Sydney Yajima


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オーストラリア市況

2009-07-07 17:27:26 | オーストラリア株式
オーストラリア市況
(4.30pm AEST)

オーストラリアの株価は若干弱含みで終わった。平均株価は0.43%さげて3767.8
木曜日の雇用率の発表を控えて、またアメリカの水曜日の夜に発表される四半期の始まりのレポートを待つ空気で、トレード量も普段より少なかった。

エネルギーや、鉱物関連は、不況の影響のため 最悪のパフォーマンスだった。 RIOは2.37%さげて47.35ドル AMCは0.42%下げて 4.69ドル。理由はAMCがRIOのALCAN パッケージを買うことを中止したことで、そのビジネスは2ビリオンダラーになるはずだった。

SINO ゴールド社(SGX)は中国での独占開発、また新たにASX 100にもはいり、5.78%上げて4.94ドルで取引を終えた。

主要銀行はほぼ変わらず。平均では0.47%下げている。

リザーブバンクはレートを変えず、3%に。これで 三ヶ月レートを下げていないことになる。 今年の終わりにまでに必要であるならば、さらに下げることを躊躇しないといっている。

CBAのチーフアナリストのクレイグ ジェームスは「借り入れをしている人はレートカットにより利益を得ている。去年の9月以降、仮に300,000ドル借り入れていれば 5500ドル利益を得たことになる。年間7500ドルの違いだ。」

さて、国は最低賃金を週給543ドルとし、維持を表明。これは 国全体では12%のオーストラリア労働人口(120万人)に影響を与えることになる。

オーストラリアドルは0.7956USD。

市場全体は1.6ビリオンのトレード量 3.57ビリオンダラー。
今夜のアメリカは、主な公表はない模様だ。

スティーブン ダフリアン マーケットアナリスト CBAより意訳

オーストラリアの市況

2009-07-06 17:51:12 | オーストラリア株式
オーストラリアの市況

MARKET CLOSE
(4.30pm AEST)

オーストラリアの平均株価XAOは、1.11%落下。3784.2で取引を終えた。アメリカの独立記念日から、まだ引きずっている下げ基調だ。

商品価格は、やや下げ止まっているが、BHPが2.42 %下げて32.62ドル。RIOは2.22%下げて48.50ドル

建築関連はLEIが230ミリオンダラーの契約をインドのIT会社と結び、 0.18%強くなり22.41ドルで取引を終えた。

銀行関連は、WBCが1.24%落ち 19.08ドル、ANZは1.05%下げて15.98ドル、CBAとNABはやや持ち直した形だ。

オイル関連は、CYXが0.08%下げて12.39ドル。SYOが3.97%下げ、13.56ドル。STOの石炭ガスアセットを450ミリオンで、海外の企業が乗っ取るといううわさがあり、 注目を集めている。

平均のガソリン価格は0.2セント上がり125.9セントとなった。ここ平均9ヶ月で最も高い価格で推移している。セバスチャン氏によると 「パーセントで考えると、平均4.4%から5.5%去年より、上げている。これがインフレ率に影響しているはずだ。しかし労働市場の価格は去年より下げており、車の移動をする人が減るという結果になっている。」

ANZの就職広告調査が、発表された。仕事は去年に比べて6.7%減っており、これにより過去10年間で最低の状況となっている。また世界の不況が今後、どのくらい続くのかが不透明な現在取り巻く環境は、決して優しくない。

オーストラリアドルは0.793USD
市場は1.6ビリオンの株が取引され、全体の金額は3.04ビリオンダラー。

今夜アメリカのISMサービスのインデックスが発表されることを注目しよう。

スティーブン ダフリアン

マーケットアナリスト CBA より抜粋 意訳


オーストラリアマーケットの状況

2009-07-04 18:04:24 | オーストラリア株式
オーストラリアマーケットの状況
MARKET CLOSE
(4.30pm AEST)
かなり弱含みだった。全体では 1.25%下げて 3829.6 。

商品が弱く、マイニング関連はRIOは 4.15%下げて49.6ドルでトレードを終えた。

主要銀行はANZが0.12%上げた。ロイヤル スコットランド銀行から主なアジアのアセットを買ったことが好感されたからだが、ほとんどの銀行は下げている。

消費関連は、やや上げているものもある。たとえばCOLESやWESなどだ。WESは1.57%上げた。 Woolworthsは0.46%上げ26.11ドル。

経済最前線の情報としては、車の販売が増えてきていることが6月の発表でわかったことだろう。先月のセールスは102847台で予想を上回っている。CBAのセバスチャン氏は政府のビジネスへの援助金が成功していると見る。6月の販売は去年に比べて12%増えている。これは過去8年間で三番目に大きな波で好感されている。

アメリカの農業省の調査により、農家への援助が決定される。去年より11%上がる予想だ。

来週は忙しい週になるだろう。多くのデーターが出るからだ。主な変化は、仕事の募集率が月曜日に出ること。RBAの利率決定は火曜日。家のローン借り入れ率は水曜日。雇用率/非雇用率は木曜日。


第二期のレポートは来週から始まる。34%の収益悪化がすでに予想されている。

オーストラリアドルは弱含みで、0.7974USD。
T
トレード量は1.95ビリオン株 6.54ビリオン ダラー 337社が上げて 604社が下げ 282社は変わらず。
スティーブ ダフリアン マーケットアナリスト CBA より抜粋意訳

オーストラリアの市況

2009-07-02 22:49:22 | オーストラリア株式
午前中は強含みで、どのセクターも上げていたが、午後、終わり間際になって、急に下げた。
金融関連は、0.41%程度の上昇にとどまり、WBCは0.51%落ちて 19.58ドル雇用が悪いだろうという予想から、ローンの借り入れが落ちるとみている市場関係者は多い。NABは0.74%上げて21.85ドル。NABはATM手数料を安くしたために、10%も利用者が増えたと言っている。

ベースメタルは、回復してきていることが、昨夜のロンドン取引価格をみると分かる。今日はその影響が出ているようだ。BHPは1.18%上げた。34.30ドルになり、RIOは0.29%上げて51.751ドル。RIOは新株オファーの97%はすでに買い取り手がついて、キャピタルは15ビリオン増えたとしている。

オーストラリアの第二位のマイニング会社であるウッドサイド ペトロリウム (WPL)は、1.86%下げた。現在41.66ドル。西オーストラリアの天然ガス採掘の計画が発表された後、下げに転じた。50ビリオンダラーのプロジェクトコストがかかるといわれている。

オーストラリアは貿易赤字が記録的に大きくなっていたことが 今日 報じられた。6月の赤字は556ミリオンダラーにものぼり、予想の100ミリオンよりも大きくなっている。

CBAのエコノミストであるセバスチャン氏は、「輸入は12.5% 去年よりも少ない。貿易の活発であった時代には終わりがきたようだ。来月には、もっと商品価格が下がる可能性があり、特に、鉄鉱と石炭価格の下落が響いている。今後も赤字幅が広がる可能性がある」と指摘している。
また輸出に関しては、「3月までの四半期は輸出が伸びてオーストラリアドルが強くなった。27%も最低価格から上げている。だが、輸出需要が減ってきていることを考え、年間の輸出のそうりょうとしては およそ10%は去年に比べて落ちるだろう。最悪、去年の半分になるというありえる話だ。

オーストラリアドルは今日は、やや下げて、0.802USDになった。

マーケット全体では 4.26ビリオンダラーのトレードがあった。
4;30の段階で ASX平均は3832 ちょうど0.75%下げている。

今夜のアメリカ合衆国の注目するべき発表は、雇用率に加えて、一般給与が発表されることだ。


スティーブン ダフリアン
マーケット アナリスト CBA マーケット クローズ (4;30AEST)より意訳


*ここで、問題なのは、オーストラリアはこれから、ようやく時間はかかったけれども深刻な不況へと突入していく可能性が広がったということである。なぜなら、今までの好況は、中国からの需要のおかげで、資源がたくさん売れたからだ。しかし、貿易赤字が増えていることは、この小さなマーケットのサイズしかない人口わずか2500万人のオーストラリアが、資源国として輸出している以上の消費をしているという背中が寒くなるような数字が出ていることである。私は中国は確実に不況の波が吹き荒れているはずだと思う。なぜならほぼアメリカの輸出が止まっているといっていい今の状況が長く続けば、さらに状況は悪くなるはずで、確実にオーストラリアへその影響が押し寄せてくるからだ。もちろん、オーストラリアの場合は、時間をずらしてくるから、多少 マシに見えるかもしれないが、影響は津波の震源よりも、その津波の行き着く先のほうがより被害が大きかったりする。エルニーニョ現象がオーストラリアに旱魃をもたらす可能性が、今年は高いので、もしかすると、日本にとって影響があるかもしれない。なぜなら重要な小麦の輸入先であるオーストラリアからストップすることは、確実に穀物価格の高騰を呼ぶからだ。それは直接生活に結びつく、パン、麺類などなどの価格へと跳ね返る。



オーストラリアの市況

2009-07-01 23:13:06 | オーストラリア株式
今日は弱含みの展開であった。平均株価は 1.91%落ち込み、3872.3で終了した。
商品価格は、世界的に落ち込んでおり、世界最大のマイニング会社のBHPは2.36%落として 33.90ドル第二位のRIOは2.81%落として 51.60ドルで取引を終えた。

主要銀行は、NABが最悪の下落で、3.34%落とし、21.69ドル。WBCは2.81%落とし 19.68ドル。全体的に1.5%程度銀行株は落としている。

SUNCORPは、1.79%落として6.58ドル新しいCEOのパトリック スノーボール氏を迎え入れたにもかかわらずだ。

多くのデータが今日は出ている。まず、販売にかんしては予想より倍の上昇を満たしている。1%5月以降上げており4月までの0.3%に対して、言い数字になっている。CBAのセヴァンス セバスチャン氏は、「政府のてこ入れ政策が成功している」と言う。「実際に、2007年12月からくらべても、今の状況は7.1%も好転しており、健康な指数だ。」

一方建設が落ち込んでいることが気がかりだ。先のセバスチャン氏は、「過去二ヶ月、多くの建築許可がでたことで、ゆり戻しが着ている一時的なことではないか。建築申請は12.5%も落ち込んでおり、驚くべき数字ではあるが、初めて家を買う人のために政府が出している援助期間が延期されたし、多くの人々は家を買う気があることははっきりしているので、また、時期が延期の最終月に近づいてきたら状況は変わるだろう。マンションなどの状況は非常に流動的だ」

オーストラリアドルはUSに対し 0.8075 で取引を終えた。

市場全体でみれば、3.54ビリオンダラーの取引があった。

アメリカ合衆国の今後の住宅販売の数字と自動車のセールス、それに、工業指数と建築消費 さらには、雇用率が発表される予定なので、注視していく必要があるだろう。

スティーヴン ダーフリアン マーケット アナリスト  CBA  4:30 AEST より意訳

*さてさて、ファイナンシャルタイムズの今日のアナリストの話では、アメリカの住宅指数の価格の落ち込みが、やや幅が緩やかになってきた。これが、いいニュースだという。とんでもない、落ちているんだ。騰がっているのではなく。それがやや緩やかに落ちているということが、いいニュースとして発表されるとしたら、他に一体どんな悪いニュースがあるんだろう?

日本は景気の底を脱出したとか、言っている選挙向けの政治家の話に乗っかってはいけない。よく現状を見極めてからでなければ、失敗するだろう。なぜなら、オイル価格はまた、高くなる可能性があり、それが、すぐに景気を悪くしていくであろうからだ。

9月以降、まだまだ悪い数字が出るようであれば、本格的に この不況は長引くとみて間違いないだろう。
この向こう三ヶ月 7月から9月まで の状況が、その点を見極める重要な試金石になると私は見ている。




オーストラリアの本音と建前

2009-06-16 19:48:55 | オーストラリア株式
オーストラリアの本音と建前


本音と建前が日本のお家芸だと思っていたら、それは大間違いだ。
今、シドニーの西部で、イスラム教の学校を作る計画に、市が一度認可したにもかかわらず、周辺住民の反対にあい、待ったをかけている。
建前は、交通の問題で、道路が整備できていないから、学校は困るというものだが、本音は、イスラム教徒への差別だ。むろん、差別ではない、これは人種差別でも宗教差別でもなく、交通の問題で学校を建ててもらっては困るから、反対運動をしているのだと、白人系のオーストラリア人がこぞって反対する。

そもそも、カルチャーというものは、ライアビリティーである。
ステレオタイプの人間が多く世の中には存在するし、彼らの独断的な発想は決して直すことはできない。また、分散させてビジネスをすることも、理想的にはできそうなものだが、なかなかうまくはいかない。
1975年ごろ、オーストラリアでは雇用均等法というのが、できた。
それは、年齢、性別、人種、宗教、身体的特徴、などなどで、差別をしてはいけない。というものである。だが、実際にはそれらは、1980年代半ばに、別の動きが始まるまで、続く。それは雇用拡大で、政府が何パーセントは女性を雇うこと、などと法律として盛り込んだものだ。ところが、1990年代のリセッションが来ると、LIFOの法則の通り、最後に入社してきた人からやめてもらうということが、まかり通り、実際には多くの女性社員が最初に首を切られた。にもかかわらず、ユニオンは何もできなかった。なぜなら、それは女性だからクビにしたのではなく、雇用の優先は古い人にこそあるという理屈だった。1990年代以降、オーストラリアはディバーシファイを標榜する。それは、顧客が多くの人種と国にまたがっているのだから、より多くの人種とその国の文化に通じている人間を雇ったほうが、よりビジネスがスムーズにいくはずだという考え方である。この流れは、現在も続いている。しかし、ステレオタイプの考え方を、人間は変えることができないか、とても難しいため、問題が生まれてくる。それは、たとえば、CEOのオーストラリアでのイメージは、45歳のアングロサクソンの男性。彼ができる人間であろうと、なかろうと、イメージどおりにCEOが決められていくわけだ。そこで、ハイ マネージメントの人間の上には、目に見えないグラス シーリング(天井)ができ、45歳のアングロサクソンじんの男性でない限り、決してCEOにはなれないことになっている。

例えば、最近辞任した、テレストラのCEOはトルージャさんというメキシコ人だったが、アメリカでは考えられないほど、オーストラリアでは差別がまかり通っていることに驚いてしまうと、言い放ち、物議をかもし出した。最近では、白人の少年たちが集まり、カレーバッシングというゲームが始まった。要するに、インド人をみつけて片っ端から暴行を加えるというものである。インド人の多くは、学生で、移民するために、大学に通っていたりするので、ことを大きくしたくないがために、泣き寝入りをする。それが、とうとう、我慢しきれなくなり、連日、メルボルンやシドニーではデモ行為が始まっている。これらも、実に景気が悪くなってきたからだ。

オーストラリア人の気質は、平生ならば、親切でお人よしで、ほがらかで、寛容なうえに、人懐っこいものだが、景気が悪くなってくると、親切をする余裕はなくなり、お人よしは人を利用する目になり、ほがらかさは、陰険にかわり、寛容さは大胆な行動にでるようになり、人懐っこさは憎しみと嫉妬に変わる。

人間にはいつも2面性があるものだし、それが、当たり前なのかもしれないと、ため息をつきながら思う。本音と建前というのは、使い分けできるものではなく、それらはすべて建前で、そして本音でもあるのだろう。

といって、カルチャーを論じてみたところで、例えばアメリカは、いつも近視でしか経済を見られないし、日本は、遠視でしかものを考えられないことは、直せることはできないのだから、そのなかで、どうやって生きていくかを考えるしかないだろう。

日本は、鯨の問題が随分大きなことだと感じている。これも、二つの文化圏がぶつかった差別問題と利害問題だろう。この問題を解決する方法は、あまり難しくないと思う。オーストラリア人との交渉を、きちんとできる日本人を前面に出すことだ。日本の論理だけで押していくのは、無理だということを、もっと、水産庁も外務省も考える時期に来ているし、話し合いがあまりにも一方通行で、しかも別々のベクトルをむいていて、全く お互いのコミュニケーションができていない。ただ、ぶつかっている。それでは、解決は程遠い。

本音と建前といえば、今、オーストラリア経済にとって一番敏感で、触れて欲しくない腫れ物は、騰がりきった不動産価格なのである。シドニーの家は、東京よりも、高い。なぜそうなったのか?

からくりは、ある。

不動産業者、貸付業者、銀行、それに政府と広告主を多く抱えた新聞やマスコミがみんなで、せーの、とばかりに煽ったから不動産は、波に乗った。
海には、三角波という波がある。あちこちから、一気に来て、ものすごい高さになり、一気に落ち込む波のことだ。

今日のニュースでコモンウエルス銀行に続きナショナル オーストラリア銀行も、ウエストパックも貸付金の利子を上げた。これは、政府にとっては、寝耳に水であったため、トレジャーが出てきて、大反対の合唱となった。マスコミは、もうすぐ不動産が値上がりに転じるといい加減な煽りをまた初めた。雇用率はどんどん悪くなってきているというのにもかかわらず!!!だ。

どこまで、オーストラリアの政府、銀行、そしてマスコミが 人々を騙しつづけていけるか、みどころである。これは、それぞれが自分の利益になるように、持ってきている セルフ インタレスト セオリーの典型のような話で、いずれ、どこかから、ほころびが出るはずだ。


RBAの発表

2009-04-01 00:56:59 | オーストラリア株式
RBAの発表

RBAとはリザーブ バンク オブ オーストラリアの略で、日本で言えば、日本銀行に相当する。国内の経済状況と、海外の経済状況、さらに為替や利率、マネーサプライなどを効果的に運用することによって、経済の安定成長を目的とする。
(参照:An Update on the Economy and Financial Developments BY Ric Battellino Deputy Governor 31 March 2009 http://www.rba.gov.au/Speeches/2009/sp_dg_310309.html)
3月期末ということで、発表となったわけだが、今回の内容はほぼ言い訳に終始している。
世界金融危機のあおりをうけて、私たちにできることは、限られている。
これが、主な言い訳だ。言い訳は、良くないという文化が日本にある。だが、言い訳と説明は同時進行なのだ。たとえば、不動産の下落について、先日述べたつもりだが、その直面している問題も、すべて、国の政策に原因があると摩り替えることだって、できるわけで、確かにその側面があったにせよ、(たとえば、ファースト ホームバイヤーに対する補助金が6月で期限が切れるということなど)それが問題の一部であっても、全体ではない。今回のRBAの発表を見て、ちょっと眼識のある人なら、目をむく数字が並んでいる。
参照:http://www.rba.gov.au/Statistics/financial_aggregates.html
まずは消費の落ち込みだ。これは、自信喪失を端的に表している。だが、これは、世界的な問題で仕方ないことだとRBAは言い逃れできるだろう。しかし、MONETARY AGGREGATESをみると、驚く。そうマネーサプライ、とくにM3が、2002年から2006年まで4年間もかかって、35%程度しか上がっていないのにくらべ、496.9から747.6 2006年以降の2年半で同じくらい増えていることに驚く。このペースは、かなり市場にばら撒いた結果である。銀行が、貸し渋りをしないようにするための配慮であったなら、市場には現金がだぶついているはずだ。ということが、オーストラリアドルの下落と関連があるのは、確実なので、もしかするとインフレに導こうとしているのだろうか?とすると、逆に言えば、ここまでしなければ、デフレになる可能性があるということになる。

さらに、RBAからメールが届く。これをチェックすると、今度は、別のスピーチが入っている。(参照: Some Effects of the Global Financial Crisis on Australian Financial Markets By Guy Debelle 31 March 2009 Financial Professionals Forum http://www.rba.gov.au/Speeches/2009/sp_ag_310309.html)
オーストラリアは諸外国に比べると、まだまだましだという論調で始まり、オーストラリアはカナダと似て傾向で推移していると自画自賛。さらにエクィティーマーケットの推移とRBAのファイナンシャルへのマネーサプライ、金融緩和を柱として、増やしていると説明、さらにはボンドの価格が下がり傾向にあること説明、海外との違いを強調し、オーストラリアの銀行の安全性確保についての説明、最後にはオーストラリアドルの下落をちょこっと付け加える。実はここが一番大事なのだが、それはちょこっとだけだ。

とにかく、今回のG20でも中国の発言が目立つことになるだろうが、世界通貨を中国主体で打ちたてようというのは、どうもなあ・・・というのが、私の気持ちである。今、中国が新しい世界通貨の枠組みについて提案している。(参照 http://www.reuters.com/article/gc08/idUSTRE52T64520090331)時代は変わった。これは、私もそういう印象をもっているが、確かに、そのとおりだ。
考えてみれば、世界の共通語が英語で、共通通貨がUSドルという非常識が、あたりまえになりつつあるだけなのかもしれない。英語を話す人口よりも、中国語を話す人口のほうが、地球上には多く生きているのだから、共通語は中国語であるべきなのかもしれないし、また、世界のUSAという国が発行する紙幣よりも、共通紙幣を使用したほうがよほど理にかなっているというのも、うなずける話だ。
もちろん、世界の勢力図が塗り替えられるのは間違いなく、また、人口比にして考えても、アメリカ人よりも、中国人のほうが多いのだから、もし、世界の大統領を投票で決めたら、必ずそれは中国人になるはずだ。

これをしたら、しかし困る勢力がいる。それが、世界の金融を牛耳っているのだから、私は次に何か策をたてて、手を打ってくると見ている。それが、たとえば、今回の北朝鮮と日本の戦争につながると、あなたには思えないだろうか?

最後の牙城が崩れる瞬間

2009-03-12 02:52:46 | オーストラリア株式
最後の牙城が崩れる瞬間

世界が急激にしぼんでいくなかで、ついに中国から悲鳴が聞こえだした。輸出が25.7%下がっているという。中国の輸出は11月から下げ続けており、内需をどれだけ伸ばすことができるかに、かかっている。参照徐々に政府の景気刺激が、利き始めているはずだという意見もあるが、実際はどうなんだろう?

インフラの整備をドンドン推し進めることを中心に、向こう数年は土建屋が大忙しの中国は、まだまだ景気刺激策が続き、世界の経済の牽引をになうことができるという意見もある。参照tab=australia
これは中国とのディールを控えた リオの話だから、あの当時とすれば当然かとも思えるが、しかし、おもしろいのは、時間が経つにつれて、徐々に中国崩壊のシナリオのほうが、確かになってきつつあることだ。

逆に、輸出が止まれば、中国の経済はがたがたになると言い張る経済学者もいる。
参照

また気の早い御仁は、すでにその先を見越して商品経済の下落を心配している人も居る。
参照ここに来ると、リオの中国は大丈夫だという意見から随分かけ離れた意見だ。

オーストラリアの経済はいままで、原料の輸出で支えられてきた。それが不動産バブルなどを併発し、海外から流入したマネーがあちこちに流れて潤ってきたのだが、ここにきて、やはり行き詰っている。すでにストームのことはご存知だろうか?参照そして、それがオーストラリアの大銀行、COMMON WEALTHに飛び火している。参照
ドミノ倒しの様相だ。これもあアメリカのファニーメイからはじまった一連のドミノ倒しに類似している。

オーストラリア政府は、さまざまなパッケージを出している。今回も各家庭に、お金をばら撒いて景気刺激を行っているのだが、次々に来る津波には、太刀打ちできそうも無いのげ現状だ。
ケビン ラッドは、「できることはなんでもする」「だが、保障はできない。」と付け加える。参照ASICがどう出るかが注目されている。参照ここでも、結局は政府が がんじがらめに規制をする保護主義か社会主義のどちらかに 似た動きにならざるを得ないのかもしれない。

ドルの行方 ゴールドの行方

2009-03-08 21:47:03 | オーストラリア株式
ドルの行方 ゴールドの行方

ゴールドが4月のデリバリー価格を1.6%押し上げ、すでに940ドルをつけている。これは、アメリカの失業率の懸念とともに、米ドルの信用価値が押し下げられてきているからだと言う指摘もある。参照 



過去5年のゴールドの動きだが、いったん2008年に天井をつけたゴールドが下げに転じたのは、わずかに半年あまりでまた、上昇していることが分かる。
これで、見え隠れしている 裏側の意味することは、アメリカのドルを、中国と日本が買い支える限界が、もしかすると近づいてきているのではないかという懸念だ。

オーストラリアのゴールド資源鉱山を買うという方法が、ひとつの資金を安全に保つ方法にはならないだろうか?と考えたのが、数年前。そもそもGSMを立ち上げたきっかけだった。
結果は、思うとおりになり、何人かのGSMの会員の方々は 億万長者の仲間入りをされた。

さて、この金融危機の時代に、一体どうすればいいのか?

私たちがセントバーバラ マイニングに積極的に投資し、当時の社長には交代していただき、新しくアシューズ氏を社長に迎え入れて、セントバーバラ社は、数セントからあっというまに、その10倍以上の資産に膨れ上がった。だが、当時私はひとつの懸念を抱いていた。どれほど優秀なマネージメントであっても、もし金融のテクニックを応用して本業以外のことを 次々とやりはじめたら、どこかでひとつ歯車が狂うと、大きな損失を出すことになると、思っていたからである。
セントバーバラは、その後も躍進を続けたが、私はあるとき、メンバーにこう言った。「今後も投資を続けるのは、あなた方の自由です。ですが、ヘッジを推し進める会社には将来はない」と。そう・・・ヘッジはいわば、保険のような役目を果たすことがあるが、私は、金鉱山を扱う会社がこれを進めるとき、必ずひとつの懸念が出てくる。いつもトレーダーは、サイクルと軌道、チャートを何十も駆使して、ひとつの結論を出す。それは、売るか、買うかだ。だが、それは本業のトレーダーの仕事で、24時間真剣に相場と付き合う上に、多くのメガ コンピューターの力を借りて行う本職のプロの話。片手間に、できるほど甘くはないはず。だから、ジェオロジストのアシューズ氏が、ヘッジや金融の話・・・とうぜんユダヤ人である彼には、金融のプロが多く 彼のバックについているとはいえ・・・私には、懸念材料にしか映らなかった。 参照 私が彼のために、東京でプレゼンテーションをしたとき、彼は、様ざまな話をしてくれたが、そのなかでも面白かったのが、SONS OF GWELIAの話だった。彼自身がそこでジェオロジストをしていたからだ。どうしてこの会社が倒産したのか、つぶさに語ってくれた彼の視線は今でも忘れられない。参照 

単純にゴールドがあがるからといって、当然のことながら、オーストラリアのどの会社に投資してもうまくいくという保証はない。ゴールドの現物を握っておればいいという人もいるかもしれない。

だが、ゴールドはある程度 制御された投資対象であって、歴史を見る限り、その国の貨幣が 超ハイパーインフレにならない限り、決して ある日、10倍になったりはしないのである。だから、アメリカのドルをそこに集めるのなら、理解できるが、日本の円ならば、どうだろうか? ここは、議論し尽くしても結論が出ないところだ。

私の考えでは、やはり経済は依然として、需要と供給のバランスで動いているという基本が、今も生き続いていると思う。そこで、ゴールドの需要という根本に立ち向かって考えると、多くの人が はっとするはずだ。ゴールドは主に装飾品以外には需要がないのである。

鉄やニッケル、石油などとは違い、ゴールドには限られた需要しかなくしかもその需要は大いに景気に支配されている産業だということだ。つまり、超ハイパーインフレが起こる前に、安全な資産としてのゴールドの投資価値以外、他には、あまり使い道がない金属なのだ。

では、世の中にはもっと他にも使い道のある・・・言い換えれば産業に需要のある鉱物資源があるのではないか?

これが、私の行き着いた次の方向性である。
もちろん、オーストラリアに在住している私には、この国以外には投資対象は考えられない。
そこで、今、GSMではつぎの世界を見るために動き出している。

毎日そこでは、その新しい会社 X の情報を確認しながら、しかも、社長とコンタクトを直々に行いながら、進んでいる。2010年にはその会社のプレゼンテーションを東京で行うことも、計画に入っている。

リオティント と中国

2009-02-20 00:36:57 | オーストラリア株式
リオティント と中国

中国がリオに投資を 持ち掛けてきている。金額は 19.5ビリオンダラーにものぼる。(参照
リオにとっては、いい話だと考えているが、ここで、もしオーストラリアの基軸である鉄鉱石と石炭の権限を中国に支配されたら、オーストラリアはどうなるのか?という疑問が残る。

この疑問には、オーストラリア人の国家意識と深くつながっており、中国の株式買収を、ケビン ラッド首相も何度も、「オーストラリアの国益を守る」という表現で、釘をさしてきた経歴がある。(参照

実際、中国は、様々な人材を送り込んできては、オーストラリアの資源株を買い叩いて、会社の乗っ取りを行い、安く資源を買えるための手を、それこそ なりふり構わず行っている。たくさんの資金と、そして強力な北京の後押し、さらには、現地にいる華僑の協力と、人材から資金力まで整っている点、日本は、遠く及ばない。さらに、彼らはかなりアグレッシブに また速いスピードで食い込んでくる。引くときも、また早い。

オーストラリアは、我々のルールでゲームをしろと言って引かないのだが、中国にそれを聞く耳があるかどうかは、大いに疑問だ。

中国には2トリリオン!!!の外貨準備高があり、いまやIMFに注文を出すほどだ。いわく、「西側諸国は、対応が弱すぎる」と言い放った。だが西側諸国から見れば、中国はトップダウンの国。中央集権で、すべての権限が、中央に集結されている。うまくいくときはとても強い力を持っているかもしれないが、もし間違えば、もろいという反面もあるはずだ。デリバティブなどの高等な資産運用なども少しの幅でしか できないし、まだまだ原始的なシステムしか持っていない。・・・とコケおろす。
そのくせ・・・
さらに中国の輸出は 世界的な不況の影響をこうむって、かなり落ち込むはずだ。今後、中国が発展するためには、世界の今の状況を、助けることこそが、一番効果があるやりかただと言う。(参照

中国は、自分の国のことの発展しか 考えていないはず。

極端に 言えば、外国が転ぼうと、死のうと、その国が支払いを滞らなければ それでいい。中国にはまだ10億以上の人口がおり、彼らこそが、需要の塊で、そして消費の原動力だ。彼らは貪欲に、すべての西側諸国のようなものを持ち、富を味わいたい。そのためには、何だってする。という人間の集まりなのだ。だから、内需を拡大すれば、景気はいくらでも刺激できる。と、考えていても不思議は無い。事実、中国ではコーヒーの需要が大幅に伸びてきている。(参照

これは、西側のライフスタイルを、どんどんと取り入れてきた結果だ。コーヒーはそれこそ、欧米のスタイルの象徴だと言えるし、日本も、高度成長期には、あちこちに喫茶店ができていたのを覚えているだろうか?どこか外国の町に紛れ込んだような喫茶店に、かわいらしい店員さんがいれば、その店はいつも学生でごったがえしてた1970年代の風景。
だが、数字を見る限り、中国の需要も 確実に減ってきているのが分かる。(参照) 銅の輸入は18%以上減っているということだけでも、わかることは、このありとあらゆる製造の基幹になる金属の消費がなくなってきている・・・つまり、製造そのものに、輸出減とともに、かげりが出てきていると 思われる。

ここで、中国の内需が広がりを見せることが、次の脱出の鍵になるかどうかだ。もし、そうなると仮定し、その試みが、なにがしかの紆余曲折を経たとしても、成功した暁には、世界の地図は、アメリカから中国へと大きく移転していくということになる。

これは、ちょっと聞くと、とんでもない奇想天外な話になるかもしれないが、具体的に個人に置き換えてみれば、あなたの子供たちに英会話を習わせるより、中国語を習わせたほうが、将来のスキルとキャリアにもっと役に立つと、あなたは 本気で 思えるだろうか?

数字だけで判断すると、間違いなく、中国の成長は、すさまじいものがある。
参照)これだけみれば、勝ち組は これからずっと、中国ということになる。今年には二桁の伸びは難しいという。たった、6.8%程度の成長しか見込まれないというが、私に言わせれば、なんとまだ6.8%も伸びるのか?と見えるほどだ。

リオティントを買収あるいは乗っ取りをしかけ、さらにはBHP、もっと様々なオーストラリアの鉱山会社をのっとる計画を、さまざまな方法で仕掛けてきているとしたら、日本は、今までのままのやりかた・・・JOGMEC (参照)の、とてもソフトなやり方で、果たして今後も資源を確保しつづけることが、できるのだろうか?
オーストラリアは おおむね、(捕鯨問題を除いては・・・・)日本に好意的であった。だが、ここにきて、中国側と日本側のどちらが、より我々にとって脅威なのか、味方なのかという意見になりつつある。だが、よく考察してみると、日本と 中国が手を携えてこられると、一番困るのは、実はオーストラリアや アメリカであるのかもしれず、この二つの国がいつも ライバル意識か、敵対心を持ち続けてくれたほうが、ずっと都合よく、コントロールできると考えていても、不思議は無い。(参照

ここで 西側諸国は、なるべく、日本と中国、また韓国などの、お互いを敵対心をあおる方向で反目させて、漁夫の利を得るという策を練っているのではないだろうか ? と、思われない節もなくはない。たとえば、クリントンの日本訪問から、最後には中国訪問となるが、そこには意図的な意思が裏側には働いているようには思えないだろうか?。(参照
ここで、日本と中国が反目しあうことが、果たして、お互いの国にとって利益になるかどうかは、明白で、決して隣同士の国が、反目しあって発展した試しは無く、それは中東のイギリスの取った政策も、アメリカの現在取っている政策も、みなひとつのラインでつながって見える。
つまり、アラブ社会は、うまい具合に宗教と政治とお互いの憎しみで、ズタズタにされてしまっている。(参照

日本がスーパーパワーとなって、世界に君臨するのか?という論調もきいたことがあるが、すでに、アジアの中だけでも イニシアチブを失いかけてきている日本にとっては そういう野望を抱くこと自体、不幸になる可能性だってある。だが一方、仮に、中国が主導権をとったら、もっと不幸になる可能性だってある。次のスーパーパワーが、誰になるのか? 大衆の意見は おおむね、中国に偏っている。中国株式会社・・・、それはひとつになって大きなエネルギーを北京中央集権で 世界に押し出してくるというのがほとんどのシナリオだ。(参照)そして、もしアメリカが中国と仲良くさせすれば、世界の平和はおおむね保たれるだろうという。つまり、ここに、大陸のハザマに生きる日本の価値は 無視された形になっているわけだ。

オーストラリアの鉱山を買収する中国株式会社には、そういう遠い意図もあることを、見た上で、日本人はどう生きていくべきなのかを、考える時期にきているかもしれない。