「情熱大陸」の900回記念での、羽生選手の特集番組が放送されました。
タイトルはその名も、「誰も知らない絶対王者の素顔」。
いろいろな感想があるでしょうけれども、私の率直な感想としては、特に意外なものはなかった印象でした。(笑)
羽生選手は今までずっと、インタビューではいつも素直に率直に、自分を見つめて語ってきたし、
今まででも十分に、様々な側面を隠さずに見せて下さってきたので、
事前のコメントで語られていた通りに、「そのままの羽生選手を出している」ように私は思いましたし、その意味では好感度は高いです。
タイトルの「誰も知らない絶対王者の素顔」の「誰も知らない」は、ちょっと大げさな表現だと思いましたが、
左足首が3月の半ばの時点で既に激痛だった、ということが、ずっとトップシークレットにされていたそうですが、
ここできちんと公表されたのは、良かったですね。
本当は1月から既に痛み止めを使わなければならない状態だったこと等も報じるべきだったのではないかと思いましたけど…。
事前の宣伝で出てきた映像、「スケートは、本当に楽しいことですね。楽しくて、辛いこと。」と羽生選手が語っていた、
その「辛いこと」の中身には、やはり怪我のことも大きいのだな、とよくわかりました。
「でも、今ちゃんと歩けているので… ここまでやってこれたんで、有り難いです」と、ちょっとだけ辛そうにしながらも笑顔で語っていましたけど、歩けないほどの状態になっては本当に大変なので…
あまり軽視しないで、無理せず、どうか大事にしてほしいと思いました。
羽生選手は、世界選手権の放送が終わったら、これを公表しても良いのかと問われて、
「言わないかもなー。わかんない。言わないかもしれない…!」とこの映像の中では答えていますけど、
公表して下さって本当に良かったと私は思いました。
「自分は強いですか」と聞かれて、「弱いです。めちゃくちゃ弱いです。」と迷わず即答して、その理由も自分ですらすらとカメラの前で述べられる羽生選手は、
今までも何度も何度も、そういう「自分の弱さ」をカメラの前でもさらけ出してきたと思うのです。
でも、普通の人はそこまでなかなかできないですね。
だからこそ、私から見ると、すごく強い人だという結論に至るし、そこが羽生選手が普通の人以上に、「怖いものなし」になる部分なのではないかなと、思うのですが。(笑)
こういう羽生選手を見ていると、いつも思い出す聖書の言葉があります。
「 わたしの恵みはあなたに十分である。 力は弱さのなかでこそ、十分に発揮されるのだ。」
注:わたし=神様のこと
( コリントの信徒への手紙第二 12章9節 新約聖書: 新共同訳より)
今回、優勝したハビエル・フェルナンデス選手も、右のかかとに故障を抱えていた状態で、
直前は練習もままならない中、かなり直前までパニック気味だったことが報じられていました。
今シーズン、チャン選手がベスト演技をした時(スケートカナダ & 4大陸選手権)も、
直前にそのような「落ち込みすぎて、取り乱して大泣き」のようなエピソードが出てきて、
そういう回にむしろ、本人も想像できなかったような素晴らしい演技を成し遂げています。
興味深いですね。
さて、事前の宣伝であった、「孤独」発言も、どういう流れで発言したのかな…?と思っていましたけど、今回の放送を見ると、試合前での集中の仕方について羽生選手は述べていて、
自分のベストパフォーマンスを出すためにも、「むしろ孤独にしてもらいたい」と、語っています。
いつの時代も、どこの世界でも、何かのトップを務めるということや、何かを究めるという作業は、ある意味孤独な作業だと思います。
どのような人が、そのような重責に耐えられ、役割を果たせるのかと言えば、
「主は(=神様は)世界中至るところを見渡され、ご自分と心を一つにする者を力づけようとしておられる。」
(旧約聖書 歴代誌下 16章9節)
「神に由来しない権威はなく、今ある権威はすべて神によって立てられたものだからです。」
(新約聖書: ローマ信徒への手紙13章1節)
「(復活された)イエスは、近寄ってきて言われた。『 わたしは天と地の一切の権能を授かっている。』」
(マタイによる福音書28章18節)
「キリストは全ての権威や支配の頭(かしら)です。」 ( 新約聖書: コロサイの信徒への手紙 2章10節)
神様は、使命を果たそうとしてご自分に従われる人を探して、惜しみない力を与えて下さるのだと、聖書は語っています。
クリケットクラブ内で語っている負けず嫌いな発言や、フェルナンデス選手へのライバル心をあえてカメラの前で見せるあたりは、
「特にしんどい時は、これを見て…」と、羽生選手は、そうやって思いながら、自分をかなり鼓舞していることを語っています。
最後に笑顔を見せているのですが、この笑顔まで映すのか、それともその笑顔の直前で映像を切り上げたり、映像をなしにして、強気な言葉だけを取り上げて報道してしまうかで、
こういう内容は、意味が全く変わって見えたり、視聴者に与える印象も大きく変わってしまう可能性があるなと感じました。
印象的で、特に羽生選手らしいな、と思った言葉は、つらい時の乗り越え方についてです。
「あーもう、乗り越えようとしないです。辛いものは辛い、もう認めちゃう。
辛いからやりたくないんだったら、やめればいいし… それでいいと僕は思っています。」
こう言える羽生選手は、やっぱり強いよな…と思えますね…
ときどき、弓のようにしなることはあっても… またその勢いで、戻ってくるように思えますね。(笑)
頑張りすぎて燃え尽きてしまう人は、多分この「やめる」「緩める」「休む」「自分を許す」「泣く」のタイミングを間違えたり、
それができなくなったりするからこそでもありますが…
羽生選手みたいに考えられると、逆にうまく乗り越えていけるのかも知れません。
もし、世界選手権で優勝して金メダルを取っていたら、放送された内容は、また少し変わっていたのかな…と思うと、
羽生選手は銀メダルに終わって、本当はとても悔しかっただろうけれども、
結果的には、こういう内容が放送されることになって、良かったのではないかと、私は思いました。
今回の世界選手権のことで、「宇宙人じゃなくて、やはり人間だったのか」なんて、当たり前のことを言われてしまうほど、
一部の人から、超人的に見られていた羽生選手。
最近のアメリカの大統領選挙で、有名な候補者の一人が、「地球にやってきている宇宙人について、真相を解明して公表します」
なんて真面目に言い出すような不穏な社会情勢の昨今ですから、
「人間認定」されたのは、羽生選手の今後にとって、絶対にラッキーだったでしょうね!(笑)
2010年に、どのくらい負けず嫌いなのかと聞かれ、「基本的に全部、全部です。全部負けたくない。」と、
何のためらいもなく、飾らずに堂々と語った15歳の少年は、
全日本選手権で惜しくも4位になり、表彰台を逃したとき、どうしたかと言えば、
笑顔で、正直に「悔しいです」と語り、自分がまだまだであると率直に認め、
むしろそれをもの凄く嬉しそうにしながら、インタビューに素直に受け答えしていました。
そんな羽生選手を見て「本物だ」と思った私は、とても感動して、今日にあるような羽生選手の未来を思い、
本当にワクワクしていたのを、よく覚えています。
番組の最後で、
「ハッキリ言って、僕はもうこのままじゃ絶対に終わらないし、もう本当に次の目標に向けて、
自分の、結果どうのこうのじゃなくて、自分の理想、自分がしたいこと、
自分のスケートをもっと高めたいな、と思っています。
全部スケートに活かしちゃって、もう、スケートと自分の生活っていうのは、
やっぱり割り切れないけれども、割り切らなければならないところもあると思うので、
そのメリハリをつけて、自分の中でも、そのスケートというものを心から楽しめたらな、と思っています。」
と語ってくれた羽生選手。
羽生選手が幸せな気持ちで滑ると、それがこちらにも伝わるし、
心から楽しんで滑ったら、それもまたこちらに伝わります!
だからぜひ、本当に幸せな気持ちで、大いに楽しんで滑ってもらえたら、と思います!
そのお名前の通り、時には弦のように大きくしなりながらも、どうか無理なく、楽しく、
未知なる大空へ、また自分の理想や目標に向けて、また一歩ずつ、飛躍していってほしいです!
良いシーズンオフが過ごせますように…!
お怪我が、速やかに、出来るだけ完全に癒されていきますように。
『情熱大陸』は見ないでおこうと思っていましたが、やっぱり見てしまいました。CMにテレビ特番に映画にと、羽生選手人気を当て込んで彼を利用しているのが目に余ってきたからです。仙台のためとか色々口実をもうけては引っ張り出します。
今回の世界選手権の結果を見て、私に悲観的な思いが湧いてきました。誰か否定して欲しいものですが。世界選手権の時、彼はいつもどこか傷めています。それくらい練習しないとあの超人的な演技ができないのか、それとも傷めた箇所はひょっとしたら、小さい時からのもので騙し騙し、使ってきたのか。日本人と西洋人では食生活が長い歴史にわたって違うし、人種的にも筋肉のつき方が違うように思えます。羽生選手の持つ美しく演じる技術は誰にも真似できるものではないですがそれを実現する筋肉や骨格が耐えられないのではと、心配になります。あまり、4回転など負担の多い技に拘らずにきれいなまたはワクワクする演技にシフトしていってもらえないかな、と思います。羽生選手のつなぎの演技ほどほれぼれするものはないので。オリンピックでも何でも、金メダルじゃないとだめなんて誰も思っていなくて、騒いでいるのはメディアだけなんじゃないでしょうか。つい、長くなってすみません。
空欄にして匿名にすると、誰でも unknown となりますので、出来れば今後は、何かハンドルネームをつけて頂けると助かります。
今回の怪我は、羽生選手は長年の蓄積によるものと、練習方法に問題があった、と述べています。
世界選手権の時に不調なのは、ほとんどの選手に多かれ少なかれあるとも言われますけど(シーズンラストなので)、確かに羽生選手は、グランプリファイナルあたりにピークがきてしまう傾向が、ずっと続いています。
そこは、改善すべきと思いますが、理由の第一は、グランプリシリーズでどうしても視聴率を取りたいTV側の事情に、影響されていると思います。これは日本選手全体がその傾向があります。
そのくらい練習しないと超人的な技が出来ないのは当然ですが、それでもそれが出来るのは羽生選手ぐらいなので、骨格に問題があるどころか、彼のあの身体だからこそできることだと私は思っています。
今、アジア系の選手がトップにひしめいているのは、真面目に練習するのも理由ですけど、今の採点方法に適応できる細めの身体があるからだろうと思います。
4回転にこだわり、さらなる難しい技にこだわっているのは、他ならぬ羽生選手であり、羽生選手の憧れのプルシェンコ選手であります。
頼まれて無理してやっているわけではありません。
向上を目指し、前人未到の記録を作りたい、アスリートとしての本能みたいなものでしょう。
かつての4回転ジャンパーの本田さんも、羽生選手に益々期待しているようでしたので、誰よりも怪我のリスクも、その痛みも知っているプルシェンコ選手や本田さんが、それでも羽生選手の今後に期待するのは、彼らがみな同類だからだろうと思います。
金メダルじゃないとダメ、なのは、マスコミじゃなくて、他ならぬ羽生選手本人です。
五輪で2度金メダルを取りたいと、昔から言っていましたし、別の新記録についても言及していました。
それは、彼の長年の夢だと思うのです。
だからこそ、私は出来るだけ、それが実現できるといいなと思っていますし、羽生選手なら出来るだろうとも思っています。
ただ、ファンが、金メダルじゃないとダメだなどと思っている人たちばかりではないよ、ということをお伝えすることには意味があると思います。
どんな演技にワクワクするのかは、人によりますので、その目指す演技には選手の個性や信念が表れてきます。
リスクと、理想の演技とのはざまで、試行錯誤しながら、ベストな落としどころを、羽生選手自身が見つけていくでしょう。
悲観せず、今後は改善する意欲が大いにあるであろう、羽生選手の賢さに期待したいですね!(笑)