ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

メリーとピピンの微妙なバランス?

2006年09月23日 | 指輪物語&トールキン
本題に入る前に。昨日はビルボとフロドの誕生日でしたね~。
いや私なぜか今日が22日だと思っていたのです・・・(汗)
というわけで遅ればせですが(汗)ビルボ&フロドお誕生日おめでとうございました(汗)

さてここからが本題です。
このところラジオドラマを聴いていて、ラジオドラマのピピンいいなーと思うのですが、どうもラジオドラマのピピンは原作よりもしっかりしてて気が効く=メリーに近い、ということにも気がついてきました。
その分、メリーの影がやや薄くなっている気が・・・(汗)ペレンノールで魔王を倒す時にもやや不満がありますしね、ラジオドラマは。
それを思うと、まだPJ映画の方がメリーのキャラクターがピピンと分けられていたかなーと思います。まあ、メリーも子供っぽくなってしまって、キャラクターがピピンと一緒になってしまったという説もありますが・・・
映画では、メリーとピピンを兄弟のように描いていましたが、ピピンの保護者的な役割に実はメリーの方が依存していたのかも、と思わせる役割分担はなかなか良かったなあと思いました。
しかし、ピピンの成長に伴い、メリーが妙に子供っぽくなってしまったRotK後半は残念でした・・・セオデンとの関係と、セオデンとの別れに伴う成長もなかったし。ドミニク・モナハンのメリーで療病院の名台詞聴きたかったなあ。
このように、メリーの存在はピピン抜きでは考えられないところがありますね・・・ピピンはメリー抜きでも考えられるのに(爆)
メリーファンとしては悲しいですが、メリーのキャラクターは、ピピンのキャラクター如何に左右されるのですね。PJ映画のように対比させられている場合もそうだし、特に区別されていない場合は余計にピピンと被っている部分が多いと影が薄くなってしまうような(汗)
原作はどうかというと、メリーとピピンの差は映画ほどはっきりはしていませんが、トールキンの中ではしっかり区別されていたように思います。
ピピンは映画ほどお馬鹿さんではなく(汗)頭の回転も速いけれど、どこかお坊ちゃんぽい鷹揚さと憎めない図々しさを持ち合わせていますね。
メリーは目立たないところで気が利いて、記憶力も良くて、ちょっと便利なキャラになっているような気もしますが(汗)
この二人の違いがはっきりしているなあと思うのが、セオデンとデネソールに仕える二人の態度で、このあたりはセオデンとデネソール、メリーとピピンと、完全に対比して描いていますね。
この二組の対比が、映画もラジオドラマもちょっと物足りなかったですが・・・(映画はちょっとどころじゃないか(汗))これはメリーとピピンだけの問題じゃなく、セオデンとデネソールの問題もありますが。
しかし、原作でもピピンの方がなんだか目立つし、トールキンはやっぱりピピンを贔屓してたんじゃないの、とひがみっぽくなってしまいます。
ただ最近、メリーにはトールキン自身が投影されている部分があるなあと気がつきまして、そうするとやや傍観者的な役割で目立たないメリーの存在も納得できるかなあと思いました。
でも、一般的にはメリーってやっぱりピピンより目立たない存在だろうし、メリーに思い入れのない人が映画なり何なり作った場合、やっぱりピピンの方が目立つようになってしまうんだろうなあと思います。悲しいけど・・・
まあ原作があればそれでいいと言えばいいんですが(汗)いつか再映画化なり他のメディア化なりする機会があったら、もうちょっとメリーに思い入れがある人に作ってもらいたいなあなんて思ってしまうのでした。(あ、ミュージカルはメリピピの描き分けほとんどありませんので(汗)時間的に無理ですしね)
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韓国のミス・サイゴン

2006年09月22日 | ミュージカル・演劇
というわけで、ソウルの世宗文化会館のミス・サイゴン見て来ました!
過去2回ソウルに来た時に何度か前を通ったこのホールで実際に観劇することがあるとは思いませんでしたねえ。
鑑賞は金曜の夜公演の予定。当日朝10時すぎに世宗文化会館に行ったところ、チケットボックスでチケットを買うことができました。
1階席はなんと3席のみの残でしたが、7列目と11列目をバラバラにゲットできました。並び席だと2階席の後方か3階席になるようでした。
席種がいい順にR席、S席、A席、B席だったのですが、R席のRって何だろう・・・と思ったら、もしかしてSよりさらに上、という意味なんでしょーか(汗)
しかしこの1階R席、130000ウォンとかしました・・・高い(汗)今レートが100ウォン12円くらいなので、日本よりずっと高いことに・・・(汗)
というわけで満席ではなかったようですが、大きい会場だし、平日で1階席ほぼ売り切れはなかなか入っているのではないかと思いました。
普段はクラシックの公演が多いんですね。そのせいか音響もなかなか良かったように思いました。まあスピーカー使っているから単純には言えませんが。
ロビーまでは出入り自由で、座席に入る入り口でチケットのもぎりをしていたのはびっくり。入り口いくつあったのかわかりませんが、人件費かかるなあと余計なことを考えてしまいました(笑)
この出入り自由なロビーでプログラムなどのグッズを売っていたのですが、なんとマイケル・リーのCD"A Voice for Voices"が売っていて狂喜乱舞しかけました(笑)このためだけでも行った甲斐があったというものです(笑)普通には手に入りませんからねえ・・・
このCDの感想はまた後ほど・・・
プログラムは舞台写真もいろいろ載っていたのですが、かなり小さい写真が多くて残念・・・まあ東宝のプログラムよりはずっと安いですけど。(大きさは東宝の昔のプログラムくらいですが(笑))
あ、グッズでベトナム帽とか売ってたんですが・・・あれ買う人いるんかなあ? 私が見た範囲では一人もいませんでしたが(汗)売り子のお兄さんたちは被ってましたけど。

客席はかなり広いものの、1階席もかなり前の方から段差があるので、かなり見やすかったです。後ろの方の席はかなり遠くなるとは思いますが・・・
舞台は、両脇にベトナム風の家を模したセットがあって、舞台手前の両脇にも幕?のようなものが固定されていました。このために両端の席は見切り席としてチケット売ってなかったようです。
この両脇のセット、なかなか素敵なセットではあったんですが、舞台奥に行くほど真ん中にせり出してもいて、かなり舞台を狭くしていました。うーん、なんであんなセットなのかちょっと解せません。
アメリカン・ドリームやホーチミンの場面にはセットが引っ込んだので、引っ込められるならもっと引っ込めておけばよかったのに・・・と思うシーンが多々ありました。勿体無い・・・
狭いなあと思ったシーンは多々ありましたが、中でもアメリカ軍キャンプの鉄条網の場面が・・・
ただし、可動式のフェンスを折りたたんだり、くるっと外側と内側を入れ替えたりしていたのは、フェンスが小さいからならではでしたが。あれは面白かったです。
あ、ヘリコプターがCG映像だったのですが、私的には全然okでした。あれだけの場面のためにわざわざヘリ持って来ることもないと思うし・・・
LotR見慣れている身としては、CGもうちょっと頑張って欲しかった部分もありますが(笑)
あと、どう見てもヘリに乗り込んでいるように見えなかったのが(汗)落っこちてるように見えました・・・
でも、別に映像でもokだなあと思いました。音響とか工夫してたし。

実は客席に入って真っ先に感動したのは、音出しをしているオケが上手かったことでした(笑)特に金管楽器が上手くて感動。
演奏中は弦楽器が合ってないなあと思うところはあったのですが、音は綺麗だったと思うし、管楽器が良かった! 日本でもこのくらいのレベルで聴きたいですだよ・・・(涙)
指揮が女性、しかも西洋人に見えて珍しいなあと思ったのですが、プログラムで名前を見たらKolleen Parkさんとなっていて、韓国語翻訳もやっているようで、もしかしてハーフか韓国系アメリカ人なのかもしれません。

さて、初の韓国ミュージカル観劇でしたが(NANTAは来日公演で見てますが、あれはミュージカルではないですもんね)、韓国キャストの皆さんは予想通り皆歌も演技も上手くて、安心して聴いていられましたね。
ただ、ダンスはもう一息かなと思ったのですが・・・特に男性が。
別にちゃんと踊っているのですが、今ひとつ迫力に欠けるというか・・・ちょうど日本の「ダンス・オブ・ヴァンパイア」のダンスが物足りなく感じたのと同じような感じでした。
と思ったのですが、ダンスが良かったという感想が多いですねえ。あれ、私の感覚がおかしいのかな(汗)
そんな歌の上手いキャストの中にあって、マイケル・リーの歌は群を抜いて上手かったです! ただ上手くて声量があるだけではなくて、柔らかな表現力が素晴らしかったです。やっぱりマイケルはいいよ~!
韓国キャストの皆さんも上手いのですが、マイケルを聴いた後だと、なんだか力任せのように感じてしまいました。これはスタイルの違いもあるでしょうが、でもやはりブロードウェイの底力?を感じましたねー。
「Why God Why」はもう感動。マイケルの歌をこんなに長く聴けるなんて、というのも含めて(笑)
終盤の、エレン(とジョン)に全てを告白する場面も、クリスの苦しみが伝わって来て、素直に共感できました。クリスに共感するのはなかなか難しいことなので(笑)良かったと思います。石井一孝さんのクリスもいいと思いましたが、マイケルの方が好きだ(笑)
(ちなみに私「ミス・サイゴン」は日本の初演のCDは持っているものの、舞台は日本の再演しか見ておりません)
しかし、マイケルのクリスは「可もなく不可もなく」とか「印象が薄かった」と感想を述べてらっしゃる方もいらして、うーん好みの違いなのかなあ。私はマイケルのやわらかい声にすっかりやられてますが(笑)韓国ミュージカルのパワフルな歌い方がお好きな方にはまた違う印象なのかもしれませんね。
マイケルは長年のロン毛を米兵らしく短くカット。韓国でカットしたせいか、一気に韓国人らしい風貌になってました。
韓国語の発音ですが、前半は私ですら違和感を感じる発音だったように思いますが、後半全く気にならなくなったのは単に馴れたからだけでしょうか?(汗)

キムはダブルキャストのうちのキム・ボギョンさんでした。初登場では田舎から出てきたいたいけな少女というイメージにぴったり。
でも、ちょっと声量がなくて・・・上手いんですけどねえ。
それでも後半、感情が高ぶるところになると気にならないくらいの迫力で・・・とにかく演技が良かったです。日本のキム、再演で二人しか見てませんが、演技的には今まで見たキムの中で一番良かったと思いました。

エレンのキム・ソニョンさんは、上手い! 歌も上手いですが、力任せではなく、なんというか包容力と静かな苦悩と情熱を感じさせる歌と演技でした。
I still Believeは素晴らしく、鈴木ほのかさん以来に泣いてしまいそうになったのですが、うなされて起き上がったクリスがパンツ1枚だったのでドッとひいてしまった・・・(汗)
いやトランクスなんですが、でも青と白の縦じまの・・・(汗)
うーん、せめて下だけでもなんか履いておいて欲しかった・・・アナキンはちゃんと履いてたぞ。
話をエレンに戻して(汗)ちょっと衣装やメイクが派手すぎかなーと思ったんですけど(汗)アメリカ人らしくしているのかな。
そう言えば韓国版ミス・サイゴンはアメリカ人役の人も黒髪のままでしたね。無理に金髪の鬘とか被らないで。あれはいいなあと思いました。自然でいいですよ。
私は鈴木ほのかさんが好きだからというのもあるとは思うのですが(笑)「ミス・サイゴン」ではエレンに肩入れしてしまうんですねー。
エレンの解釈があの話の解釈を左右するというか、とにかくエレンは重要な役だと思います。エレンに説得力がないと話が薄っぺらになってしまうと思うんですよね。
キム・ソニョンさんのエレンは、情熱的で愛情深い人だな、と思わせました。クリスがキムを愛していたことを隠していたことに衝撃を受け、悩みながらも、愛情深い故にクリスを赦し、受け入れることを選んだように思えました。
最後も、迷いもなくタムを抱きしめて退場してました。
日本の再演でタムを抱きしめるエレンを見た時は、安易すぎる、嘘っぽい、偽善だ、なんて思ってしまったのですが、ソニョンさんのエレンはなんだか素直に見られました。説得力のあるエレンだったと思います。
日本では、タムは幸せになれないだろうと思えて、その苦さが戦争の愚かさを映していてリアルでよくできてるなあと思ったのですが、韓国では素直にタムがキムが願ったとおり幸せになれるだろうと思えました。もちろんそれでも苦い終わり方ではありますが。
このあたり韓国らしいのかな。いやもしかしたらあんな苦くて皮肉な解釈するのは日本だけだったりして(汗)

韓国版ミス・サイゴンでは、トゥイが今までにない解釈になっていたそうですが・・・全然トゥイに注目してませんでした(大汗)歌はすごく上手いなあと思ってましたが。
そう言えばキムがトゥイを撃った後抱きかかえていたけれど、あれって日本でもそうだったかなあ?

バンコクの客引きの場面?では、ハードゲイ風の男性も踊ってたのがおかしかった(笑)日本でもあんな人いましたっけ???
あと、日本人観光客に日本語で声かけるとき、なんだかメチャメチャ日本語上手かったんですがエンジニア(笑)

だらだらと長くなりましたが(汗)そんなこんなで、なかなかいい舞台だったと思います。言葉がわからないのが残念でしたが。
韓国ミュージカルってこんななんだ、というのも新鮮な体験でしたし。
何よりも、マイケルをまた観られたというのが・・・幸せでした。
公式サイトによると来年来日公演があるらしいです。まだマイケルがクリスをやっているかどうかはわかりませんが(可能性低いんじゃないかな・・・)、来日の際にはまたぜひ観に行きたいです。
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「フーリンの子供たち」のこと

2006年09月22日 | 指輪物語&トールキン
クリストファー・トールキン氏がThe Children of Hurinを出版するというニュース、このところあちこちのブログで話題をみかけます。
私は最初に見たのがTORnのニュースで、その時すでにThe Children of Hurinというタイトルも見ていたので内容も「トゥーリンの話か」とわかりましたし、そんなに騒ぐ気分ではありませんでした。英語読めれば話は違って来ますが、私は邦訳出ないととても読めそうにないので・・・
そして邦訳が出る可能性はかなり低そうだし・・・UTだって映画人気のおかげでようやく出版に漕ぎ着けた感じじゃないですか。完全盤サントラも限定版DVDも国内版が出ないこの状況で、邦訳を望むのはまず無理じゃないかなあと・・・
というわけでこのニュースを見た時の感想は、「へー、まだ遺稿があったんだー」「でもどうせ邦訳されないから私には関係ないか・・・」という感じで、そんなにテンションは高くありませんでした。実際ブログにも書いてなかったですしね(笑)
しかし、やけに興奮気味な記事が多いなあ、それもマニアックなファンでもなさそうな(シルマリルあたりも読んでなさそうな)人の記事が多くて、どうしたんだろうと思ったら、この記事が原因だったんですな・・・
うーん、これ読んだら、「指輪」みたいな話を別に書いていたのかと誤解されかねませんね。元はBBCの記事のようですが、よく知らない人がそのまま訳して紹介するとこうなりますよ、という見本のようなものだなーと(汗)
見出しが特にひどいですね・・・「第二の指輪物語か」って誤解を呼びそう(汗)写真も映画のフロド使ってるし・・・
「妖精と小人が出てくる」ってのも(汗)どうも「エルフとドワーフ」を訳したらこうなったらしいですが・・・まあ確かにベレグとかミームとか出てくるからエルフもドワーフも出てくるけど・・・
どこでどうなったのか「エルフとホビットとドワーフが出てくる」と書いていたブログもありました。伝言ゲームみたい(笑)ホビットは出てこないでしょう~
でも、邦訳されたらとても魅力はありますねー。英語が読めたら邦訳を待たずとも魅力なのでしょうが。
「終わらざりし物語」で、「シルマリル」よりも詳しく描かれた物語を読んで面白いと思いましたから、あんな感じで全編書かれているのなら楽しめそうです。
しかも、「終わらざりし-」では、いいところが書かれてなかったですからねえ。べレグの最期とか・・・あそこ楽しみにしてたのになくてガッカリだったなあ。
なんてこと考えていたら、やっぱり読みたくなって来ました(汗)邦訳出ないかな~
白の乗り手の皆さんが地道に頑張ってくださらないかしら・・・
結局のところ、未邦訳本がまた一つ増えるだけだなーと思ってしまう、やっぱりテンション低くなってしまう私でした(汗)
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ラジオドラマ聞き返しその22

2006年09月21日 | 指輪物語&トールキン
更新できなかった割には聴くほうは順調だったので、ちょっと感想が溜まってしまいました。やっぱりRotKは面白いです。
セオデンの死から場面変わってデネソールの火葬の場面に行くのですが、ここでもセオデンのテーマで男声ソロがナレーションの変わりに歌っています。セオデンとデネソールの対比を思わせて、ここもなかなか素敵な演出だなあと思います。
熱にうなされたファラミアが「Father...did I do right?」とうわ言を言うのが原作よりもちょっと暖かいというか。ラジオドラマのファラミアはかなりクールなので、貴重な台詞かも?
映画のデネソールと目が合うのもいいような悪いような・・・と思っていたので、このくらいがちょうどいいかなあ。
ファラミアが実際に「Father」と言うのを聞いて「あの子が呼んでいる」と言うのも・・・あれ、原作もそうでしたっけ?(汗)
ラジオドラマでもベレゴンドはいませんが、この後ファラミアどうやって運んだんでしょうねえ・・・あ、デネソールの侍従が残ってて運んだのかな。
デネソールの最後もセオデンのテーマを歌う男声ソロで締めくくられて、これも切ないなあと思います。
場面変わってアラゴルンたちが海賊船で登場。
アラゴルンに続いてギムリ、レゴラスも名乗りをあげますが、ギムリは「グローインの息子ギムリ」と名乗りますが、レゴラスは「Legolas the Elf」と名乗るんですねえ。スランドゥイルの息子と言わないのは映画と同じですね。なんでかなあ。言いづらいから? 「エルフのレゴラス」もあんまりカッコ良くないと思うんですが・・・
そしてペレンノール野の戦いのその後の展開は、またしてもセオデンのテーマを歌う男声ソロによって語られ?ます。これも上手い演出だなーと思いました。ラジオドラマならではというか。

メリーを発見して労わるピピン。このあたり、ラジオドラマのピピンは結構気が効く良い子なので原作以上にピピンの優しさを感じます。
療病院ではヨーレス登場。なかなか個性的なおばあちゃんです(笑)そして院長の役も本草家の役もベレギアの役も一人でこなして大活躍(笑)
ガンダルフに「飛蔭の後ろに乗せて急ぎの意味を教えてやろう」と言われるところがないのはちょっと残念ですが(笑)
それにしても「王の手は癒しの手」という言葉、英語だと随分リズミカルになるんですね。日本語とかなり印象が違いました。このあたり映画で出てこなかったから聴く機会もなかったんだなあ。
アセラスを手にしたアラゴルン、自ら治療法を説明しながら治療にあたります。なんだか料理番組みたい(笑)
でも、アセラスの詩はヨーレスよりはアラゴルンが朗読した方がカッコイイですね。トールキンアンサンブルでもリー様が朗読してましたが。
原作どおりアラゴルンに答えて目覚めるファラミアが・・・いいですねえ。
でも、ラジオドラマではベレギアもベレゴンドもいないので、目覚めたファラミアのところに残るのはヨーレスだけ? なんかかわいそうなファラミア・・・(汗)
目覚めたエオウィンは相変わらずクール。エオメルにセオデンがどうなったかきいておきながら、それについて何のコメントもしないのはどうかと・・・いやメリーのことが心配だったのだということにしておきましょう(汗)
メリーのことを「ローハンの騎士にしてほしいのです。とっても勇敢なのですもの」とエオウィンが言い終わらないうちに「indeed」と言うエオメルが嬉しいなあ。ここ、映画でも観たかったよ~。
そしてメリーの目覚め。原作どおり「お腹がすいた!」と言って目覚めるのは嬉しいですねえ。
パイプ草と言ったとたんにセオデンの台詞が流れるのはちょっと反則技ですが(笑)いいですねえ。
しかし、この後の「もうパイプ草は吸わない」というメリーの言い方が、私のイメージではもう少し静かな感じだったのですが・・・
アラゴルンに謝り、「ブリー村から迷惑のかけどおしでしたね」というあたりの台詞はやっぱりいいなあ。
そしてアラゴルンがメリーにキスして「May the Shire live for ever unwithered. Now rest!」と言って去っていくのも優しくていいなあ。
その後のガンダルフの「Good-bye for the present, Merry. And well-done!」という言葉も。
その後にメリーのかの名台詞があるわけですが、ここも私的にはもっと静かに流れる感じなんだけどなあ・・・まあいいや。
そして最後にピピンの「フロドとサムは今パイプを持っているかな」という台詞と共にフロドとサムの場面に移るのがまた上手い演出だなあと思いました。

RotKのディスク1もそろそろ終わりです。私にとってはかなり大きな山場のペレンノール野が終わったわけですが、これからいよいよ指輪棄却に向けての山場ですね。
ラジオドラマは指輪棄却後もかなり楽しめるので・・・また続きが楽しみです。
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韓国でみつけたLotR

2006年09月20日 | 指輪物語&トールキン
なんだかバタバタして更新できないでいますが、日曜には韓国というかソウルから帰って来てました。
今回は全く指輪目当ての旅じゃないし、一人じゃなかったのであえて指輪探索?もしませんでした。
本当は韓国語の「指輪物語」(韓国語だと「指輪の帝王」かな)とか買ってきても面白かったのでしょうが、韓国の本屋さんで目当ての場所にたどり着くのはかなり困難なものがありまして(汗)ハングルの表示じゃ何がなんだかわからないし。
一人だったら何とかお店の人に聞いて探し出したかもしれないんですが、連れもいたし、時間もあまりなかったし・・・で、ツッ込んでは探しませんでした。
ゲームショップなんかも事前に調べておいたらあったかもしれないんですけどねー。それも根性がなく・・・
DVDもリージョンが違うし。ビデオは見られるらしいですが、機内上映で韓国語吹き替えは今ひとつなのを聴いてしまっていたので探す努力もあまりしませんでした(汗)
サントラは輸入版を売ってましたが(普通のやつですね)それ買っても何の意味もないしなあ・・・(笑)
韓国と言えば、そういやハワード・ショアが作曲したオンラインゲームのサントラが韓国のだったな、と思ってCDショップで一応探してみましたが、全然ありませんでしたねー。むしろゲームショップとかの方が良かったのかな、やはり。
(どうでもいいけどHowardShore.comのdiscographyにはこのCDのこと出てない・・・ひどい(汗))
そんなこんなでしたが、ちょこっとは看板などみかけましたよ。
トップの写真は明洞のDVD屋さん(レンタルかな?)の看板です。なんでTTT、と思いますが、ハリポタも2作目だし、その当時から看板変わってないんですね、きっと(汗)

拡大するとぼけボケですがこんな感じ。やはりタイトルは「パンジ・エ・ジェワン=指輪の帝王」なんですねー。サブタイトルはそのまんま「二つの塔」と書いてあるようです。

あと新村で見た謎の看板。

何の店なんだろう・・・一応ビルの2階まで上がってみたのですが、それらしき店はみつからず・・・
多分LotRとはあんまり関係ない店じゃないかと思われますが(笑)

そんなこんななソウルの指輪体験(っほどのものか・・・(汗))でした。
旅行記はドイツ編が終わってからupいたします・・・まだミュンヘンだもんなあ、いつ終わるのやらです(汗)
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TTTサントラ完全盤11/7発売!

2006年09月13日 | 指輪物語&トールキン
実は明日から韓国に遊びに行って来ます。出発は夜ですが。
4日間ですが、スパムも多いのでサイトのBBSは閉鎖して行きます。18日以降に再開します。
・・・ということでも書いて終わる予定だったのですが、こんな時に限って情報が続々・・・(汗)サイト更新してたらすっかり遅くなってしまった・・・
まずは、最初に知ったのはTORnからなのですが、TTTサントラ完全盤が11/7発売だそうです! やっぱり年一ペースになっちゃいましたが(汗)それでも聴けるだけ嬉しい!
内容はFotRと同じみたいですね。CD3枚と5.1chサラウンドの音声だけのDVD1枚付き。TTTもまだ3枚で収まるんだなあ。
また国内版の発売は望めないようですが・・・
詳しくは、ようやく始動したHoward Shore.comに出ています。昨日見た時はまだlaunching soonだったのになあ。
このサイト、始動するまで1年くらいかかりましたが(汗)いきなり充実した内容になっております(笑)
LotRシンフォニー情報もいくつか。
1/19、20にケンタッキーのルイヴィルというところであるのと、2/21、22にはフロリダのセントピーターズバーグでフロリダ管弦楽団の演奏でやるそうです。
まだまだ続くんですねえ。
セントピーターズバーグは、隣町のタンパに昔行ったことがあるのでなんだか懐かしいような。2月のフロリダはピークシーズンらしいので、ホテルとか高そうですが、気候はいいのではないでしょうか。って私は行かないですけど(汗)
ライプツィヒ情報はまだ詳しくは出てませんねえ。早くはっきりして欲しいなあ。
とまあそんな感じで、取り急ぎ情報だけ載せてみました~。
また帰国したらHoward Shore.comゆっくり見よう(笑)
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ロンドン指輪ミュージカル配役オーディション

2006年09月12日 | 指輪物語&トールキン
指輪ミュージカルの公式サイト(いきなり音出ますのでご注意を。ちなみにこれはヘルム峡谷?の戦いの場面の音楽ですね)、トロントも閉幕したことだし、何か進展あるかな(特にキャストについて)と思って覗いてみました。
そしたら、すっかりリニューアルされてロンドン仕様になってましたー。
しかし、トロント情報あっさり消したなあ・・・キャストの確認もできないではないですか(汗)
で、それによると9月18日にキャストのオーディションをやるそうです。
しかしHOBBIT AUDITIONとなっているので、他のキャストはもう決まっているのかなあ。
詳細を見ると(pdfなんですがメチャ重い・・・)16歳から35歳まで(幅広いなあ(汗))の男女で裸足で5フィート7インチ以下の人となっています。
うーん、女性もってことはアンサンブルなのかなあ? まあロージーの役があるけど。いや、アンサンブルはホビットもエルフも同じ人がやっていたっぽいので、やっぱりメインのホビットたちのことかなあ・・・
どうもトロントキャストは一新みたいな感じなので(トロント閉幕の記事か何かで、ガンダルフもフロドもゴラムもこれが最後のステージ、みたいなことが書いてあったと思うのですが。フロドのJames Loyeはイギリス人なんだけどロンドンは出ないのかなあ。
そしてホビット以外のキャストはもう決まってるんでしょうか。なんだか随分前から何度かワークショップは行われていて、そこに参加している俳優さんもある程度わかっているらしいのですが、果たしてその俳優さんたちが出るのかどうか。トロントには出てなかったそうで・・・
いや、すでにどんな作品だかわかっているし、そんなにドキドキすることもないのですが、やっぱりどうなるのかちょっとは気になります。
まあ、日本みたいに、配役でガッカリ・・・ということはあんまりないと思いますけど。
トロントの打ち切り(汗)がいろいろ言われた指輪ミュージカルですが、そもそもトロントでやっていたことすら知らない人も結構いるのではないかと思いますし、ロンドンで開幕したらまたそこそこ入るんじゃないですかねえ。
チケットはもう売ってますが、売れ行きはどうなんでしょうかね。トロントは発売初日にかなり売れたみたいですが、さすがにそんなに売れてはいないでしょうが・・・
とりあえずはキャストの発表が楽しみかな。いつくらいに発表でしょう。トロントは2月プレビュー開幕で、昨年7月末くらいに発表になっていたので、そのペースだと10月末くらいでしょうか。
あ、でも10月末はTTTサントラ完全盤が出るはず・・・遅れそうな予感はするけど(汗)もし出たらミュージカルどころではないと思いますが(笑)
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ユナイテッド93

2006年09月09日 | 映画
昨日レイトショーで見てきました。
公開4週目のレイトショーにしては人が入ってましたね。男女比率半々くらいの客層なのが面白かったです。

この映画、最初に話を聞いた時には、テロと戦った勇敢なアメリカ人たちの話、だったらやだなあと思っていたのですが、監督が「ボーン・スプレマシー」の人だと知って「なら大丈夫だな」と。「ボーン・スプレマシー」ではカール・アーバンをカッコ良く撮ってくれてた・・・じゃなくて(笑)淡々とした映像に好感が持てたので。
実際見て、観に行って良かったと思いました。
ドキュメンタリータッチながら私は結構泣けてしまって・・・隣の女性も泣いていましたね。

冒頭から、決行前夜の実行犯たちの映像で始まります。静かにコーランを唱え、礼拝し、体毛を剃る若者たち。(体毛を剃るのって何か意味があるんでしょうか)
操縦役の物静かな若者が印象的でしたが、他の若者たちも、あどけなさが残る若者たちで、彼らもまた死んでしまうという結末を思うとなんというか慄然としました・・・配役が上手かったと思います。
搭乗前の乗務員や乗客たちの、にこやかな日常の様子も、皆死んでしまうのだと思うと胸が痛むような思いでした。このあたり、表現の仕方によってはあざとくなってしまったと思うのですが、淡々としたドキュメンタリータッチだったのが非常に良かったです。
管制塔の様子、軍司令部の様子が、ドキュメンタリータッチで淡々と雑音も交えながら描かれていたのも良かったです。ひとつ間違えば「ウォーゲーム」みたいな感じになってしまったと思うので・・・(古すぎますね(汗))
ビルから煙が上がっている映像、飛行機がつっこむ映像は当時のホンモノの映像をそのまま使っていたので、当時の衝撃を否が応でも思い起こされました・・・いや私はリアルタイムでは見てないのですが(汗)テレビ見ないでさっさと寝てたので、翌朝ニュースで初めて知ったのでした。
かなりご本人が出演していたらしいですが、どの人かよくわかりませんでした・・・皆演技上手いなあ。
管制塔や軍司令部の人々の反応が、非常にリアルだったのも印象的でした。皆まだ当時の記憶もまだまだ鮮やかに残っているでしょうし。
なんというか、ただ「あそこにいるたくさんの人たちはどうなるの?」という、純粋な恐怖・・・ワールドトレードセンターの映像を見ながら、当時のあの感覚を思い起こしました。
管制塔や軍の人たちの反応も、同じものだったので・・・立場を超えて、同じ人間として同じ反応をしているところになにかホッとするものがありました。
でもこの後、同じものを見ていた人たちの反応が真っ二つに分かれてしまったわけですが・・・でもとりあえず、この瞬間に感じたことは皆同じだったのだと、そのことを忘れないでいたいと思うし、そのことを思い出させてくれたかな・・・
このユナイテッド93便は、かなり後になってから「墜落していた機がありました」という感じで報道されていたように思いますが、ハイジャックされているという事実がなかなか把握できなったのですね。そのあたりの状況も見られてなるほど、と思いました。
あれだけたくさんの飛行機が飛んでいて、ハイジャック機ではないかと疑われる機も何機もあって・・・国土が広く、国内便が数限りなく飛んでいるアメリカならではの状況でしょうか。
客室乗務員の電話も整備部につながってしまったり、乗客から家族への電話からもどの程度伝わったのか・・・
滑走路が混雑していて離陸が遅れたことで決行が遅くなったことが目標に到達しなかった原因だったことなども、なるほど、という感じでした。
決行をためらう実行犯、緊張の面持ちで爆弾を体にまきつける若者(あれ本当に贋物だったんでしょうか)、次第にただのハイジャックではないことを知る乗客たち・・・淡々と、次第に緊迫感を出して行く映像に引き込まれました。
自分たちが多分助からないと覚悟して、家族に最後の言葉を伝える乗客や乗務員たち。この最後の言葉は、遺族に取材したそうなので、そのままの言葉なのでしょう・・・
隣の女性が「あなたも大切な人に電話しなさい」と携帯を貸してくれて、「親切な人が家族に電話しろって電話を貸してくれたの」と話していた女性のエピソード?が一番堪えたかな・・・リアルで・・・彼女の演技も良かった。
実行犯たちも死の恐怖に怯えていたのがリアルで・・・彼らも皆死んでしまう結末を知っているから、ただ悲しくて仕方なくて、涙が止まりませんでした。

最後に「この映画を2001年9月11日に亡くなった全ての人に捧げます」というテロップが出ましたが、まさにそういう映画だと思いました。
善悪を問うのではなく、ただあの93便に乗っていた人々にそれぞれの人生があって、最後まで懸命に生きていた、その証を残すための映画なのだと。
そして93便に乗っていた人たちだけでなく、ひいてはあの日亡くなった全ての人たちに、それぞれの人生と命があったことを思い起こさせてくれたと思います。
テロでも戦争でも、事を起こせば人は死ぬのだと・・・そして、その時に人が死ぬということの重さを、ずっしりと描いていたと思います。
人は時がたてばいろいろなことを忘れてしまうけれど、その大事なことを今改めて思い起こさせてくれた映画だったと思います。

てなわけで今年見た映画の順位。
1.ナルニア国物語第一章ライオンと魔女 / 2.RENT / 3.僕の大事なコレクション / 4.ロード・オブ・ウォー / 5.フーリガン / 6.ユナイテッド93 /7.V・フォー・ヴェンデッタ / 8.ローズ・イン・タイドランド / 9.スタンドアップ / 10.シャガール ロシアとロバとその他のものに /11. ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス /12.キングコング / 13.ハリーポッターと炎のゴブレット / 14.DOOM / 15.サイレントヒル / 16.プロデューサーズ / 17.パイレーツ・オブ・カリビアン2デッドマンズ・チェスト / 18.ゲド戦記 /19.アンジェラ / 20.ダ・ヴィンチ・コード / 21.PROMISE / 22.フライトプラン
見終わった直後に考えてた順位よりかなり上がりました(笑)今年はホント当たり映画が多いです。
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ラジオドラマ聞き返し21

2006年09月09日 | 指輪物語&トールキン
ラジオドラマ、RotKに入ってやはり佳境になってまいりました。
ラジオドラマって、原作どおりRotKに入ると俄然面白くなるんですよね。このあたり、映画もミュージカルも今ひとつだったので(ミュージカルは今ひとつどころではなかろう・・・(汗))、ラジオドラマはすごいなあと思います。
でも、今日感想を書く、ナズグルの首領を倒すあたりにはちょっと不満もあるのですが・・・
でも改めてきいていて、やっぱり映画よりはいいよ、と思いました(汗)映画もこの程度の改変だったらなあ・・・

まずは城門でのガンダルフとアングマールの魔王の対峙。緊張が高まる中に聞えるローハンの角笛。このあたりはやっぱりカッコイイですねえ。なんで映画はこのままじゃダメだったんでしょうか。
原作どおり、ピピンにファラミアを助けてと頼まれてファラミアを助けることで他の生命が失われるかもしれない、と嘆息するガンダルフ。このあたりもカッコ良かったのに・・・なんで映画はやらなかったのかなあ。

場面変わってペレンノールで戦うセオデンたち。すぐに戦いに飛び込みますが、このあたりは映画の方が劇的でカッコ良かったのは確かですね。たとえエオメルの台詞がセオデンに取られちゃったとしても(笑)
しかしラジオドラマでは、ナレーションの変わりに男声ソロで詩のようにセオデンの戦いの様子が歌われます。このメロディ、セオデンのテーマというか黄金館のテーマというか・・・で、なんとローハンの角笛のメロディでもあります。
以前聴いた時は、セオデンの葬儀の際に詩人が歌った詩、もしくは黄金館を出発するときに使われたセオデンの死後に作られた詩なのかと思っていたのですが、むしろ原作の地の文にメロディをつけて歌っている感じだったのですね。
この演出はいいなあと思います! 優しいメロディなのがまた泣かせます。
こういう演出、ミュージカルでぜひともやって欲しかった演出なんですけどねー。まあ時間的に難しいかもしれませんが・・・
しかし、セオデンったらデルンヘルムと会話してますね~(汗)エオウィンだって本当に気づかなかったのか?(汗)後ろにホビットが乗ってたりもするだろうに・・・
セオデンが雪の鬣に「疲れているだろうが・・・」と声を掛けるの、原作にはなかったような。この後の展開を知ってるとちょっとじわっと来てしまいます。
で、エオウィンと魔王の対決ですが・・・デルンヘルムがメリーにちゃんと声をかけつつ戦いに行くのはまあいいんですけど・・・
エオウィンが自分は女だと正体を現したのに、魔王があまり動揺してないのがうーん(汗)
そしてエオウィンの「メリー助けて!」もうーん、だし、メリーに刺されて「Harflingsに刺されても痛くも痒くもないわ」みたいな感じで言っているのもうーん。ここでダメージ与えてなきゃエオウィンの助けにもなってないし・・・
そしてメリーの「エオウィン、今だ!」にも激しく違和感・・・
だいたいメリーが恐怖の中から勇気を搾り出すあたりも足りないんですよね・・・
でも、映画に比べたらはるかに良いわけで。映画もこのくらいの改変だったらまだしもなあ、と思いました。まあこんな感じでも文句は言ってたと思いますが(汗)
魔王を倒した後、エオウィンがまだ意識があってメリーに「王を助けて」みたいなことを言っているのが意外・・・
セオデンとメリーの会話が原作どおりなのは嬉しいですが、ラジオドラマのメリーとセオデンのかかわりも意外と少ないので、原作ほどの感動はないかなあ・・・ラジオドラマではむしろデネソールとピピンの方が絆?を感じます。
でも、これも映画に比べたらはるかに・・・ですね(汗)

まだまだ物語の佳境は続きます!
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ダッハウ強制収容所

2006年09月07日 | 旅行
今回ミュンヘンには3日滞在の予定でした。エンデのお墓と博物館、トーマス・マンめぐりがメインで、後はシュタンベルク湖にするかダッハウの強制収容所にするか迷っていました。
一旦はダッハウは断念していたのですが、ニュルンベルクでナチス遺跡を見たら、やはりダッハウにも行きたくなり、どうしようかな・・・と思っていたのですが、エンデ博物館の最寄り駅がダッハウと同じSバーンのS2の路線だったこと、そしてエンデ博物館が2時からしか開かないということで、これはエンデ博物館に行く前に寄れるかも、ということで、エンデのお墓参りをした後、ダッハウに向かいました。
S2のDachauで下車、724か726のバスで行く、と「地球の歩き方」には書いてあったのですが、バスターミナルに行ったら、思いっきり「強制収容所行き」という表示が出ていてびっくり。
日曜ということもあってか、観光客がたくさんバスターミナルに並んでいてこれもびっくり。どうやらかなりメジャーな観光スポットとなっているようです。まあ、ニンフェンブルク城ほどは混んでなかったと思いますけど。
バスは強制収容所の近くが終点になっていて、迷いようもなくすんなり到着しました。
この強制収容所跡、入場無料です。太っ腹。
さらに興味がある人には有料でオーディオガイドの貸し出しや本などを売っているようでした。私はそんなに時間がなかったので(ニュルンベルクのDocu Zentrumで時間かかるのはよくわかりました(汗))確認しませんでしたが、日本語のガイドがあるなら、時間があれば聞いてみたかったですね。
しばらく歩くと強制収容所が見えてきます。
門をくぐると、予想以上に敷地が大きいことにびっくりしました。ニュルンベルク以来「大きい=怖い」と思ってしまいます・・・

これは管理棟。平屋ですがかなり大きいです。
中は写真や映像の展示になっています。一部収容所内の生活備品の展示もされていました。
映像はあまりなく、写真が中心の地味な展示ではありましたが、結構衝撃的なものもありました。
ゴミのように投げ出される死体や焼かれる死体の映像が流れていたり・・・この後機内で「Vフォー・ヴェンデッタ」を見たら、前に見た時もナチスの強制収容所をモデルにしているのはわかっていたつもりでしたが、本当にそのままだったので色々と考えてしまいました。
一番衝撃だったのは、人体実験の様子の写真でしょうか。人体実験で命を失った後の写真や、 実験前、実験の瞬間、実験後(多分死んでいる・・・)の連続写真もありました。
特に連続写真では、被験者の男性が、自分が何をされるのか知らないのか、ニコニコと人が良さそうに笑っていたのが・・・
こういう写真を、ほんの一部とは言え、展示しているのは貴重なことだなあと思います。
ドイツは戦争責任を「全部ナチスが悪かった」と押し付けて済ませてしまっている部分もあるよなあ、とは思います。
それでも、こういう資料を展示できるのは、自国の資料だからでしょう。だから、ドイツがこういう展示をしていることにはやっぱり意味があると思います。
被害者の立場からであろうと、加害者の立場からであろうと、戦争に関する資料は大事な遺産だと思います。人間はいかに残酷になれるかということを思い起こさせてくれるから。
広い視点で見れば、自分の国の過去の汚点でも恥でもなく、人類全体の貴重な遺産なんじゃないでしょうか。だから、隠したりしないで、どんどん見せて行くべきではないかと思うのです。ドイツだけの話ではなく。
そんなことを考えながら展示を見ていました。


敷地の端です。監視塔がもっと大きく写るように撮れば良かった・・・(汗)映画やドキュメンタリーで見たそのままの塔が残っていました。
鉄条網はこんなものじゃなかったはずですが(汗)

敷地内では、管理棟に一番近い2棟のバラックだけが再現されて、後は壊されて更地になっていました。トップの写真がそのバラックです。

右側の棟は中に入れて、当時の寝台やトイレ、洗面所などが再現されていました。
この寝台、背が高い人は絶対足伸ばせなかったと思いますね・・・
トイレは仕切りなしで便器がずらっと並んでいました。洗面所は体もここで洗うようになっていて、大きな深い洗面台でした。これで体洗えって言われてもなあ、という感じでした・・・


バラックの真ん中のポプラ並木に囲まれた通り。結構広いです。


敷地の端の方から撮ってみました。

この敷地の、管理棟と反対の側を出て小川を渡った先に、火葬場とガス室があった建物が残っています。
敷地内にあるものだと思ってましたが、ちょっとはずれたところにあったんですね。

怖くて中は撮れなかった私・・・
建物の左端から、ガス室に入れられる人たが衣服を脱がされたスペース(余談ですがこの一角にトイレがある・・・うーん(汗)水が流れる音がするとビクッとしてしまいました(汗))、そのとなりに裸にされた人たちが待機させられた部屋、そしてその隣がガス室でした。
ところどころ穴が空いているだけの、灰色に塗られたがらんとした部屋でしたが・・・さすがにここは写真撮ってる人はいなかったな・・・(私が見た限りでは)
このガス室はあまり上手く動かなくて、死ななかった人も結構いたそうです。
その隣が遺体を積んであった部屋で、その隣が遺体を焼却する機械が置いてある部屋でした。煙突の真下にあたるところですね・・・
その隣が、収容所内で死亡した人の遺体を置いておいた部屋でした。皆この建物で火葬したのですね。

なんか震撼としてしまって、怖くなってしまった私でしたが、火葬部屋で記念写真を撮ってる人がいたのはびっくりしましたね~(汗)ドイツ人ではなさそうでしたが・・・
記念写真を撮ってた人たちに他意はないのかもしれませんが、ふと、ドイツ以外の国の人たちはどんな気持ちでここに来ていたのかな、なんてことを思いました。
他にも外で記念写真撮ってる人はたくさんいたし、中には家族連れでお弁当持ってきて敷地内で広げて食べてたインド人の家族もいました。
ちょっと話が逸れますが、TTT SEEのオーディオコメンタリーでピーター・ジャクソンが第二次世界大戦について言っていた言葉を思い出しました。
彼は、「正義のための戦争はある。第二次世界大戦がそうだった」と言っていたのですね。ナチスを倒すための正義の戦争だったと。
ニュージーランドではそういうことになってるのか、とちょっとびっくりしたものでした。
確かに、ニュージーランドからしたら遠い国での遠い出来事だったかもしれませんが・・・他の国でも似たようなものなのでしょうか。
強制収容所を見に来た外国の人たちにとって、ナチスはどんな存在だったのでしょう。「昔悪い人たちがいてこんなひどいことをしてたんだよ」というだけかな・・・
私は、ニュルンベルクでもダッハウでも、もしこの時代に自分がドイツ人だったら、ナチスに加担しないでいられたかどうか、自問せずにはいられませんでした。
答えは・・・自信ないです。逮捕されて処刑されるなんて恐怖がなかったとしても、周囲に白い目で見られたり、脅迫電話や手紙が送られてきたり、たったそれだけでも屈してしまいそうです。
そんな風に考えてしまうのが、果たして私が「敗戦国」の人間だからなのかどうかはわかりませんが・・・

今回、たまたまトーマス・マンやヘルマン・ヘッセなど、ナチスに国を追われた作家たちの足跡を辿ったりしたのですが、当時ドイツを追われた作家たちには、あの戦争は他の国の作家たちよりもはるかに大きな影響を与えていますね。
ヘッセもトーマス・マンも、戦後も祖国ドイツには戻らず、お墓はスイスにあるのですよね・・・。
同時代のほかの国の作家としてとりあえずトールキンやC.S.ルイスしか思い浮かばないのが情けないのですが(汗)年代的にはマンやヘッセよりも20年くらい若いにもかかわらず、トールキンやルイスの作品の方が古風で一元的な善悪論で書かれているのを見ると、ドイツ人として第二次大戦を経験したということがいかに大きな経験か、と思わされます。(トーマス・マンも上流階級の出身なので、初期の作品ではかなり保守的な考えが見られたのですが、だんだん変わっているんですね)
そんなことを考えると、戦争に負けた経験があるというのは、むしろ誇れることなのではないか、なんて思えたりもするのです。

百聞は一見に如かずと言いますが、やはり実物を見ることの衝撃というか印象度は、本を読んだり話を聞いたりするよりもはるかに強いな、と実感した、今回のナチス遺跡めぐりでした。
ニュルンベルクもダッハウも行くかどうか迷いましたが、行ってみて良かったです。貴重な体験ができました。
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