最近は毎朝NHKの朝ドラを視ては泣いている。「舞い上がれ」の主人公を演じている9歳の子役・浅田芭路(あさだ・はろ) さんがとても可愛くて演技が上手だ。演技と言うより完全に劇中の少女役に入り込んでいるような気がする。それで見ているこちらもつい引き込まれてしまうのである。彼女が涙ぐんでいると、つい自分の孫娘が悲しんでいるような気がして胸が締め付けられる。最近の子役それも特に少女役の俳優はどの人もとても上手だと思う。何年か前に「義母と私のブルース」というドラマが放映されたが、この時も子役の横溝菜帆さんがとても魅力的で見入ってしまった。少女役に要求されるひたむきさ、可愛らしさをそなえており、感情表現も実にスムースである。悲しみの場面ではごく自然に目に涙を湛えている 。
昔も天才子役と言われる人はいた。しかし現代の子役と比較すればそれは「カメラの前でも臆することなく元気に振舞える」という程度のものでしかなかったような気がする。昔はよく「子役は大成しない」と言われたりしたが、最近はそうでもなく子役出身の俳優が目白押しである。「舞い上がれ」の成長後の主人公役である福原遥さんにしても子役出身だ。最近の子役は既に完成された俳優であり、基礎は既に出来上がっている。それが大人になっても十分通用する理由だと考えられる。
ドラマを見ているこちら側は画面に没頭しておればよいだけであるが、登場する子役側にすれば、演じる人が皆上手であるということは、それだけ層が厚く競争が厳しいということでもある。昔に比べて我が子を子役にしたいと願う親が圧倒的に多くなっているということがかんがえられるが、その期待に応えられる子は一握りであろう。子役のレベルが高ければ高いほどそのハードルも高くなるのは理の当然である。思い通りに行かぬ子に過大なプレッシャーをかける親がいないだろうか、気がかりである。
東海道線・根府川駅付近から見た相模湾