麻生総理が、踏襲を「ふしゅう」、頻繁を「はんざつ」、未曾有を「みぞうゆう」、そして元厚生次官刺殺事件に対するコメントの中で、怪我を「かいが」と言ったという。これは、もう読み間違い、勘違いのレベルの話ではない。総理として資質のなさを露呈したといっても過言ではない。
加えて、「定額給付金」の迷走、道路特定財源に関する「地方交付税か地方交付金か」の問題、「医師には社会的常識がかなり欠落いる人が多い」と発言し、医師会から猛抗議を受けて早々と謝罪した等々。
これでは、総理の発言が国民に正しく伝わるはずもなければ、ましてや説得力はゼロだ。総裁選を通じて、威勢の良い言葉を聞かされていた国民としては、少しは期待していたが、まったく情けない。一国のリーダーの言葉としては、あまりにも軽すぎる。
言うまでもなく、政治家にとって言葉は最も重要なものだ。アメリカ大統領選挙では、オバマ氏が演説の巧さで勝利したとまで言われている。
一方、民主党の小沢代表も、違った意味で言葉の軽さ、品のなさが目立つ。一年前の民主党代表辞任劇、そして撤回騒動。「未だ、民主党には政権担当能力がない」と断言した。そして今、「政権交代、政権交代」と声高に叫び、すぐに民主党に政権を渡すのが筋だと言われても、俄かには信じ難い。
今日のNHKのテレビ番組でも、補正予算案の審議に関し、麻生総理が「小沢氏は信用できない」と言ったことに対し、「チンピラの言いがかりみたいな話だ」と言い放った。いやしくも一国の総理に対する言葉としては常軌を逸している。暴言だ。小沢氏は正常な判断力を失っているのではないか。
体調不良を理由に、インドの首相との会談を突如キャンセルしたりしているところをみると、とても総理大臣の職を遂行できるとは思えない。一時でも総理大臣と言われたいがための動きにしか見えない。
自らの提言で始められた「党首討論」も、「時間が45分しかないから」「特別に討論するテーマがないから」とか言って拒否し、急きょ、「党首会談」を突き付けるというのも全く理解できない話だ。常々、「国民の生活を第一に考えている」というが、どうみても政局第一の言動だ。
というわけで、麻生氏、小沢氏ともに、明らかにトップリーダーとしての資質を欠いている。こんなリーダーしか持てないということは、われわれ国民も、そのレベルにしかないということなのかもしれない。厳しい目で政治を、政治家を見ていきたい。