民主党が、相変わらず筋の通らない話を繰り返している。衆院小選挙区定数の「0増5減」をめぐり、政府が衆院に提出した区割法案に反対している。昨年の衆院選における「一票の格差」について、行政訴訟を起こされた17件中、各高裁において15件が「違憲」とされた。
民主党政権当時、「0増5減」を先行処理することで了解していた。にもかかわらず、今になって、「0増5減」では不十分で、すぐに一票の格差が2倍になるので、格差是正と抜本改革を同時に行わなければダメだとし、譲らない。先日のテレビでも、岡田克也政治改革推進本部長が、「自民党幹部や政府高官から再可決の話も出ており、謝罪して撤回してほしい。そうでなければ、簡単に審議入りは出来ない」という有様。
今夏の参院選を控え、定数削減によって国会議員も身を切る姿勢を示そうというものだが、待ったなしで「一票の格差」を解消しなければならないのだから、速やかに区割法案を可決すべきなのだ。
定数削減については、自公両党は、比例定数を30減の150として、そのうち60を中小政党の優遇枠とする案だが、憲法違反の疑いもあると指摘されている。一方、民主党は、小選挙区定数を30減の270、比例定数を50減の130とする案をまとめているが、そう簡単に決着できる問題ではない。したがって、まずは、「格差是正」を次期衆院選に間に合わせるためにも、先行させることがベターだ。
マニフェスト破りを平気で行ない、何も決められない民主党は、先の衆院選で国民から見放され、野党に転落したにもかかわらず、その本質は何も変わっていない。こんな体たらくでは、遠からず民主党は消滅への道を歩むことになるだろう。
民主党など、野党が反対して参院で同改正案が可決されなくても、憲法上、衆院で再可決できる以上、早期に成立させることが筋だ。