「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

そろそろ卒業かしら

2018年03月08日 | お茶三昧

「お雛祭りに間に合いませんでした。」
と言ってお持ちになったお茶碗です。
せっかくですので、「茶碗荘」のお点前をしていただいて、
一服頂だいしました。
又新しいお茶碗と出会えました。
使える時期の限られている道具は、
ぜひ年に一度は日の目を見せたいと思いますね。

「来年はもっと早く持ってきて皆さんに楽しんでいただきます。」
と大切にお持ち帰りです。

 

ところで、好きなお茶碗をお稽古に持っていらして、
マイ茶碗でお稽古をしていた方ですが、
そろそろ三か月を越えたのでは。
その間は、お正月は初釜用のお茶碗で点てました。
絞り茶巾は稽古に出してあった筒茶碗を使いました。
でもそれ以外はほかのお茶碗には目もくれず、
一心にお気に入りのマイ茶碗を使い続けていました。
そして毎回稽古が終わると、大事そうにお持ち帰りでした。

ところが先日初めて、置き忘れてお帰りになりました。
その後何の連絡もありませんから、
きっと忘れてきたことにも気が付いていらっしゃらないのかもしれません。

ウフフ、そろそろそのお茶碗から卒業かしらね。
良いのですよね。
人は一つのところにとどまってはいないものです。
特に若い方は、次の物を見つけてすすまなくてはね。
お稽古の思い出の詰まったお茶碗は、
きっと自分のお茶人生の宝物として残るはずです。

 


啓蟄

2018年03月06日 | お茶三昧

今日から二十四節気の「啓蟄「」です。
次の「春分」までの」15日間を言いますね。
その間を三つに区切ったものが七十二候ですが、
「蟄虫啓戸」(すごもりむしとをひらく)
「桃始咲」(ももはじめてさく)
「菜虫化蝶」(なむしちょうとなる)
の5日間ずつとなります。
昔の人は暦を見ずとも、自然のこのような様子で、
自分たちのやるべき仕事を知ったのですね。

雛まつりも終わり、稽古で楽しんでいる薄茶器。
「金輪寺」という」形です。

「菜虫化蝶」にちなんで、蓋には蝶が飛んでいます。
螺鈿の蝶と、土筆と、たんぽぽです。
どれも、三月になると姿を見せ始める生物ですね。

この薄茶器、時には出さないでいるうちに、
時期を逸してしまうこともあります。
今年は早々にお目見えです。

さあこの道具で、春分を待ちましょう。
今年の桜の開花日は、関東は3月22日頃とか。
春分の声とともに咲き始める桜の花。
そのころには棗に桜を咲かせましょうか。

 


使い切った着物が形を変えて

2018年03月05日 | 日記

毎日の稽古で、もう何枚も着物を着古すというより、使い切りました。
洗いを二~三回繰り返すうちにまず膝が抜けます。
表地から裏地が透けて見えるようになります。
好きな着物は上前と下前を入れ替えて仕立て直したこともありましたが、
そのための費用もなかなかのものなので、
最近は今まで持っていた着物で、外出着にはならなくなったものを、
稽古着に下ろし、片っ端から使い切っています。
そして「ここまで着てもらえたら本望よね「」と引導を渡します。

でも膝は抜けても、他の部分きれいなんですよね。
袖とか、下前とか。
ただ捨てるのはもったいないので、何かに利用しようと思うのですが、
和裁の腕など持ち合わせていない私には、そのためにとっておくのは、
いつか何とかしなくてはと思うだけで、かなりのプレッシャーです。

せめてクッションカバーにでも、と思っているうちにどんどんたまっていきます。
そんな時、捨てるのなら、田舎に送りますという友人が。
故郷のお母様が、普段着の袢纏に仕立て直したり、作業着にしたりして、
使っていただけるというのです。
最近はご近所のお仲間と、いろいろな端切れで小物を作り、楽しんでいらっしゃるとか。
それからは、使ってていただけるならどうぞどうぞと、
使えそうなものは、時々お持ちいただくことにしています。

それだけでもありがたいですのに、なんと、
「思い出の着物でしょう」と、出来上がった作品を分けてくださいます。
ホーチや巾着などに生まれ帰った私の着物は、さぞかし喜んでいるのでは。
便利に使わせていただいています。
ありがとうございます。

実はそのお母様は、あの大震災で、原発の事故で家と梨園を失われました。
毎年季節が来ると、美味しい梨を注文して送っていただいていました。
友人にとっても、故郷はもう帰れる場所ではなくなったのです。
今は離れた場所に新しいお家も建てられたそうですが、
まだそちらには移られず、仮設住宅でのお仲間と、
小物づくりを楽しんだりして過ごされていらっしゃいますが、
そこで知り合った方達とも、いずれは別れ別れになるのでしょうね。
あの日から7年がもうすぐやってきます。
傷跡は癒えていないと、その友人からも聞いています。
本当に復興はまだまだなのです。

 


春宵

2018年03月04日 | お茶三昧

 

 「桃重ね「」・・以前お稽古で用意したことのあるお菓子の写真ですが、
お店のあった近くのデパートが閉店してしまい、今はすぐは手に入りません。
お雛様の前にに飾ってあげたいような春らしいお菓子です。

 今日の稽古で使われた銘の一つは「春宵」でした。

 「春宵一刻値千金」(しゅんしょういっこくあたいせんきん)

という言葉がありますね。

春の夜の一時は、まことに趣が深く、千金にも換えがたいと。

中国北宋時代の詩人、蘇軾(そしょく)の七言絶句「春夜」の冒頭の一句です。
何か聞いただけでゆらゆらと酔ってしまいそうですね。

もう一つは「西王母」を使われた方も。
「ハナモモ」のことをそうも呼ぶようです。
雛祭りに飾られる桃の花を思い浮かべました。
うららかな銘をご馳走に、
お雛祭りの、暖かな一日の稽古三昧でした。

 


走ってはいけません

2018年03月02日 | 日記

 



最近であったお菓子とお茶碗。
お菓子に描かれているのはKATURAYUMIさんの頭文字YKです。
イベント限定のお菓子のようです。

珍しいお菓子を頂き、いろいろなお茶碗でお茶を飲む。
また楽しきかなですね。

最近少しお姉さんの友人が、転んでけがをしました。
バスに乗ろうとして走ったそうです。

走れるだけすごいと思いました。
でももう走ってはいけませんね。
私はここ数年走るということをしたことがありません。
信号で小走りくらいはありますが。
きっと走ったら、足がもつれて、絶対に転ぶと思います。
転んだというその話を聞いて、たまには走る練習もしておかないと、
とっさの場合に困るかしらと思ってしまいました。
心して駆け込み乗車もしませんし、信号も一回待ちです。
もう急がなくてはならないような生活は終わりました。
でも何かあるかわかりませんね。
たまにこっそり、誰もいな路地なんかで走ってみようかしら。

 


春の嵐とともに

2018年03月01日 | 日記

春の嵐とともに、三月がやってきました。

これからの季節は花だよりに浮き浮きする毎日になりますね。

三月といえば、茶家では最大の行事の利休忌が開催されます。
3月27日が表さん、裏千家は28日となっています。

命日は旧暦2月28日ですが、新暦で行いますね。
利休の好きな菜の花もそのころは咲き乱れている頃ですし。
利休忌を「菜の花忌」ということもあります。
最後のお茶を点てた茶室に活けられていたのが菜の花だったからという説からとか。
そんなことから、
茶家では利休忌が過ぎるまで、菜の花を床に飾るのは控えます。

3月15日には涅槃会も行われますね。
釈迦の入滅した日は2月15日ですが、
これも寺によっては新暦で行うということです。

涅槃会といえば思い浮かぶのが、この歌です。

願わくば 花の下にて 春死なん その望月の如月の頃

これは有名な西行の歌ですが、
「望月の如月の頃」とは2月15日なのです。
西行はこの願い通り、2月16日に亡くなったということです。
幸せだったでしょうね。
「花の下」の花とは桜ということになっているようですが、
このころは桜はまだで、梅なのではという気もします。
桜の名所、吉野の山に、西行ゆかりの場所があります。
それを考えると、桜をイメージしたのかもしれませんが。
桜の頃になると思い浮かぶ歌です。

早くも三月、日々是好日で過ごしたいですね。