テレビのニュースを見て、「全くおかしい!」と思った。
先月、兵庫県の上空を飛行中のJAL機内で女性客室乗務員のスカートの中を盗撮したとして、兵庫県迷惑防止条例の疑いで逮捕された男が、処分保留で釈放されたという。
東京地検は、盗撮された時間は特定されたが、航空機は高速で移動するため、当初は兵庫県上空での行為としていたが、秒単位で厳密に計った場合、京都や大阪の上空だった可能性が捨てきれないので、兵庫県の条例を適用するのは困難だと判断したというのだ。
目撃情報があり、本人も逮捕容疑を認め、さらに、男の自宅のパソコンから別の機内で盗撮されたたと見られる画像が見つかっているというのだ。それでも処分保留とは納得できない。検察の判断には呆れてしまう。「法律がそうなっているから仕方がない」では済まされないことだ。
このニュースを見て、すぐに、あの京都市亀岡の無免許運転による悪質な10人の死傷事故を思い出した。京都地検は無免許運転や居眠り運転自体は法的な要件に含まれないことなどから、危険運転致死傷罪の構成要因を満たさないとして断念したというものだ。
一体、日本の法律とは、どうなっているのか。わざわざ、法の盲点を探しだして重罰とすべきものを重罰にできないという不可思議なことが相次いでいる。立法府たる国会にも、法律を運用する側にも、こうした法の不備を早急に正してもらわなければならない。そうでなければ、悪質な事件は、また繰り返される。