Sydney Yajima


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舵きりをするオーストラリア経済

2012-11-28 22:30:09 | 経済
オーストラリアの経済の牽引をしてきた二本柱の一本は、資源だった。
高度成長を続ける中国の経済と、インドの経済の両方の力で、オーストラリアの輸出が伸び続け、過去10年間 オーストラリアは絶好調だった。
しかし、中国の経済は、中央計画経済であり、見せ掛けの資本主義であり、そのモデルは、旧ソ連の崩壊を招いたすさまじい不況を思い起こさせるものだ。
中央の引いたレールは、高度成長を続けるという前提であり、それは、例えば、クツを作るとなれば、消費者がどのくらいいて、どういう傾向のものを欲しがり、色、デザイン、あるいは細かいクッションなどのこだわりを考えた上で、正しいマーケティングに基づいて作るのではなく、売り上げ目標とクツの数を合わせて、強引に数字を合わせて、叩き売るということを繰り返してきた。安ければ売れるというだけのマーケティング手法である。
これは、マーケティングではコスト ストラテジーと言われ、最初の初期投資が多額で大きな工場と、大量の従業員を抱えなければ成立しない。
運よく日本やアメリカ、ヨーロッパの優れたストラテジーを持っている会社たちが安い労働力に魅せられて、中国にたくさんの工業団地を作ってくれた。彼らは多額の投資をしてくれて、その投資の金が中央に集まり、中国は潤った。
しかし、チャイナリスクを懸念する日本は中国から離れ、ヨーロッパはユーロ危機で、景気が頭打ちになり、リーマンショックでアメリカはかつてのような消費大国を続けることはできなくなった。

中国は、2008年以降、国内のさらなるインフラ整備に多額の金を投資し、世界の経済のエンジンを引き受ける政策を継続した。だが、地球規模の不況は、ちょうど潮の変わり目に値する。
つまり、少々水を足しても、引き潮には追いつかないのだ。
今、世界経済は冬の始まりだ。
経済は、これから、ますます冷え込むだろう。
つまり、今日本は11月の後半で、寒さを感じている頃だろうが、世界経済はこれから、12月 1月 2月と、益々寒くなるのだ。

2013年、中国はバブルが覆い隠すことも出来ないほどひどく 崩壊する。
そのことを、オーストラリアはすでに見越しており、今後、どうやって生き残りをかけていくのかを考えている。
すでに、高くなってしまっている豪ドルを見ながら、果たして、今後他の国と対抗して、資源の輸出を競争していけるのか?
を 悩ましい思いで見ているのだ。

そこで、オーストラリアは大きな舵きりを始めた。
それは、資源から食料へという舵きりである。

今後世界は、多くの洪水と、地震と台風を経験する。
それによって、さまざまな地域で、貧困 餓え、さらには、暴動や戦争が勃発する。
人間は食べ物がなくなると、とても アグレッシブになるからである。

このとき、オーストラリア ロシア カナダなどの穀物地帯は、大きく、貢献できる。
アメリカは今後のこういう状況を見据えて、TPPを持ち出してきているのだ。

日本にとって、どう生き残りをかけていくのかは、私にはもう分からなくなっている。
ただ、ひとついえることは、決して甘い状況が続くことはないということだ。