JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

さすがにもういいや

2008年09月19日 | d-f



秋刀魚と書いてさんまと読むようになったのは大正の頃より。
魚体が狭く長いことから 直魚(せまな)が変化してさんまになった。

毎年この季節になるとついつい秋刀魚の話題を取り上げてしまう私、しかたありません、だって否応なしに秋刀魚の顔を見る機会が一気に増えてしまうのですから。
「調理方法に工夫を凝らし、あれやこれやと目先を変える、そうでもしなけりゃ顔を見るのも嫌になる」
たしか、昨年だったでしょうか「秋刀魚は安くて旨いんだから、工夫してどんどん食べましょうよ」てなことをここでも書いた覚えがあります。
し・か・し、日曜日に刺身を食べ、昨晩は煮つけ、考えてみれば先週も2回は秋刀魚を食べてるんじゃないかって状態になると、これはもう調理法だの工夫だのって問題じゃなくなりますね。(笑)
「しかたないでしょ、今、秋刀魚は一本70円しないんだよ。あんたの稼ぎで食べられるのも、ある意味秋刀魚様のおかげなんだからね」
はいはい、漁師が泣いている姿がちと気にはなりますけど。

秋刀魚の偉いところは、そう例えば「どんな高級魚だってこれだけ続いたら、秋刀魚以上に飽きることになるんじゃないか」と思わせるほど、安くて味が良いというところですよね。
まぁ、これは「女房にもさも似たり」的発想ではありますが、毎日目の前にアンジェリーナ・ジョリーが立ってるなんてぇことはあり得ないし、もしも立っていたとしてもどう扱って良いものやら分からなくなってしまうみたいな・・・・・いやいや、もちろん旦那にも言えるわけですけど。
でもね、女房だって旦那だって、いかに鼻につくほど顔つき合わせても、やっぱり味は忘れない、ほんと秋刀魚のようなものだとは、みなさんもそう思うでしょ?(笑)

「秋刀魚ごときあぶらの強い魚をお食べになっては、殿の体に触ります。」
てんで、皮を剥ぎ、内臓はもとより、小骨までもご丁寧にとっちゃって、さらにこれを蒸し、脂抜きして裏ごしし、団子に丸めて吸い物に
「殿、ご所望の秋刀魚にございます。」
「なっなんと、これが秋刀魚か?!」
と殿はガッカリ。
「この秋刀魚はいずれからのものじゃ?」
「はは、日本橋の魚河岸より取り寄せましたもので」
「ああ~それがいかんのじゃ、やっぱり秋刀魚は目黒に限る」

ご存じ落語『目黒のさんま』の落ちでありますが、今年も私が秋刀魚刺しを食べた日曜日、14日に、「目黒さんま祭」が行われたとのこと、1トン、5千匹の秋刀魚の塩焼きが無料で振る舞われたそうです。(ちなみに気仙沼で水揚げされた秋刀魚)
仕掛け人は落語好きの看板業者、松井敏郎さん。運営参加者はボランティアどころか、一人3千円の出資までして行われているイベントなんだとか、まさに洒落の分かる人達なのですね。

そういえば、脂ののりすぎた魚は昔は敬遠され、戻り秋刀魚なんざぁ下魚の代表みたいなものだったんでしょ、鮪のトロだって捨ててたってくらいですもんね。
それがあ~た、今じゃ鮪に続けとばかり、ほとんど口にしなかった欧米人にまでも売れ始めているっていいますから、
「おい、今年の秋刀魚は一本千円だってよ、一本70円以下なんてぇあの頃が懐かしいなぁ・・・・・・あ~あ、たまには秋刀魚をたらふく喰いてぇ」
なんて日が来るやもしれません。
くわばらくわばら、飽きたなんて文句を言ってる場合じゃないかもしれませんね。
でも、
「さすがに今週は、秋刀魚はもういいなぁ」(笑)

さて、今日の一枚は、フランク・フォスターです。
フォスターというと、ベイシー楽団の人気者といった印象が強いプレイヤーではありますが、私にはエルビン・ジョーンズ・カルテットでの彼が印象に残ります(「HEAVY SOUNDS」あたり)。残念ながら一年違いでサド・メルでの彼を生で聴くことは出来ませんでしたしね。
なかにはテナー・プレーヤーより「SHINY STOCKINGS」を始めとする作編曲者としてのイメージが強いという方も多いかもしれませんね。

今日の一枚は、ベイシー楽団にいながらバップの良さを充分に消化している、そんなプレヤーとしての彼を楽しめる一枚だと思いますし、作編曲者としての彼の才能も、バランスの取れたアルバムを作り上げているという点で、よく分かる一枚ではないでしょうか。
目立たない一枚ですが、面子から敬遠してはもったいないアルバムだと私は思います。
本日はCDでの紹介です。

FEARLESS / FRANK FOSTER
1965年12月2日録音
FRANK FOSTER(ts) VIRGIL JONES(tp) ALBERT DAILEY(p) BOB CUNNINGHAM(b) ALAN DAWSON(ds)

1.RAUNCHY RITA
2.JANIE HUK
3.THINGAROO
4.BABY ANN
5.JITTERBUG WALTZ
6.DISAPPROACHMENT

おまけ、
なんと太田農水大臣が辞任だそうで、どっちにしてもあと一週間ほどで新内閣が発足かという時期に、やっぱり一週間で総理をお辞めになる方に辞表を提出とは、落語にもないような笑い話で、ヘソが茶を沸かすとはまさにこのことと思うのは私だけでしょうか?
今朝ほどの総裁候補のお話など聞くに、補正予算を話し合うふりをしてからの解散が妥当というお考えの方がほとんどのようで、そんな中、『事故米問題』だけでなく、『事務所問題』も抱える大臣が邪魔になったということなんでしょうかねぇ?
いずれにしても、彼らに見えているのは選挙だけ、不幸なのは我々庶民ですか?