先週、またまた贅沢な時間を過ごしました。
今回は自力ではなく、ご招待でした。


日比谷にオープンした、
「サロンド・ニナス」でのアフタヌーンティーです。
日比谷公園を望める開放的で素敵な空間でのスイーツ三昧でした。
でもちょっと情けないことに、美味しいものを目の前にして、
全部食べられない口惜しさ。
若いころならぺろりとお腹に納まったでしょうに。
そうなんですよ、最近はお寿司やさんでも、
シャリ小さめになんて言わなくてはならないのですから。
欲をかかずに、美味しいものをいただけただけでも幸せでしたが。
そんな優雅な時間の後は、稽古日が続きました。
これもまた私には、大切な時間ですよ。
お稽古に来られた方が、
「今日はお稽古できないかもしれません。膝が急に痛くなりました。」
とおしゃるので、
「大丈夫ですよ。テーブルでできますから。」
とお釜を移動して、急きょ椅子でお稽古することにしました。
こんな時の立礼コーナーです。
まだ平点前に入ったばかりで、柄杓の扱いに四苦八苦しておられますが、
テーブルでもすることは同じですので、問題なくお稽古できました。
さて、「りゅうれい」という言葉を使いますが、
一般的に椅子でできるお点前を指したりしていますが、
本来裏千家で「立礼」と言うと、
「点茶盤」という棚を使った正式なお点前です。
「立礼」は明治になってから、11代玄々斎が考案したお点前です。
「文明開化に伴い、外国の方との国際交流も盛んになるだろうから、
そんな時に、椅子やテーブルでお茶を差し上げて楽しめたら。」
という思いからだそうです。
実際に使用されたのは、明治五年に開かれた京都博覧会の時が、
初めてということです。
玄々斎の立礼は「立礼式」と言って、お棚と言えども正式な格調高いお点前で、
今は土間や野点などの応用も見られますが、
本来は、広間の座敷で行われるべきものです。
風炉を用いますが、季節を問わず、濃茶、薄茶、炭手前もあります。
今は、たくさんの人にお茶に親しんでいただこうと、
色々な流派のテーブルスタイルのお点前があり、
皆さん自由にお茶の空間に浸れるというのも、幸せなことです。
時代によって、目的にたどり着く手段はいろいろと変化していくのでしょうが、
時には少しでも源流をたどることにも興味を向けてほしいと、
50年以上もお茶と付き合っている私は願ってしまいます。
鬱陶しい梅雨ですが、外に出る気分転換の予定を作って、
すすんで楽しもうと思っています。
皆さんも体調にお気をつけてお過ごしくださいね。