はんなり、万華鏡

京都を中心とした旅行記や文化についてあれこれ。

お正月の花簪について

2009-01-23 12:35:53 | 

ここ数年年末に日本髪を結ってお正月を過ごしています。
お正月には新しいデザインの花簪を挿したいので、毎年デザインが変わるお正月の花簪のミニチュア、豆かんを購入しています。
お正月の花簪については過去に他の記事でも触れていますが、花簪を並べて写真を撮ってみたので改めてアップしました。

お正月の花簪は一体毎年誰がデザインを考えているのだろうかと気になっています。
京都の舞妓さんは基本的にはお正月にはその年のデザインの花簪を挿すらしいです。(一部の花街では置屋ごとにバラバラの簪を挿していたり、みなとは違う簪を挿したいなど過去のデザインの花簪を挿す舞妓さんもいるそうです)

画像の左から、平成19年、20年、21年のデザインとなります。
平成19年度のお正月の花簪は梅と寒菊と羽子板、平成20年度は松竹と寒菊、平成21年度は寒菊と竹と松葉となるようです。
この簪は舞妓さんがお座敷で挿す大かんより小さめに作られている関係で、お花とかの飾りが一種類少なくなっているなど若干雰囲気は変わりますが基本的なデザインは一緒です。
平成20年の簪だと、私が持っている豆かんは松と寒菊のみの飾りしかついていませんが、松ではなく竹と寒菊のもあって、どちらを買うか悩みました(^_^;)

さて、お正月の花簪ですが、舞妓さんの写真集や花街関連の書籍等では「お正月」と表記されている場合と「松竹梅」と表記されている場合とがあります。
お正月の花簪が必ずしも松竹梅ではないのですよね。
毎年デザインが変わっていますし、昔の本などを見ても松竹梅以外のデザインの写真を良く見掛けます。
「松竹梅」という表記はおめでたいものの代名詞的に使われているのかもしれません。
もちろん松竹梅もあるのでしょうが、松、竹、梅、寒菊、羽子板、鶴、松葉、折り鶴、糸車など、おめでたいモチーフを組み合わされていて、また、同じモチーフでも色合いや若干デザインを変えたり…
松も青々としリアルな感じの松葉だったり、摘み細工で柔らかな感じだったり、鶴も白の摘み細工だったり銀の細工だったり…
ここ最近は寒菊のモチーフは良く使われていますが、同じ寒菊でも花びらの形からして変えています。奥深いです!

 祇園祭の簪も、八坂神社の氏子である祇園甲部、先斗町、宮川町、祇園東の舞妓さん達は毎年デザインの変わる簪を一律で挿しています。(やはり好みで過去のデザインの簪を挿す舞妓さんもいます)
簪を作る職人さんも大変ですね。

余談ですが、上七軒は北野天満宮の氏子であるため、舞妓さん達は他の四花街の舞妓さんのように勝山髷を結うなどの祇園祭仕様の拵えは基本的にはしないと聞きましたが、近頃は所属する置屋さんによっては四花街の舞妓さんと同じように勝山髷を結ったり祇園祭仕様の拵えをするとかしないとか…

祇園祭の花簪は、銀色の飾りの土台に団扇や扇、桔梗の花や蝶々、渦巻きや露芝など、涼しげで可愛らしいモチーフが使われています。
これも毎年一体誰が決めるんでしょうねぇ。
簪屋さんや職人さんが相談しあって決めるのでしょうか。
お正月の花簪も、祇園祭の花簪も、どんなデザインになるのか毎年楽しみです。
毎年新しいデザインの簪を購入するのは良いのですが、簪のコレクションも増えて来たのでそろそろ収納する場所が心配になって来ました(^_^;) なんとなく色褪せしてきている気もしています…
また新しいお正月の花簪を購入したら画像を追加していこうと思います。

  


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12 コメント

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お正月の花簪について (フランシスカ)
2009-01-23 15:03:29
初めまして。フランシスカと申します。
いつも楽しく、興味津々で拝見させていただいています。
私も、京都旅行の時やお正月には日本髪を結っているのですが、花簪はどこで御求めになっていますか?また、その時期の簪しか置いてないものでしょうか?北海道在住のため、なかなか京都に行けなくて…
初めてなのに質問ばかりですみません。
お時間があったら教えていただければと思います。
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フランシスカさま (管理人萩野)
2009-01-24 18:38:13
はじめまして。コメントありがとうございます(^-^)/
フランシスカさんも日本髪をお結いになられるのですね。
お正月は地元でお結いになるのでしょうか?
日本髪を結える美容室は限られますから本当に貴重ですよね。

花簪ですが、私は祇園の幾岡屋さんか金竹堂さんで購入する事が多いです。
どのお店も季節に関係なく種類を取りそろえていますよ。
ですが多分、季節の簪はその時期にだけ作っているようですので、過ぎた季節の物や先すぎる季節の物は、おそらく過去に作られた物だと思います。
先の季節の物などで店頭にない物を作っていただく事は可能なようですけど、材料や職人さんの事情などがあるからなのか、過ぎた季節の物だとお願い出来ない事はあるようです。
お店によっては電話で注文しておいて、簪が出来たら宅急便で代引き、というのもしています。
私はこのお正月は京都に行かなかったので送っていただき、大晦日に無事お正月の花簪を受け取りました(*^_^*)
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ありがとうございます (フランシスカ)
2009-01-26 08:59:49
コメントありがとうございました。
お正月は地元で日本髪を結いました。地元でも日本髪を結える方が、たった一人しかいらっしゃらないので本当に貴重です。

ちなみに萩野さんがご購入されているお正月などの花簪はおいくらするのですか?
いつもはお祭りなどを避けて京都に行っていたのですが、今年は思い切って祇園祭に行ってみようと思っています。その時に、購入・注文してみようと思いまして…
失礼とは思いますが、教えていただければ嬉しいです。
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フランシスカさま (管理人萩野)
2009-01-26 12:36:37
コメントありがとうございます。
お住まいの地域に日本髪を結える方がいらっしゃるのですね。素晴らしいです。
北海道だと江戸風の結い方になるのでしょうか?

私が購入している花簪は、豆かんと言って一番小さな大きさの物になり、お値段は種類にもよりますが3500円前後です。
一回り大きな物は7000円前後、舞妓さんがお座敷で挿す大かんは1万5000円ほどです。
幾岡屋さんが在庫を一番取り揃えていると思いますので、お正月の花簪を見たいと申し出られれば色々出して貰えますよ。
花簪の他に花櫛や塗りの櫛なども置いていますから、色やデザインを合わせて買うのも良いですよね(^_^)
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萩野さま (フランシスカ)
2009-01-27 09:35:03
コメントありがとうございます。
地元で結っていただく方は、美容学校の先生もしておられて、普段は鬘の結い上げや婚礼が主だそうです。
去年のお正月に「娘島田」に結った時は江戸風でしたが…
今年は京都旅行帰りの私(「おしどり」に結ってそのまま帰宅)を見て、NHKの「だんだん」に影響された等があったようで京風も結って頂けるようになりました。そのおかげで、今年のお正月は「京風菊重ね」が叶いました。

いつもは暑い時期・混雑時期を外して京都に行っていましたが、今年は思い切って7月の祇園祭の行ってみようと思います。去年、幾岡屋さんに行った時は薄いピンクの摘みの花櫛を購入しました。もうそろそろピンクという年齢でもないのですが、日本髪の時は特別です。花簪も手が届きそうですので、お願いして見せて頂こうと思います。

教えていただきありがとうございました。
これからも宜しくお願いします。
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お久しぶりです (おぐ)
2009-01-27 11:04:04
萩野さん、お久しぶりです。と言っても、いつも楽しく読ませていただいてます(^-^;


私もお正月に某本格派変身店で変身し、お正月の装いをさせていただきました!稲穂の簪に干支差しなど憧れだったので、大満足でした。

で、やはりお正月の簪が可愛かったので私も幾岡屋さんで簪を購入しました!萩野さんのと色違いで、笹が緑色のものです。羽子板がついたものにも惹かれましたが、やはりこちらにしました。
毎年デザインが変わるんですね。ホントに勉強になります。
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フランシスカさま (管理人萩野)
2009-01-29 00:00:18
熟練の美容師さんなのですね。
私が今回お願いした美容室でも地毛で島田に結われるお嫁さんが増えたそうで、もっと増えて欲しいなと思っています。菊重ね、きっと素敵だったでしょうね(^_^)
お友達は東京の美容室で日本髪を結われましたけど、彼女も京風の髷にしていただいたそうです。
鬢などは江戸風な感じでしたが。
祇園祭は人で込み合いますが、賑やかでなんともいえない華やいだ雰囲気で楽しいですよ。
ご堪能ください(^O^)/
気が向くままの更新ですがまたいらしてくださいね。
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おぐさま (管理人萩野)
2009-01-29 08:49:33
こちらこそ、ご無沙汰しております!お正月に変身なさったのですね。
素晴らしいお姿になられたのでしょうね(^O^)
私は来週に変身の予定でしたが、仕事と習い事のお稽古の習い始めの日に重なったため泣く泣くキャンセルです(T_T)
お正月の花簪、緑の方なら大きい舞妓さん向けのでしょうか?今年は大きい舞妓さん向けのも小さい舞妓さん向けのもお花の色がどちらもピンクと白でお揃いでした。

お正月の花簪は、梅や寒菊などのお花がメインの場合、お花の色が例年だと小さい舞妓さん向けのは赤と白になるのが多いみたいですよ。
今回は同じピンクと白でも、多分小さい舞妓さん向けの方がピンク色の割合を高くはしているのではないかと思います。
細かい所に芸が細かいので、本当に毎年楽しみですね(^O^)
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舞妓さんに変身と、その他 (瑠梨)
2009-02-11 22:08:46
初めまして、こんばんは。
舞妓さんに変身したいと思ってます。

紅先笄さんと華陽さんで迷ってます…。
他にも、お勧めがあれば教えて下さい。

ちなみに、希望は…仕上がりが自然で、舞妓はんのお着物・簪(かんざし)・帯・御化粧・がいいのですが…。
髪が腰まであるので、地毛結いで、結って頂こうと思ってます。
散策もしたいです。

宜しくお願いします。

他にも、京都でどこに行けばいいのか、
知らなさすぎるので…困ってしまって。

お詳しそうな感じがしたので、いろいろ聞いてしまってすみません。。
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瑠梨さま (管理人萩野)
2009-02-13 02:54:53
はじめまして。コメントをありがとうございますm(_ _)m

舞妓変身のお店選びとのことですが、衣装や簪、お化粧が「本物」で地毛結いと散策が出来るお店ですと「紅先笄」さんと「ペンション祇園」さんですね。
ペンション祇園さんは素晴らしいお着物があり、元置屋さんの建物という雰囲気が素敵です。
地毛結いの代金や衣装のランクアップなど基本プラン以外にオプションの料金がかかる事も多く、本式の日本髪を結う場合は美容室に行く必要があります。
また華陽さんは地毛結いもお店で出来ますしいろいろな所に散策に行けますが、装は本物に近いクオリティの物はありますが完全に本物ではありません。
瑠梨さまご希望から総合的に考えると紅先笄さんがお値段的には一番お得かなと思います。
他にも「ほんまもん」が出来るお店はありますが、地毛結いの代金などで案外割高になる場合があります。
ただし紅先笄さんは散策はお店から巽橋の付近までになりますのど、有名な神社やお寺など、もっと長時間散策されたい場合などは華陽さんがご希望に合うかもしれません。

髪が腰まで長くていらっしゃるとのことですが、京風の日本髪は地毛の長さをあまり必要としません。
予約時に髪を少し切って頂くようアドバイスされる可能性があります。
私は腰近くまでの長さだった時、これ以上長いと結えないと言われました(^_^;)

京都観光ですが、季節の花や催しをチェックなさってみては如何でしょう?
京都はいつ行っても素晴らしいですが、その時期だけの楽しみというのもありますよ。
観光バスに乗ってバスガイドさんの案内を受けながら、金閣寺や平安神宮などベタな観光をするのも楽しいと思います。
少しでも瑠梨さまのお役に立てれば幸いです。
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