新規感染者数が増えだしているのに自粛宣言解除となる運びとなってしまった。だらだらと自粛を続けていくわけにはいかないという事情は理解できるが、なんの策をも打たないでただ解除するというやり方がいただけない。疲弊しきった保健所や医療部門に、これからはさらにワクチン接種という大事業がのしかかってくるという時に自粛解除すれば、惨憺たる事態になりかねない。
せめてPCR検査体制をもっと拡充するというような程度のことをすべきではないのかと思う。他国に比べて検査数が依然として低すぎるように思う。その努力のなさをカバーするために「PCR検査数はやたら増やさない方が良い」というような迷信が意図的に拡散されてきたとしか思えない。やはり検査数をもっと増やす必要がある。
「PCR検査数をやたら増やさない」理由として、感度と特異度ということがよく言われる。現在の東京都の検査では、感染者を陽性と判定できる感度は約70%、非感染者を陽性と判定してしまう特異度が約1%だという。つまり、10人の感染者のうち3人は偽陰性として見逃してしまい、100人の非感染者の内1人は感染者(偽陽性)として判定されてしまう。
偽陰性については仕方ない。検査しなければどのみち見逃されてしまうのだから、それを理由に検査しないということにはならない。とにかく感染者の実行再生産数を少しでも下げることを考えねばならない。偽陽性の場合は、当人にとって迷惑な話ではあるが、国全体がそれだけの事態に立ち至っている以上、多少のことは受忍してもらうしかない。精度を高めるためには複数回の検査をするということを考えてみてもよいと思う。
検査数を増やすには、それだけの人員や費用を投下せねばならないが、それこそが政治家や官僚の出番である。無い知恵を絞りだして、コロナ対策に全精力を集中すべきだと思う。本当なら、オリンピックなどに余分なエネルギーを使っている場合ではないのではないのか。
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