JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

血筋は争えず?

2008年09月15日 | a-c

昨日は十五夜、仲秋の名月。きっかりの満月は今日だそうですが、いずれにしろ名月は拝めもそうもない空模様です。

一昨日の晩、Mさんのお店でアルバイトをしている中国人留学生Yさんが、
「バブさん、明日はお月見ですか?」
と訊いてきました。そうでした、十五夜、仲秋の名月はは中国発祥の行事でありましたね。「中国じゃ月餅食べんだろ?」
「そうです、お団子は食べません。(笑)・・・でも、私はお団子の方が好きです。月餅は年に一回だけ、『中秋節』(中国ではこう呼ぶんですが)のときだけです。」
あはははは、私なんか、十五夜にさえ甘いお団子なんて食べやしませんけどね。

そうそう、そのMさんの店でも月見団子を売っておりましたが、昔、絵本なんかで見た月見団子とは様相が違いますよね。つまり食べることを優先した結果なのでしょうけど。
真ん丸の団子15個を三方にこんもりと盛ったあのお団子「いったいどんな味がするんだろ」なんて子供心に思ったものです。
この団子の数と真ん丸ってとこに大きな意味があるわけでして、15という数字がまとまった数『丸い』という意味を成すからなのだそうですよ。

萩 尾花、葛 女郎花、藤袴、桔梗 撫子

春の七草が食する物なら、団子に添える秋の七草は愛でる物。七五調にまとまっているのも、数合わせなんでしょうね。

収穫を神に感謝する、食糧自給率が40%を切ろうかという現代ではあまりピンと来る行事ではないのかもしれません。
昔は、子供たちが五寸釘を竹に付けて、垣根越しに月見団子を盗んでも罪にはならなかったんだそうで「こうして美味し物をみんなで味わえるのも、秋の収穫があればこそなんだよ」と、行事の中で教えていたのでありましょう。

今、世の中を騒がせている『事故米混入事件』や、何度となく繰り返される『食品偽装問題』、今こそ食の重要性、食の確保の難しさ、そういったものをあらためて子供たちに教えていかなければいけない時期なのかもしれませんね。

ところで、今年の我が家の十五夜はじつににぎやかになりました。というのは「お盆に墓参りに行けなかったから」と姉夫婦が泊まりに来ましてね、さらにもう成人を過ぎた二人の甥っ子もこれに同伴するということで「そりゃもう大騒ぎさ」だったのであります。

秋刀魚とイカとサザエの刺身、レバニラ炒めに里芋の煮付け、それからいも餅と、なんともメチャクャな組み合わせの料理で、飲むは飲むは、ビール1ケースと久保田の千寿、あげくは私のウイスキーまで・・・・全て無くなってしまいました。(笑)
特に姉は、我が姉弟ながら呆れる飲みっぷり。「まったくしょうがない」って、私には言われたくないでしょうけど、敬老の日の前夜というに、母のため息が聞こえそうでした。まっこれも『家系、血筋』ってやつですから、母も言えた事じゃないか。(笑)
ともかく、今晩の酒を仕入れてこなくっちゃ・・・・・(今日も飲むんかい!)

さて、今日の一枚は、久しぶりのクリフォード・ブラウンです。邦題は『キャラバン』A,B面ともに一曲のみという、長尺ジャム・セッションです。
以前紹介した「BEST COAST JAZZ」と同一メンバー、同日録音となる一枚で、東西の雄が一堂に会した的アルバムではありますが、急ごしらえの無茶苦茶さが全くなく、じつに心地よいアルバムだと思います。
特に私はB面「AUTUMN IN NEW YORK」が好きで、ブラウニーのソロはもちろん、ケニー・ドリューのソロ部分がたまらないのですねぇ
もちろん、ジョー・マイニ、ウォルター・ベントンも良いし、マックス・ローチは言うまでもありません。

ブラウニーをドド~ンと前面に押し出したアルバムではけしてありませんから、純粋なブラウニー・ファンには物足りなさがあるかもしれませんが、私は大好きな一枚です。

CLIFFORD BROWN ALL STARS
1954年8月11日録音
CLIFFORD BROWN(tp) HERB GELLER, JOE MAINI JR.(as) WALTER BENTON(ts) KENNY DREW(p) CURTIS COUNCE(b) MAX ROACH(ds)

1.CARAVAN
2.AUTUMN IN NEW YORK

おまけ、

余談ですが、クリフォード・ブラウンといえばエマーシー、エマーシーといえばクリフォード・ブラウンいった感のある「EmArcy」。
マーキュリーのジャズ専門レーベルとしてスタートしたエマーシーは、シャレで名前が付いたということをご存じでしょうか?
「Mercury Record Coorporation」のイニシャル「MRC」をそのまま発音すると「エム、アール、シー」つまり「エマーシー」という。
まぁなんともいいかげんなネーミングでありますよね。(笑)