概念意味と聴覚音象徴を言語記号で図式にしたのは大学講義の受講者たち、そして弟子による書き加えであったと、草稿本のイラストから説明をする、ソシュールの一般言語学講義である。言語記号のその図には内円に絵が描かれている、円形の半分上部にクリスマスツリーの原木に似た絵柄があり、その下には仕切られた半円の中にバーでくくって、/arbor/と、ラテン語音韻が書き込まれている。円の両側、左右のサイドに矢印の上向きと下向きが添えられて、その上下の半円は行き来している。これが言語記号の模式図である。しかし講義では円に半円となる仕切り線だけが板書で示されたようで、概念と音韻による語は説明のものであったらしい。所記と能記と、小林英雄訳の難しさに、それを読みこなしたのであった。 . . . 本文を読む