「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

お茶事に招かれて

2024年06月09日 | お茶三昧

まもなく喜寿を迎える私を、お茶事で祝ってくださいました。

「先生の喜寿のお祝いのお茶事をします。」
そんな計画を伝えられたのが半年前。
それから日取りが決まり、場所が決まり。
ご招待状が届き、お返事をしたため、
どのようなお席になるのかしらと心待ちに過ごし。
嬉しい当日となりました。

「師匠冥利につきますね。」とうらやましがられました。

都内の、ビルに囲まれた中にある、オアシスのような茶寮。
淡々斎ゆかりの茶室がおもてなしの場でした。
「このお茶碗で飲んでいただきたい。きっとお好み。」
と選んでくださった御本茶碗や、安南のお茶碗。
和やかにすごせるように、
お客様にあまり手数を掛けないようにとの趣向を凝らし、
型にはまらないないおもてなしでした。
私たちのためだけに清々しく整えられた露地の打ち水の清らかさ。
贅沢な空間と時間を満喫しました。

相客としてお付き合い下さった社中の方々にも大変感謝をしています。
節目の年にまたとない幸せな時を過ごさせていただきました。
私なりに、手塩にかけて育てた弟子の成長した姿も、
嬉しくもまぶしくもありました。

これから私は皆さんに何を伝えられるのだろうと、
更なる精進を誓った一日でもありました。


お茶会を楽しんできました

2024年05月02日 | お茶三昧

友人の所属する支部の、恒例の五月の茶会。
今年はあいにくの雨に見舞われてしまいました。
午後からは本降りの予報に、濡れるのを覚悟して和服で出かけました。
会場が都内の結婚式場ですので、和室がありませんから、
お点前は舞台をしつらえて見せていただけますが、お客様は皆椅子席です。
これが、畳に座ることが大変になってきた私たちには、とてもありがたいことです。

グループごとに時間が決められていて、
濃茶席、薄茶席、立礼席と流れるように待ち時間もなく進みます。
わたしたち一行が予約した時間帯は、
十時半に受付で、十二時半からお点心をいただいて終わるという、
二時間半の行程で、丁度よい時間帯でした。
お点心がまた、結婚式場の美味しい本格的な和食が頂けるのも嬉しいです。
皆さんに好評のお茶会で、私たち一行、社中の方と、私のお友達は、皆、
去年も参加して今年もという方々ばかりです。

お心入れのお道具も素晴らしく、目の保養をさせていただきました。
そしてお菓子も又、季節感あふれる美味しいお菓子でした。
私には掟破りになるカフェインですが、
濃茶、薄茶と、三服ちゃんと頂きました。

写真はお菓子だけ撮りました。

濃茶席‣玉柏きんとん

薄茶席・あおば羹

立礼席・兜 菖蒲


久しぶりのお茶会が雨というのは残念でしたが、
初風炉の清々しいとても良い時間でした。
やはり、出向いていけるうちは(げんきでいなくては)、
機会があったらできるだけお茶会には参加したいと思いました。

さて今日からは、風炉のお稽古を始めています。


ひなまつり

2024年02月26日 | お茶三昧

昨日はお茶事でした。
趣向は「ひなまつり」
お香合のお雛様が愛らしいすがたで。

 


今回はご亭主の方がベテランでしたし、お水屋も経験豊富な方達でしたので、
私は本当に口だけで済みました。
でも、ベテランでもおかしなことをしてしまうのが、
本番の面白さでしょうか。
陰で正客との問答を聞いていて笑ってしまうこともありました。
お菓子の銘なども、「桃きらら」が「春うらら」になってしまったり、
「花兎」が「雪兎」になってしまったり。
それでも伝説になるような出来事がなくて、
まあ無事に済んだというところでしょうか。

いつもお料理の写真を撮れずにいるのですが、
今回は半東さんが水屋で持ち出す前に写真を撮っていてくれました。




この茶事のために、お雛様を出さずにいたのですが、
今日はやっと出すことができ、床の間を占領しています。
毎年ながら、お雛様のお顔を眺めると、ああ春が来たのだわと嬉しくなります。
我が家にいらして25年のお雛様。
そのお顔に、心なしか貫禄が付いてきた様に思えるから不思議ですね。


台目切もできます

2024年02月13日 | お茶三昧

茶室の炉の切り方は八通りあります。
その一つが本勝手台目切ですが、
もちろん我が家にはそのような茶室はありません。
でも何とかお稽古がしたくて、
場所を区切ったり、しつけ棚ふうなものを据えて、
工夫して台目切のお稽古をしたいと思いました。
ある時そんな話をしたら、社中のとても器用な男性の方が、
早速その装置を作ってきてくださいました。
嬉しや、やっと二月の後半はそのお点前ができます。
これで、八炉全部のお点前のイメージを持っていただけます。
本物には程遠く、そんな子供だましのような物でと笑われそうですが、
何事も工夫すればできるというのが私のモットーですのでね。

ところで先日膵臓のその後の検査で、異常なしと結果が出ました。
脂質を控えた食事を心がけて頑張っていますので、一安心です。
おかげて体重はだいぶ落ちましたが、体調は良いようです。
これで少しおきて破りの機会が増えそう。
ちょっとだけなら、あれも、これもと、楽しみが出てきました。
でも油断はしないようにしないといけませんね。
二月はあと二回、食事会の予定があります。
少しリラックスして、美味しいお料理(和食)が楽しめます。


寒さの峠

2024年02月06日 | お茶三昧

立春も過ぎましたが、今が寒さの峠でしょうか。
昨日は積雪もある雪に見舞われましたね。
出かけていたのですが、早めに切り上げて帰ってきました。
何年か前の大雪のお茶会を思い出しました。

お稽古は、一月後半は筒茶碗を使って、絞り茶巾をしました。
そして二月に入り、逆勝手でお点前をしています。
季節を感じるお点前を楽しんでいるうちに、春はもうすぐそこですね。

可愛い方のお稽古も進んでいます。
付き添いのお母様は、リビングで待っていてくださるのですが、
一生懸命、私の横でまねをしてお稽古している姿を見て、
「隠し撮りをしてしまいました。」と。
私も映っていたのですが、歳の差約70才の姿はカットです。
まだまだ鉄瓶は扱えないので、小さなポットを使っています。
それでももうすぐ三年生。
できることもだんだん増えてきますね。
吸収力の速さはやはり若さです。

暖かな日が少しずつ増えてくることを期待して、
今月もお稽古をしましょう。


新年の茶会も終わりました

2024年01月23日 | お茶三昧

新年の社中顔合わせの茶会が終わりました。
予報通りの雨でした。
広間と小間の二席に辰をたくさんそろえたので、
雨を呼びすぎたのでしようか。



茶入・・瀬戸の肩衝 銘「清友」
茶杓・・「千代の栄」 
仕覆・・紫地龍丸紋錦

今年は何年かぶりに私がお点前をして濃茶を飲んでいただけました。

足の手術をしてそろそろ五年が経ちます。
何とか正座をして、嶋台のお茶碗で、
重ね茶碗のお点前をすることができました。
大きな嶋台のお茶碗を重ねて持ち出しましたが、
いまだ心配ですから濃茶もまだ各服点てです。
かげ点てのお茶も各服ですので、
お水屋も手際よくお出しできるように、色々と工夫をして大奮闘。



おかげでとてもスムースに進み、
私のお点前が終わるまでに、皆さんにお茶をお出しすることができました。

昨年は午前組と午後組の二部制にしましたので、
濃茶席が二回で、時間的に忙しい思いをしましたが、
今年はとてもゆとりが持てました。
お昼のお弁当も到着を待って早めに頂けました。



午後は、小間席との調整の合間に、
皆さん久しぶりにのんびりと歓談ができたようです。
稽古日が違う方達は、年に一度の逢瀬ですもの。


こんな光景もたくさん見られました。

広間の薄茶は、おかわりをしていただきました。
おかわり用のお菓子は、おみくじ付煎餅。
皆さんの今年の運勢を占っていただきました。
私は水屋でお相伴でしたが、大吉を引き当てましたよ。

帰るころには雨も上がり、終わりよければすべてよしと、
楽観的な私の総括でした。
皆さん今年も、お茶をたくさん楽しみましょう。


お茶会の準備

2024年01月15日 | お茶三昧

綺麗な柚子をたくさんいただきました。
早速の柚子三昧で、なににでも柚子です。
柚子の香りで、お料理が一味違うので楽しめますね。

社中全員の顔合わせの新春茶会が近づきました。
先週、市のお茶室に正式に手続きを済ませてきました。
お借りするお道具、持ち込む道具の一覧表も作成して、
今日はいよいよ道具を出して荷造りの準備です。
あれは何処に・・これはあそこだったかしら・・と、
前日でないと準備できない物以外はすべて出したはずです。
と何とも頼りない言い方ですが、最近時々抜けることもあるので、
一覧表を見ながら二重三重のチェックをしないと、安心できません。

今週末の天気予報は雨模様とか。
何とか念力で、雨など降らせないようにしたいです。
干支である辰のお茶碗やお菓子も使います。
龍は雨を呼ぶそうですから、心配しています。

さて、新年もあっという間に15日の小正月。
小豆粥をいただく習わしですね。
お正月の行事もこれで一段落。
これからは、一年で一番寒い時期です。
体調に気を付けて乗り切りましょう。

 


後輩は小学生

2023年12月19日 | お茶三昧



毎年頂くお菓子の家ですが、
いつも少しずつ皆さんと食べてしまって、クリスマス前には形が無くなります。
今年は眺めることを目的にして、
きれいなままクリスマスを迎えさせてあげようと思います。

お稽古に通われる方々は、皆さん私より年下です。
私が60代のころは、年上の方もいらっしゃいましたが、
高齢になられて、通うことが難しくなりました。
今は後期高齢者の私が押しも押されぬ最長老です。

「後輩が入門されましたよ。」
と30代方にお知らせすると、
「わあ」と顔をほころばせて。
20代で入門されたその方も、何時しか気が付いてみると30代半ば。
それでも周りはお姉さまばかりです。
やっと先輩になれましたと喜びましたが、
でもその後輩は、小学校一年生と二年生なのです。
歳の差ありすぎですね。

私も何十年かぶりの小さい方とのお付き合いです。
そのエネルギーに負けないように頑張らなくては。
でもさすがに若い。
小さな体で、動作はおぼつかないのですが、
教えたことを何でもすっと吸い込んでしまうので、頼もしいですよ。
お母様は、お一人は一緒にお稽古、
もうお一人は独身時代に通われていた方で、今回は付き添いです。
でもお稽古を見守りながら、
「こんなのんびりした時間は、家では持てないので、癒されてます。」
と、娘さんの点てたお茶をおいしそうに味わっていました。
ハラハラしながらの付き添いも、大変だと思いますが。

 


初陣

2023年11月14日 | お茶三昧

12月をおもわせる寒い一日でした。
若い方が、お茶事の亭主初体験をしました。
まさに初陣ですね。
周りを固めるのは皆さん年上のお姉さま。
お水屋はベテランぞろいで、一丸となって支えて差し上げましたので、
緊張の中にも大過なく最後まで務めることができたとおもいます。



皆さん退院直後の私を気遣ってくださいましたので、
私は下火を熾して、お湯を沸かす準備くらいで、
あとは初めてのご亭主さんに、
ご挨拶も言葉のアドバイスなどをして口だけ時々出せばよく、
今までになく手のかからないお茶事でした。
それだけ皆さん経験を積んで、考えて動けるようになったということで、
とても嬉しく思いました。

濃茶は各服点てで、薄茶はすべて替え茶碗でしました。

千鳥の盃は、感染対策で、同じ杯を飲みまわすわけにはゆきませんので、
そこだけはまねごとにしましたが。

始めてで、お客さんも四名ということで、三時間半には納まりませんでしたが、
思ったより流れもよくできましたので、合格ですね。
初めてのお客様も、正座の大変さに耐えなくてはならなかったこと以外は、
とても楽しく、良い経験をさせていただきましたと、喜んでおられました。

私も前日と当日、それなりに動きましたので、
退院後間もないので疲れが出ないかと心配でしたが、
何とか乗り切れました。

「やはりお茶事は良いですね。」と、皆さんの感想です。
お疲れ様した。


前日準備

2023年11月11日 | お茶三昧

明日は炉開きの稽古茶事をします。
午前中から亭主役さんの四名がいらして、準備をしていかれました。
茶事の稽古で嬉しいことがあります。
ベランダのガラス戸がきれいになることです。
ベランダを露地として歩くので、ベランダ掃除と一緒に、
ガラス戸もきれいに拭いてくださるのですよ。
たった三メートルほどしか歩きませんが、
露地草履を履いてそれなりに、気分を盛り上げていただけます。

蹲に水を張り、外の準備は終わり。
あとは、お懐石の道具一式を出し、必要なものを次々と準備して、
簡単に流れにそってリハーサル。
最後にドラの打ち方の練習をして終わりました。

いつもですと、私が時間を見ながら少しずつ準備をしておくこともあるのですが、
今回は二週間の入院というアクシデントがありましたので、
出来るだけ皆さんでやっていただくことにしました。
今日色々言っておきましたので、明日は少しのんびりと進行を見ていられるかしら。
でもお客様に経験の浅い方がいるので、
そちらの方にエネルギーヲ注がなくてはならないかしらね。

明日は12月の気候とか、これまでとちがってだいぶ気温も下がるようです。
それはそれで寒く無いようにと体調が気にかかるものです。
楽しい一日にしたいと思います。

 


夏の終わりに一仕事

2023年09月19日 | お茶三昧

今日はまだ33度を超える予報の都内まで、
茶道体験の授業をしに行ってまいりました。
あと二~三日で少しは涼しくなるようですが、
それにはちょっと間に合いませんでした。

単衣の着物で、お手伝いの方二人と一緒に三人で、
子供達とのひと時を楽しんできました。




三年生二クラスで、二時間の授業をしました。
目標は①仲良く活動すること。②あとかたづけまでちゃんとすること。
でしたが、皆とてもよくできて、かわいらしい三年生でした。

わたしたちは、たまに行って、「可愛いわね」で済みますが、
二十五年前まで30年間過ごした学校現場ことを思い出すと、
毎日子供達と過ごす先生方は、そうとばかり言っていられないのではと。
わたしたちが授業をしているときくらい、のんびりとしていただきたいのですが、
やはり子供たちがちゃんと活動しているか、
常に目を届かせていなくてはならないでしょうから、
本当にご苦労様と思ってしまいました。

三時間目、四時間目と無事におわって、
子供達は給食になります。
わたしたちも片付けを済まして、駅前お決まりのお店でお昼にしました。



おにぎりランチを、一仕事済んでの感想を語り合いながら頂きました。

暑いことを覚悟していたからでしょうか、
心なしか風も爽やかに感じ、
まぎれもなく秋は空の遠くで覗いていると思いました。
この日のために、体調を整えて備え、無事済ませてほっとしています。
これで予定していた夏のお役目は終わりました。

 


立秋

2023年08月08日 | お茶三昧

八月に入り、ブログの更新をしないままに、はや立秋です。
まだまだ秋というにはほど遠い毎日の暑さですが、
この声を聴くと一抹の寂しさを覚えるのはなぜでしようか。

先週は、地元の花火大会が復活しました。
久しぶりに、ベランダから眺める花火を堪能しました。
心なしか、時間が短縮されたようにも感じましたが、
混雑による事故のことや、費用のことなどいろいろと都合があるのでしょうね。

お稽古は逆勝手など楽しんだりしています。


暑い時期のちょっとした気分転換ですが、
どなたかが、
「先生は、私たちの暑さでぼ~とした頭に喝をいれてくださっているのね。」
とおっしゃり、それもありかもと否定もせずです。

さて今日は十年ぶりにお顔を見せてくださった方が。
結婚なさってお稽古をお休みされ、
すぐにお子さんが生まれ、あっという間に三人のお子さんのお母さんになられ、
「もう四十ですよ。」に、時の経つの速いものだと。

お茶に興味ありという、小学校二年生のお譲さんと、
今年中学生になられた息子さんとご一緒に、夏休みの茶道体験に見えられたのです。
お茶に興味ありのお譲さんは、なんとなかなかの歴女。
室町時代から明治まで、小学校二年生とは思えぬ知識をお持ちで、
私もたくさん問題を出されて、たじたじでした。
私も負けじと大人げなく、マニアックな問題で応酬しましたが。


楽しそうに何度もお茶を点てる体験をして、二時間ほど過ごしました。
お兄さんは鉄道オタクのようで、鉄道の話になると、食いついてきましたよ。
とにかくお茶を点てながらの、にぎやかで楽しい時間を過ごしました。
お母さんは下のお子さんがもう少し大きくなるまで、忙しい毎日でしょうね。
次にお会いできる時は、また成長したお子さんたちの姿が見られるかしら。

さて明日からは稽古日が続きます。
少しは暑さも遠慮してくれると、いらっしゃる方々も助かりますね。

 

 


腰ひもを二本作りました

2023年07月30日 | お茶三昧

着物の腰ひもが、だいぶ傷んで擦り切れてきました。
呉服屋さんに行けば売っていると思いますが、
余り布がありましたので、自分で作りました。
二本作りましたから当分大丈夫でしょう。
卓上用のミシンを持ち出して来てダダダと縫いましたから、
たちまち出来上がり。
手間がかかったのは、ミシンの使い方を思い出すことかしら。
昔使った道具は覚えていても、最近手に入れたものは、
すぐやり方を忘れてしまいます。
たまに使うものはダメですね。
これも年のせいでしょうか。

手ごろな葉を何枚もいただけたので、「葉蓋」のお点前ができました。
濃茶の「名水点」と「葉蓋」そして「洗い茶巾」と、
これで酷暑の時期のお点前がすべてできました。

前回名水のについて触れましたが、
宇治、伏見などのご名水に詳しい方から、メールをいただきました。
今に残る、飲用可能な名水もまだまだあるようです。
汲みに行くことはかなわなくても、名前だけでも上げて、
お稽古で気分を出して楽しみたいと思いますね。

あすは病院に、内視鏡での膵臓の定期検診に行きます。
朝食抜きでこの暑さ。
検診も命がけです。


好きでなければ・・

2023年07月14日 | お茶三昧

暑い一日の午後の一服です。
ここのところ、稽古のない日や、稽古の合間に、
一点前して一服いただいています。
点前は時には真のお点前だったり、茶箱だったりと、色々ですが。
長いお点前に膝が耐えてくれて、最後に何とか立てたときは、
ここまで回復してくれた膝に感謝したり、拍手したりです。
お医者様には、正座は負担がかかるので、ほどほどにと言われているので、
調子に乗らないようにしていますが。

お稽古は、名水点や洗い茶巾、そして葉蓋と夏のお点前を挟みながら、
「心頭滅却すれば火もまた涼し」とばかり、
真台子を出して、さあ頑張りましようと難しいお点前に取り組んでいます。
エアコン効かしての茶室ですから、大丈夫ですけれどね。

お茶のお稽古をなさっている方はよく耳にする利休百首( l利休道歌とも)ですが、
「上手にはすきと器用と功積むと この三つそろふ人ぞ能くしる」
という一首があります。
上手(功者)になるためには、第一に好きであること、第二に器用であること、
第三に粘り強く続けることと、と教えているようです。
好きこそものの上手なれとはよく言いますね。
器用であることはもちろん大切な要素ですが、
最終的には、粘り強い人にはかなわないようにも思います。
私が続けてこられたのは、「好き」の一言につきますが。

この暑い中お稽古に通われる皆さんも、きっと「好き」だからでしょうね。

 

 


省エネと言われても

2023年07月02日 | お茶三昧

もうエアコンなしでは稽古もできなくなりました。
省エネと言う言葉に逆らうしかありません。

何年かぶりに、夏の着物を新調しました。
夏の和服の外出着はそれ程頻繁に出番はありませんから、
もう一生、今あるものを大切に着れば大丈夫です。
しかし、稽古着となると、汚れたり、擦り切れたりと、
消耗が激しいので、もう諦めようと思うものも毎年一枚くらいは出てきます。
そういうわけで、自分で手洗いできる麻の着物を仕立ててもらいました。
最近は若いころに比べて身長も縮んでしまいましたし、体型も変わりました。
仕立てていただくところで、あらためて、
自分の着やすい寸法をいろいろと測ってもらい、微調整しました。
和服は誰にでも合うようでいて、洋服のようにその人に合った仕立て方をすると、
着心地が随分と違うそうなので、着るのを楽しみにしています。

最近知ったことですが。
武原はんという舞踊家がいました。
12才で舞い始めたそうですが、この方が80才を越えたころに、
「この頃になって、ようやく型に心が追いついてきました。」
と語ったそうです。
さすがに芸に生きた人の言葉は、すごいと思いました。

私など五十年お茶をしてきましたと言っても、それだけですものね。
少し前に、何かの話題に、
「もうやり残した事はないからいつあの世にいってもいいわ。」
などと冗談にでも言った自分に、「こら!!!」と言いたいです。

梅雨明けを待たずに、この暑さ。
どうぞご自愛ください。
七月もよろしくお願いいたします。