Sydney Yajima


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原発について

2016-07-09 23:34:16 | 政治
人類は、始まって以来、危険を察知する能力を磨いてきた。
それは嗅覚 聴覚 視覚などをフル活動させて、危険を回避する能力だ。

だが、放射性物質は肉眼では見えない。
被爆は見えない相手との対峙なので、恐怖が増大する。
しかも、それは、長い年月をかけて体を蝕むと言われているのだから、なおさらだ。

最近の発表によると、放射性物質は、海水で希釈されて日本近海ではもうほとんど影響がないのだという。
しかし、人々の不安は消えない。

また、被爆して死んだ人は震災後、ただの一人もなく、多くは津波で亡くなられたのだという発表もあった。
また、子供たちへのガン検査も強化しているのだとも言う。

だが、人々は不安だ。
安心して、震災前のような気持で何もなかったようには過ごせない。

不安な原因の一つは、日本独特の閉鎖性にある。
東電そのものも、情報を隠匿し、今頃になって、メルトダウンを認める時期の詳細を発表した。
事故当時には、メルトダウンについては話さないように、政府によって圧力をかけられていた などと言い、政府はそれを否定している。
しかし、政府のほうも、最初にスピーディーによる風の方向性について、発表することを避けた。
パニックを避けるためと言ったが、そのために多くの人が被爆をした。
また、ヨウ素を配らなかったことや、米軍には情報を住民よりも先に送ったなどの指摘もある。

経済の観点からみても、決して望ましい状況ではない。
もしかしたら、政府によって隠匿されていて、本当は、もっと大変なことが進行中なのではないか?
という不安をもった住民たちが、多くいる中で、(そして、それはそう考える住民たちを無知だと責める筋合いの話ではない)経済が活性化することなど、到底無理な話だ。

これは、心理的ダメージという点で、十分考慮しなければならない問題だ。
人々の多くは、心理的に大きくダメージを受けてトラウマになってしまったのだからだ。

もちろん、科学的に調査しながら、住民に安心を与えようとする態度に不満があるわけではない。
だが、そのアプローチそのものが、一般住民には鼻につくのである。

なぜなら、その態度は 「科学者である自分たちを特別な存在と認識したエリート意識が根底にあり、無知な住民を啓蒙してやろう」としていることを、人々は鋭くかぎ分けるからだ。

第一、お前たちは何度もわれわれを騙したではないか?
と人々は叫びたいのである。

このことを、十分に考えて配慮しなければ経済は、かならず伸び悩むだろう。
重要なことは、隠匿などをした人間・・・名指しをすれば清水社長などを、事故の責任者としてきちんと法廷で裁き、事実関係を明らかにしていくことから始めることだ。
次に、当時の政府関係者の記録を、公開し、透明性をもっと確保しなければならない。
そういう、地道な透明性の確保がいずれ時間をかけて人々の不安を取り除くことにつながると私は思う。