「おかしいぞ、柔道連盟! 」のブログに、幾つかのコメントをいただき、ありがとうございました。賛成、反対、それぞれのご意見があることは当然ですが、それらのコメントを踏まえ、もう一度、この問題を考えてみたいと思います。
その前に申し上げたいのですが、私は谷選手の今までの実績については、ほんとうに素晴らしいと思っています。また、福見選手の名前は初めて知ったのであって、何の関わりもありませんので、客観的に感じたままを書いています。
まず、柔道連盟の考えに賛成というご意見ですが、
「異論はありません。全柔連の選んだ選手は結果を出しています。谷本歩選手は、国内では一人の選手に連敗したが、オリンピックでは金メダルを獲得している」というものです。
確かに、このご意見も分かりますが、福見選手が金メダルを獲得できる確率は低いと決め付けるのは、いかがなものでしょうか。
「金メダル獲得の確率を上げるという観点からすれば妥当だと思います。選考委員で決めるなら、そうした事態は十分予測されます。柔道関係者として、今回の結果には納得がいきます。他の競技でも関係者が見れば納得するかもしれません」
金メダル獲得の確率を上げるという考えを否定はしませんが、やはり今の時点で実力が勝っている者が選ばれるのが極めて分かりやすいことです。谷選手については世界選手権までに調整すれば大丈夫というのが柔道連盟の考え方ですが、大きな賭けではありますね。
柔道連盟の考えに反対のご意見は、
「あまりに理不尽すぎます。優勝した選手が出られないのならば、何のための大会なのか。今回の決定はマラソン以上に納得いかない」
「谷選手は辞退すべきです」
「実績では福見選手も十分だと思う」
「大会の結果を代表選考の参考にしかしないのなら、参考会とでも名称を変えるべき。どうしても谷選手を特別扱いしたいのなら、試合の結果にかかわらず、最初から代表に決めてしまっておけばいい」
いずれも、もっともなご意見だと思います。
やはり、関係者に考えていただきたいのは、柔道連盟の考え方が果たして一般社会の常識に照らして妥当なのかどうかということです。「世代交代」「若手育成」といった視点からも慎重に選ぶべきではないかと思うのですが。
予選は先月のオーストリア、フランス、ドイツ、ポーランド、チェコ・・・とたくさん国際大会があり、ドイツで福見さんは敗れているんです。
ちなみに全柔連が48キロ級の新鋭としていちばん期待を寄せていた中村美里選手はフランスで敗れています。福見さんは最近の大会で同じく若手の山岸さんに敗れたりと一概になぜ福見じゃないんだ!とはいえないと思います。
谷さんはこのような小さな国際大会で優勝を逃したことはありません。福見さんが選ばれなかった理由としては、ドイツでの負けも大いに関係してるように思われます。
前記事のコメントで、谷さんの試合の内容がよくなかったとの記述がありましたが、それはまったく柔道を知らない人の見解でしょう。
福見さんの送り足払い・・・谷さん以外の選手であれば一本になっていますよ。それに今までにはない危ない場面も見られたものの、谷さんの技はタイミング・キレともに2年間谷さんを追いかけてきた選手のそれよりも優れていたように思います。
つまり若手はこの2年間で谷さんに追いつくどころかいまだに谷さんのほうが上ということです。
世界選手権までの期間、女王は万全の状態に仕上げてくるでしょう。その万全の状態の女王に果たして若手は太刀打ちできるのでしょうか?
谷さんだって負けて選ばれたわけですから、余計に貪欲な勝負を見せてくれるはずです。
初めから決まっていたのでは選考会の意味がないとのことですが、それは違うと思います。谷さんが圧倒的な負けだったらその相手を選んだでしょうね。ちなみに圧倒的な負けというのは世間ですごいといわれるような一本負けのことではありませんのでご注意を。
何度も言うようにこの時点で谷さんと若手の差がほとんどないようなら谷さんを選ぶのが妥当です。なぜなら今の彼女は万全じゃないからです。
それは若手選手もわかっていたはず。福見さんだって『気の毒だ』なんて言われていい気分になりませんよ。若手だからこの先伸びるのでは?と思われる方もいるかと思いますが、全柔連もそうは感じていないと思います。その理由は省かせていただきます。
全柔連の見解が世間の一般常識に云々とのお話ですが、それは言い出したらきりがないのでは・・・
わたしは別に谷さんのファンだからこのような意見を述べてるのではないのです。むしろ好きではないです。
しかし、柔道を知らない方が全柔連に対してこのような感情を持つことに対して一言言わねばという思いに駆られてしまいました。失礼に当たる発言も多々あると思いますが、どうかお許しください。