北の旅人

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呆れ果てる! 鳩山由紀夫氏のクリミア訪問

2015-03-16 13:50:29 | Weblog

政府が再三にわたって中止を求めたクリミアを訪問した鳩山元総理の言動は、本当に理解に苦しむ。日本が、ロシアによるクリミアの一方的な編入を「国際法違反」として認めず、また先進7か国も反発してロシアへの経済制裁を発動している最中、次々と問題発言を繰り返している。

「ウクライナの法律に従い、平和的かつ民主的に行われた。軍事的影響はなかった。現地住民の意思によるも
  のだ」

「民主的に行われた住民投票により領土問題が解決したことは、世界史上、画期的な出来事だ」

「人々はとても幸せそうに、平和に暮らしている」

○「日本での批判には慣れている」

○「日本人は欧米に洗脳されている」

全く呆れたコメントだ。

菅官房長官は「バカバカしくてコメントをする気にもならない」「政府の立場に著しく反する。首相まで経験した政治家としてあまりに軽率できわめて遺憾だ」、強く非難している。当然だ。民主党の枝野幹事長は「その方は元自民党議員であり、元民主党議員でもある。少なくとも今は民主党に属していない」と関係ないことを強調している。しかし、総理として担いだ責任はあるし、また、「政権交代、政権交代」というマスコミの過剰な報道にも乗せられて、結果的に全く愚かなリーダーをトップにしてしまった国民にも責任がある。

アメリカはというと、「鳩山氏のクリミア訪問は外交的に信じられないことだ。彼はクレイジーな人物だとしか言いようがない」とコメントしている。

弟の元総務大臣の鳩山邦夫代議士も、「国益だけでなく、 鳩山家の信用をも傷つけた」「日露関係のことでは兄とは口をききたくない」と話し、「本当に宇宙人になってしまった」と嘆く。

今回のクリミア訪問に関して、もう一つチェックしておきたいのは、同行者である。ジャーナリストの高野孟氏(インサイダー編集長)と新右翼団体の木村三浩氏。

高野氏は、かつて共産党員といわれ、元総評事務局長の長男。鳩山氏が理事長の財団法人東アジア共同体研究所(注1)の理事である。弟は津村喬氏で、気功師・精神世界ニューエイジ運動家。

木村氏は、前東京都知事・猪瀬直樹氏と徳洲会の仲を取り持った人物として知られる。木村氏は昨年クリミア訪問し、その後一水会主催で鳩山氏が講演しているというから、そんな繋がりの延長線上に今回の一件があるものと想像される。

東アジア共同研究所のメンバーを見ても、一体、何ができるのかサッパリ分からない。ただ、鳩山氏の突飛な行動は日本の国際的な信用を貶め、混乱をもたらす意外の何ものでもない。旅券没収ならクリミア移住などと嘯いているそうだが、現実には没収は無理らしいので、取りあえずは誰も相手にしないことが一番だ。

(注1) 東アジア共同体研究所 

友愛の理念に基づく世界平和の実現を究極の目的とする。その目的を達成する手段として、東アジア共同体を構想し、その促進のために必要な外交、安全保障、経済、文化、学術、環境などをあらゆる分野における諸国・諸地域間の協働の方策の研究と環境条件の整備。

(役員)

理事長 鳩山由紀夫(第93代元内閣総理大臣)

理事  孫崎亨(外交評論家 元外務省国際情報局長)

理事  橋本大二郎(武蔵野大学客員教授 元高知県知事)
理事  高野孟(ジャーナリスト 株式会社インサイダー代表取締役)

理事  芳賀大輔(鳩山由紀夫事務所所長)

理事  茂木健一郎

理事  波頭 亮

特別研究員 尹 星駿