はんなり、万華鏡

京都を中心とした旅行記や文化についてあれこれ。

だんだん感想

2008-12-06 15:29:43 | 花街関連テレビ映画
ありえない。
夢花さんが襟替え10日前にして芸妓になるのやめます発言。

もう、襟替えの日に着る黒紋付きなどの新たな門出の為に用意された品々が並ぶ部屋で、置屋のおかあさん、実母で姉芸妓の花雪、祖父、姉妹の盃を交わした芸妓の花鶴と舞妓の花香、そして実の双子の姉妹であるめぐみの前で、赤ちゃんの頃に一緒に寝ていためぐみが舞妓で自分が高校生だったかもしれない、赤ちゃんから人生やり直したい、父親のボクシングの試合を見てついにキレて全ての心情を吐き出した夢花。
彼女の辛さが理解出来なくはない。
もしもあの時…、あの時こうしていたら…
自分の人生に不満や後悔がある人にとっては悔やみきれない事があると思うし、自分の意思に関係なく祇園町の子として育ったのぞみ(夢花)。
舞妓になったのは自分の意思があったとしても、舞妓になる為にレールが引かれていた訳だから、自分の不幸の原因は芸妓の母親に引き取られた事だ、という風に考えているように私には思えてしまいました。
自分は舞妓では無くなったので、花雪を母と呼ばせて貰うというのぞみ。
この時のぞみには、改めて母と呼べても母を慕う感じもまったくしなかった。
「のぞみ」ではなく「夢花」としての人生を与えた母親には相当わだかまりがあるのでしょうか。
花街の姉妹の縁が切れ、舞妓の店出しをした時に切れた親子の縁も切れたままだという花雪。
事実上の勘当なんでしょう。
いくら大人の事情で与えられた人生の辛さからキレたとしても、いくらまだ10代でも、大勢の人々へ多大な迷惑をかけるこの行動には、芸妓として、一人の舞妓の母親としても娘を勘当せざるを得ないのも解りはします。
家業を継がずに勘当された忠さんの姿と重なります。
置屋から出ていくのぞみに背を向けたままの花雪。
花雪さんも気の毒な女性であります。
花雪さんを未練がましいとか自分勝手、という評価がかなり見受けられます。
「妻」の立場からしたらとても嫌な女性に思えてしまうのかしら。
花雪さん自身はおっとりとした、むしろ可愛げのある女性に思えるけど、芸妓という立場には既婚女性が反感を持ちやすいのがあると思います。
花雪さんは別にお妾さんでもなく先妻ですが、なんかこう、花雪さんに対していやらしく思われてしまうのは可哀想に思います。
めぐみの育ての母親の嘉子さんには評価が高いようですが、再びボクシングをするという忠さんに対して、のぞみの為なのか!自分が大切なのは自分の家族だ!という台詞と、芸妓になるのやめます発言の後、のぞみの事を伝えるために電話した花雪さんにたいして、何の用だ、夫は疲れているから!という嘉子さんに女の生臭さが感じてしまいます。
のぞみはやっぱり家族じゃないし、自分が可愛がってきためぐみの双子の姉妹でも、恋敵の片割れのように思っているように感じました。
私は成就しなかった愛への未練より、後妻から先妻への嫉妬と、自分以外の女が産んだ子への嫉妬の方が湿っぽくて駄目だわ(汗)


夢花が芸妓になるのやめます発言の時、置屋のおかあさん、花雪さん、お祖父さんは怒ります。
置屋のおかあさんは、そんな半端な気持ちで芸妓になるのは迷惑やと受け入れますが、あれはもう突き放してしまったのでしょうね。
お祖父さんなどは置屋にどれだけの金銭的損害を与えるかという事、そして花街からお客様からの信頼を台無しにし、えらい恥をかかす、と。
襟替えの10日前という事は、襟替えの準備もあるので舞妓姿はあと8日位で、舞妓の最後の髪型である先笄を結い、黒紋付きを着て黒髪を舞う。
この間の舞妓さんは襟替えのご挨拶周りや、舞妓姿を惜しみ襟替えのお祝いをするお客様のお座敷を沢山周り、非常に忙しいのです。
生臭い話ですが、ご祝儀も増えるしこの時期は舞妓として最も稼ぐ時期でもあるんです。
突然襟替えをやめ、舞妓もやめて、翌日から襟替えを挟んでお座敷がたくさん掛かっているはず。
その全ての予約をキャンセルするのは、どれだけ手間が掛かって恥をかかせ、沢山の人に迷惑をかけがっかりさせるか。
電話一本ですむわけではないので、置屋のおかあさんと姉芸妓が出向いて顔もあげられない状態でお詫びすることになるでしょう。
そして2月後半のお話ですから、4月1日から始まる都をどりの番組も配役も決まり、お稽古も始まるという頃。
もう、都をどりの番組が関係各所に配られ、芸妓「夢花」としての舞台を見る為に都をどりの切符を買ってくださったご贔屓さんもいるという時期。
この時期にやめるなんて、本当にありえません。
いくらドラマでも凄い展開です。
祇園を飛び出すとはNHKのサイトにはもともと書いてありましたが、まさかこの時期に辞めるとは。
双子が歌手として人気絶頂期にやめて、のぞみは祇園に戻るとサイトにはあるんですが、まさかのぞみは芸妓として祇園に戻るなら、これはまた凄い展開ですね。


仕込みさんの美香ちゃんが通常より長い仕込み期間(汗)で舞妓さんデビューを果たしました。
予想したよりは可愛い舞妓姿。
今週の放送を見て思いましたが、美香ちゃん改め花香さんの衣装、夢花さんより安っぽい…
今日の放送で着ていた濃い目のピンク?の二つ綿の衣装は、まるで変身舞妓で良くあるような廉価な作りに見えました。
夢花さんの衣装は素敵で本物の舞妓の衣装に見劣りしない物なのに。
居間で着ていた普段着は紅型で良さげな物だったけど。
やっぱり主役よりは目立っちゃいけないから?
お店出しの衣装も夢花さんの方が派手だでした。
そういえば普段着の時にも、夢花さんは襟替え間近の姉さんなのにまだ赤い花櫛に赤いおふく掛け。
出たてさんの花香さんは薄いピンク?白?の無地で地味めな花櫛。
櫛の色は普通逆でしょう。舞妓の装いのルールとしては。
髷につけるおふく掛けも、襟替え間近から水色とかが普通なのに、以前別の記事にも書きましたが、衣装についてはやっぱり主役だしより派手めで可愛らしくしているのでしょうね。


当分あまり楽しくなさそうな展開のようですから、感想を書くのはしばらくないかもです。