まさに秋晴れ、爽やかな風「来たぁ~~~秋~~~!!」そんな感じですか。よろしいですねぇ、私にとっては花粉症も出ない秋はまさに天国です。
『無用の長物』:(連語)[文]あっても役に立たない(大きな)もの。
(三省堂 国語辞典 第二版)
なんだ突然、ってですか?(笑)
じつは昨晩12時過ぎに帰宅すると、テーブルの上にこんな物がド~~ンと出ておりまして(本は別ですよ)
今朝になって母が
「○○(私です)これなんだかわがっか?」
母にとって、シェーカーもメジャー・カップもミキシング・グラス、ストレーナー、ロング・スプーン、ぜぇ~~んぶ接点のないものばかり、
「入れといた覚えないんだけど、サイドボードの中に入ってたんだよ。父ちゃんかなぁ?」
いえいえ、これは私が実家に帰ってきたときに捨てられることを恐れて、そっとそこへしまって置いたものなのであります。母もたまに気分で整理なんかを始めるもので、発見されてしまったのですね。
「まっいいから、しまっといてよ」
「どうせ使わないだから、捨てるか片付けるかしちゃえば」
たしかに私は、良く言えば「物持ちが良い」、悪く言えば「捨てられない男」。我が家の『無用の長物』は、ほぼ私の物でしめられているわけでして、
でもね、過去にも家人の言いつけで、増えすぎたぐい呑みを整理し、本も整理し、カセットだってMDだってVTRだって、整理してきたではありませんか。
「他人様には『無用の長物』でも、あ~た、私にとっちゃ、大切なものだってあるんですよってんだい。」
「何言ってんの、まだまだ必要ない物いっぱいあんだかんね、言ってやろうか、釣り竿でしょ、組み立てが終わってないプラモデルでしょ、音が出るんだかなんだか分かんないカセットデッキに、アンプに、スピーカー、MDデッキだって二台もあんのよ。本だってそのうち床が抜けるって、あと、そうそう、お茶箱に入ってるわけ分かんないもの、それから、電機部品だかなんだか知らないけど、道具箱いっぱい何か詰まってるし、あとはねぇ・・・・・」
「いい、分かった、それ以上はけっこうでございます。はいはい、整理はしますから、ともかく本日のところは、元の場所に戻しておいていただくということで・・・ね」
まったく、女性というのはどうしてこうもちっちゃな一つのことが、次から次へと大きな話へ拡がっていくのか・・・「あ~あ」
ところで、普段からカクテルなどまったく飲まない私が(オンザ・ロックをカクテルとするなら別ですが)何故にシェーカーやら何やらを持っているか?
じつは以前、サービス業の現場に従事していた時にカクテルの『カ』の字ぐらいは勉強してみようかなんてね。
えっ?今となっては何の役にも立っていないだろうって?
いえいえ、そんなこたぁありませんよ。
例えばですねぇ、最近重くなりすぎてまったく更新していませんが、私のHPの『酒話』に載せた話なんてぇのは、ほとんどその時に仕入れたものですし、二人ぐらいで飲みに行ったときの話題にも使えるじゃありませんか。
う~~ん、今じゃそんなのは通じもしませんけど、女性と始めてバーへ飲みに行った時なんかにね、
「俺は、バーボンのロックでいいけど、何かカクテルでも作ってもらえば」
「え~~でもカクテルなんて分かんないし・・・」
ここで、知ったかぶりして「じゃあ、○○作ってやって」なんて言っちゃダメですよ。
「だいたいこんな感じのがいいって言えば、マスターが合わせて作ってくれるって、そんでそれが気に入ったら名前を教えてもらって、次に誰かとバーに行ったときに「私、○○ね」って、いかにもなれてる風に注文すればいいジャン」なんてね
そして、乾杯。
「俺もさぁ、バーにはよく来るくせに、ほら、カクテルって飲まないジャン、だからよくわかんねぇんだよなぁ・・・・マスター、これはウォッカベース?」
(作るとこ見てれば何ベースかなんてじつはわかってんですけど、ジンだろうがウォッカだろうが、リキュールだろうが、何だっていいんですよ、ともかく「ウォッカベース?」って訊くんですねぇ。)
「あっ、これ、これは○○リキュールの入った××っていうカクテルだよ。ちょっと甘すぎた?」なんてふってくれれば御の字。
「あっちゃあ、やっぱ俺はカクテルはダメだわ、考えて見りゃ、マティーニぐらいしか知らねぇからなぁ、なんでもかんでもウォッカベースなんて言っちゃうんだな、「マティーニをくれるかい、シェイクでね」そればっかだもん」
彼女がジェームス・ボンドを知っている知らないなんてこたぁこれもどうでもいいんでして、
「あっ、マティーニ飲んだことある?」
飲んだことあっても、なくても、これもどちらでもいいんですよ、まっここでは無いことにしましょうか。
「飲んだことない、だって、そんなの出すお店行ったことなかったもん。」
「そうかぁ、じゃあねぇ、どっかでマティーニをもし飲むことがあったら」
「うん」
「一口飲んだ時にこう言うんだよ。「お砂糖入れてちょうだい、あっそれともっと大きなグラスにね」って」
「????????」
「その時に「そんな事しなくても、君はモンローより可愛いよ」って言う男がもしいたら、そいつぁなかなかの野郎だよ。・・・・・まっ、俺はそんなことしなくても君がどれほど可愛いか知ってるけどね」
く~~~~~!妄想がぁ~~~~~!!!!!
「ちょっと、妄想もいいけど、007の『ゴールド・フィンガー』と、マリリン・モンローの『七年目の浮気』を知らない人にはチンプンカンプンだし、そもそも、カクテルの『カ』の字を知ってる知らないに関係ない話ジャン、どんどん話が拡がっていくのは、女性じゃなくて、バブ、あんたの話でしょ!」
あれ?そうでした?
んっんっん、ともかく、
たしかに『無用の長物』は、その語源仏教用語のごとく、「多くを求めてその善心を壊すること勿れ」要らない物まで持つ事は煩悩の元とこそなれ、行の妨げとなることは、よく分かります。
だけど、他人様には『無用の長物』でも、こうして妄想のきっかけを作ってくれる、つまり、心の安らぎを誘う種と思えば、けして『無用の長物』では無くなるのでありますよ。
分かるかなぁ・・・・・・
「馬鹿なこと言ってないで、いらない物は早いとこなんとかしなさい!」
「ふぁ~~~い」
さて、今日の一枚は、モーリス・ナントンです。
彼にご出演いただくのはこれで2度目?ともかく、名前も忘れてしまわれそうなナントン(なんと)もマイナーなピアニストではあります。
大きな特徴もなく、強烈に耳に残るピアニストでは無いのでそれも仕方のないことかも知れませんが、彼もまた『無用の長物』とかたづけるには、ちともったいない気がするピアニストでもあります。
彼のアルバムは、プレスティッジに以前紹介した「PREFACE」と今日のメンバーによるもう一枚「SOUL FINGERS」という3枚、他にワーナー・ブラザースに「THE FIRST JAZZ PIANO QUARTET」(ピアノ4台とベース・ドラムスという編成のアルバム)を含む3枚、この6枚だけかと思います。
べつに体調を崩した等々、やむを得ずの少数アルバムということではなかったようですから、日本だけでなく本国でもその程度のピアニストであったということでしょう。
なんだか否定的なことばかり並べましたが、私にとっては「サラッと聴くのにはじつに良いピアニスト」、つまり可もなく不可もないといった存在です。
「いの一番に聴くべし!」とは口が裂けても言えないナントン、何処かで出会ったらそれなりに聴いてみて下さい、悪い気は起きないピアニストだとは思いますよ。
それにしても、ピンクのシャツはいかがなものかなぁ(笑)
SOMETHING WE'VE GOT / MORRIS NANTON TRIO
1965年6月13,15日録音
MORRIS NANTON(p) NORMAN EDGE(b) AL BELDINI(ds)
1.SOMETHING WE'VE GOT
2.ANY NUMBER CAN WIN
3.THE MASQUERADE IS OVER
4.MOOD INDIGO
5.MY MAN'S GONE NOW
6.TABOO