山下譲治作 備前耳付水指
玉村登陽作 萩茶碗
使った道具の陰干し中です。
お湯や水を通したものは、必ず乾してからしまわないと、
次に使うときにかび臭いなんて言うことになりますから。
先日は小間で、社中の皆さんにお茶を差し上げたのですが、
その時には、水指と、御茶碗に思い出の道具を使いました。
どちらも今から逆算すると、35年くらい前の作品です。
そのころは夢中で窯元歩きをしていました。
水指は山下譲治作です。
備前に旅して、知人に紹介されてたずねた窯元で見つけました。
この作家さんは、私と同い年の若き新進の作家さんでした。
伊勢崎淳さんに師事して、窯を築いたばかりだったと。
一目で気に入って、箱がまだできていないというので、
後で箱をつけて送ってもらいました。
その後、二度ほど、東京で開かれた個展を尋ねました。
ネットで作品の画像を探しましたが、同じような耳付の水指は見当たりませんでした。
それ以後ご自分の作風を確立されて、現代的な作品が多いように思います。
私はこういう懐かしいものが好きなのですが。
もしかしたら、若き日の貴重な作品かもしれませんね。
御茶碗は玉村登陽作です。
これも萩に旅して入った陶器屋さんで見つけました。
「いい作品でしょう。勉強しますよどうですか。」といわれたのですが、
所持金が心細く少し悩みました。
でも思い切って、帰りの旅費を残して買ってしまいました。
今のように銀行で、いつでもどこでも、
キャッシュカードで下せるなどという時代ではなかったので。
大きさといい色といい、肌といい、大好きで、大切に使っています。
そんな思い出話をしながら、皆さんにお茶を飲んでいただきました。
なぜか若い時に、自分が気に入って手に入れた道具のほうが、
年を経て、雑念の絡む状態で選んだものより、
いいなあと思えてしまいます。
お茶会に使えるかなんてばかり考えていてはいけませんね。
自分が使いたいか、それだけを考えてこれからは道具を手にしましょう。
最後に、
蓋置は、御茶友さんのご主人が手作りしてくださった青竹でした。
また一つ心に残るお茶の思い出が増えました。
いつも見てくださってありがとうございます。
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