孫娘は小耳症

孫娘(2021年4月生まれ)は左耳小耳症で両耳難聴です。
頼りない娘を支えつつ孫娘の成長を見守ります。

「コーダあいのうた」

2022-06-19 20:47:53 | 1歳から

コーダ あいのうた [Blu-ray]

難聴をあつかった本に飛びついているわたしですが、映像作品も同様です。

(とにかく、難聴についてもっともっと知りたいのです。)

最近見たものをいくつかご紹介してみますね。

 

まず、今年のアカデミー作品賞に輝くアメリカ映画「コーダあいのうた」です。

 

主人公の高校生少女は、家族4人のなかでただ一人の健聴者です。

全聾の両親(や兄)の手話通訳者として、子どもにはどうか? という場面にも立ち会ってきました。

漁師という家業にも、彼女の尽力は必須です。

まさに、いま話題のヤングケアラーなのです。

 

少女は歌が大好きだし、すばらしくうまい。

選択科目でとったコーラスの授業で、音楽教師からバークレー音楽大学への進学をすすめられます。

夢が広がるのを感じる少女ですが、家族の現実を考えると「ダメよダメダメ」と自分をおさえてしまいます。

 

ま、このストーリーならば、結末のハッピーエンドは予想がつくと思います。

 

聾者役の一部を本当に聾の俳優が演じているらしく、手話の迫力がはんぱないです。

スピーディで情感たっぷりで、すごくカッコイイ!

とてもすぐれた表現力を持つ言語なんだなあ、と実感します。

 

でもでもこの言語、使用範囲がせますぎて、実用の役に立たないのです。

長女の通訳がなければ、口話言語のひとびと(圧倒的多数)とのコミュニケーションが取れないのですから。

 

長女が学校音楽会で独唱する場面に、胸を打たれました。

舞台で娘が歌っていても、客席にいる両親には何も聞こえません。

でも、周囲のひとが上気して涙を流したりするのを見て、「ああ...」と顔を見合わせる両親です。

 

このごろよく聞く「コーダ」という言葉。

「Children of Deaf Adults」の頭文字だそうです。