「青山俳句工場05」第55号 2014-08-09 | 俳句 五月の空親友になるどすんとなる 宮崎斗士植田百枚水をこぼさぬ水の星 中村晋わたくしごと引っかけておく夏木立 芹沢愛子濃紫陽花通りすがりの鼻炎です 岡村知昭夏座敷微かな磁場の遺影かな 斎藤しじみ
「里」2014年8月号 2014-08-06 | 俳句 いただきを城の座となし朝ぐもり 島田牙城東より朝焼の家康が来る 同十薬や関節ごとの昼の星 男波弘志梅雨ふたり同じ長さの煙草吸ふ 上田信治炎天やぶつけるための荷を背負ふ 中山奈々夜空また剥がれてかわほりとなりぬ 月野ぽぽな夕立の端がめくれているらしい 河西志帆何ものかすでに寝てゐる蚊帳の中 仲寒?
「鏡」第13号 2014-08-06 | 俳句 額縁に明治天皇春の風邪 寺澤一雄春満月少年は首締めあへり 遠山陽子よく晴れてまだ日当たらぬあ朝桜 谷雅子傘ごしに見ゆる雨つぶ桐の花 佐藤文香啓蟄や月のまはりに雲ゆたか 越智友亮
「円錐」2014年第62号 2014-08-06 | 俳句 山国の闇夜をかけてちる桜 澤好摩夕日照る稲佐の浜の岩座に 同筍と筍の距離晴れわたる 橋本七尾子春愁や三角定規に穴ひとつ 味元昭次大暑へとひとの口より烟出て 山田耕司雲海に触れるべくしてシャツ開く 今泉康弘
「小熊座」平成26年8月号 2014-08-03 | 俳句 梅雨夕焼眇目をすれば見えるもの 高野ムツオ倒伏の麦あをあをと空残る 大場鬼怒多本願寺畳のヘリを蟻戻る 栗林浩六月の空の暗さの変電所 佐藤成之ほととぎす人の死すとき水こだま 渡辺誠一郎