷罪の適用を見送ったという。被害者や遺族はもとより、国民の誰もが「おかしい!」と思っているのではないか。それがごく普通の感覚だ。
今までも、このような事件が何度も何度引き起こされ、その都度、同じような理屈をつけて厳罰を科すことができないというのは誠に馬鹿げた話だ。結論を先に言えば、直接の原因がスマートフォンであろうが、飲酒運転であろうが3人の若い命を奪い、1人に重傷を負わせたという悪質極まりない結果がすべてなのだ。
容疑者は、自己直前まで12時間も飲酒していて、逮捕時は酒気帯び運転の基準の3倍を超えるアルコールが検出されているのだ。それなのに、「アルコールの影響で正常な運転が困難だったとまでは立証できない」というのだ。まつたく呆れた理屈だ。酒を飲んだ上にスマートフォンをしながら運転していたという事実が明らかになっているのに、「客観証拠が不十分」だという。これ以上何をもって立証できるのか。
今までの裁判にしろ、今回の札幌地検の判断にしろ、もっと真っ当な判断が出来ないものか。専門家と言われる人たちも、その多くは「やむを得ない」という方に傾いていて、新法が施行されても何の意味もない。こうした馬鹿げた判断は、もういい加減にしてほしい!
もう一つ、これほどの事故を起こした加害者は、即運転免許永久停止にすべきだ。こうした事件を引き起こさないようにするには、運転する者が自覚するしかないのだから。