はんなり、万華鏡

京都を中心とした旅行記や文化についてあれこれ。

漫画における舞妓の世界

2008-09-16 20:03:19 | 京都・本

私はかなりの漫画好き。うちには売るほどの漫画や小説があります。
漫画でも私が好きな舞妓さんの世界を描いているものがあります。
私が今まで読んだことのある、舞妓さんを取り扱った漫画をさらっとご紹介しようと思います。

紅匂ふ 3 (3) (Be・Loveコミックス)
大和 和紀
講談社

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まずあげるのは大和和紀さんの「紅匂ふ」です。
「はいからさんが通る」や「あさきゆめみし」で知られる少女漫画家の大ベテランさんが描いた、祇園の元芸妓さんの自伝本を原案にした漫画です。
昨年はその自伝本を原作にしたドラマが放送され、このブログにも感想を書いています。詳しくは
大ベテランさんが描くだけあって画力が素晴らしく舞妓さんの着物や日本髪、簪が美しく可愛らしく描かれています。
ストーリーは原作にほぼ沿ったものですが大和さんらしいコメディな雰囲気もあり、花街や舞妓さんの世界を知るには読みやすい作品だと思います。
主人公は原案の元芸妓さんとは違った将来を歩むことになりましたが、これはこれでハッピーエンドで完成度の高い作品だと思います。

まんがグリム童話 (舞妓の恋)
安藤 なつ
ぶんか社

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次にあげるのは安藤なつさんの「舞妓の恋」です。
ベテラン漫画家さんが描く様々な舞妓さんの恋物語です。
現代が舞台ではなく、戦前の昔の京都の花街を描いたお話が多いです。
レディースコミックでの掲載が主ですが、際どい性描写もなく、舞妓さんや芸妓さんの切ない恋のお話が多いです。
時代背景もありますが、ストーリー的にもこの記事で紹介している、明るいタッチの他の作品とは一線を画す作品だと思います。
切ないストーリー、私の好きな作品の一つです。
京都の花街に大変造詣が深いようで、実際にお茶屋の女将さんや舞妓さん達とも交流があるらしく、安藤なつさんのイラストのいくつかは祇園のお茶屋さんに飾ってあるそうです。
私が時々コーヒーを飲みに行く祇園の喫茶店にも、安藤なつさんが描かれた先姿の舞妓さんの絵が飾ってあります。

今昔時代語り 2 (2) (プリンセスコミックス)
河村 恵利
秋田書店

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河村恵利さんの「今昔時代語り」は江戸時代~昭和初期の京都・大阪を舞台にした不思議で心優しい物語で、いくつか舞妓さんのお話があります。
日本髪を満足に描けない漫画家さんが多い中で、江戸時代の京阪の女性達の髪形や衣装、風俗がきちんと描かれていて、作者のこだわりを感じます。

玄椿 9 (9) (花とゆめCOMICS)
河惣 益巳
白泉社

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河惣益巳さんの「玄椿」は天才的な舞の名手である芸妓さんが主人公の作品ですが、この作家さんの作品は独特だから好き嫌いがかなりあるかもしれません。
内容も性描写とオカルト要素が多いですし。
身長170センチを超える女子高生の舞妓志願という今時の話や、節分のお化け、都をどり、温習会、顔見世、おことうさんなど花街の様々な行事を作中に盛り込んでいたり季節感のある作品だと思います。


原作・山村美紗さん、作画・浦川まさる&佳弥さんの「舞妓殺人事件」です。
「舞妓さんは名探偵!」シリーズの漫画版です。
作画の浦川まさるさんの漫画は私が子供の頃に読んでいたのですよね~。
お姉さんの佳弥さんとのペアで最近はレディースコミックなどで描かれているようです。
他にも何本か作品がありますが、残念ながら単行本化されていないようです。
山村美紗物の漫画ばかり載せた雑誌になどに掲載されていたと思います。
祇園の人気舞妓小菊と馴染み客で画家の沢木の二人が解決するミステリー小説を原作にしています。
舞妓小菊がとても可愛らしいのですよね。山村さん自身も祇園のお茶屋さんに上がって芸妓さんや舞妓さんを良く呼ばれていたそうで、当時の花柳界の空気が良く分かる作品だと思います。
絵柄も可愛らしいけどどこか色気のある感じです。ぜひ単行本化してほしいです。

倉科遼さん・作、和気一作さん・画の「女帝花舞」は青年誌で連載され、ハードな性描写がかなりある為女性が読むにはちょっと二の足を踏む作品ですが、人気絶頂の芸妓である主人公が最後に選んだのは自分をずっと好きでいてくれた同級生の男性と、確執のあった母親との暖かい家庭であった、という意外な結末を迎え、中々面白い作品だったと思います。
余談ですが、私が京都で日本髪を結う時にお世話になった祇園の美容室にこの漫画が全巻置いてたのは笑えました

倉科遼さん・作、月島薫さん・画の「華なりと」は「女帝花舞」と同じ方が原作で、こちらも青年誌での掲載でして、やはり女性には手を出しにくい作品ですが、絵柄的にも内容的にもそれほどどぎつくないと思います。
お転婆なサッカー少女が修学旅行先の京都で初めて舞妓という存在を知り、父の突然の死によって実家からの独立を志し、舞妓になろうと一人京都へやってきて、様々な人との出会いで一人前に舞妓にになっていくという成長物語なんですが、舞のお稽古の描写など、かなりスポ根テイストな作品になっています。
内容や舞妓の装いなど、最初は突っ込み所が多い漫画だと思っていましたが、祇園甲部の舞の流派である井上流についてもそれなりに取材されているようですし、舞の「心」やおもてなしの「心」など、芸妓さんや舞妓さんには外せないテーマをしっかり取り上げていたと思います。
ただ、人気がなかったようで打切りになってしまったらしく、盛り上がってきた所で中途半端に終わってしまいました。

GEI-SYA-お座敷で逢えたら 1 (1) (フラワーコミックス)
秋里 和国
小学館

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最後は秋里和国さんの「GEI-SYA-お座敷で逢えたら」です。
こちらは舞妓さんではなく東京浅草の芸者さん、半玉さん(芸者さんの見習いで京都でいえば舞妓さん)のお話です。今まで舞妓さんを取り上げる漫画はあっても、芸者さんを取り上げる漫画はあまりありませんでした。
偶然出会った半玉さんに憧れた主人公が、本当は24歳なのに18歳と偽って浅草で半玉さんの修行をするというお話で、もう一人の主人公?の半玉さんは実は男で、似たような設定のジュニア小説で男子中学生が舞妓さんになってしまうという作品がありますが、こちらはまた別の機会に紹介します。
浅草で綿密に取材されているようで、コメディタッチでテンションの高い作品で私は好きです。
まだ第一巻しか出ていませんので、今後どのように展開していくのかが楽しみです。
京都の舞妓さんと東京の半玉さんの違いを図で説明してあるのが面白いです。
舞妓さんと半玉さんは装いがかなり違うんですよね。
地毛で結った日本髪かカツラかだけでなく着物の着付けや帯とか・・・


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