先ほど水原氏の賭博問題に関する大谷選手の声明を聞いたが、その内容に驚いている。それによれば、水原氏が大谷のあずかり知らぬところで彼の金を盗んだということになり、れっきとした窃盗である。しかも、大谷に対してはすぐばれてしまうような大ウソをついていたことになる。
おそらく、日本人の多くは彼の釈明を聞いて胸をなでおろしたことだろう。彼が賭博にも違法な送金にもかかわっていないことがこれではっきりしたのだから。私もその一人である。私はてっきり彼が水原氏を助けるために借金の肩代わりをして上げたのだと思っていたのだが、あらためて彼自身の口から事実はそうではないということを聞いて安堵した。だが、客観的な事実を並べていくと彼の言い分は必ずしも受け入れやすい話ではない。それでも私が大谷のいうことを信じることができるのは、多分同じ日本人だからだろう。同じ文化的背景をもち同じ言葉を話す私たちは、これまでの大谷の野球に対するひたむきな態度や言動に触れてきて、彼が話す時の態度や表情から彼が嘘偽りを言っているのではないということを信じることができるのである。
しかし、アメリカはご存じの様に多民族国家であり、日本人同士の腹芸などというものは到底通用しない社会である。特に、一介の通訳に過ぎない水原氏が彼の口座にどうしてアクセスできたのかということが最大の問題である。しかもその口座から大金が動かされたことにも当の本人が気づかない。普通はあり得ない話である。いずれこの件については詳しい弁明を迫られることになるだろう。Yahooアメリカでもこのニュースは流されているが、早速一般読者からはネガティブなコメントが山のように寄せられている。その中の数例をとりあげてみよう。
「大谷が通訳を通じてスポーツ賭博をしていたとしても驚かない。自分の銀行口座から450万ドルが引き出されたことを、彼が知らないわけがない。真実はいずれ明らかになるだろう。」
「大谷の弁護士が最初の通訳面接の後に扇動し、通訳が🎤に戻って180度変わった、大きな隠蔽工作を感じる。大谷はこの件に関して、ある意味汚い。」
「ピート・ローズにその質問をすれば、喜んでアドバイスをくれるだろう。」
ざっとこんな調子である。日本では大谷のニュースには礼賛的なコメントがほとんどで、否定的なものほとんどないが、かの地では普段でも肯定的なコメントは少なくネガティブなものの方が多いのだが、今回の件ではもうほとんどが非難の嵐状態である。これには多少人種差別的な要素があるだろう。大谷が英語で話さないということも一つの要因かも知れない。いずれにしろ、さらに詳しい事情説明は必要だと思う。
3月23日の記事で私は「大谷は親しい友人と有能な通訳を同時に失ってしまった 」と述べたが、今日の会見で水原氏は初めから友人ではなかったということが分かってしまった。友人を窮地に追いやっておきながら、それを糊塗するためにすぐ分かるようなその場限りの嘘をつく、そんな友人は友人ではない。