母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

ひなまつり

2015年02月28日 | 季節
げに浅き春の雛まつり

三人官女の横顔に

はるのかぜの過ぎていく

髪麗しく黒く濃く

官女の顔のほの白く

木の花の春陽に咲き匂い

畳に射す陽もぬくぬくと

おとめの祝いに集いしを

白酒酌みて時はゆき


三人官女のたたずまい

遠きみやこの春の日の

みやこ大路のにぎわいを

牛車のきしむ輪だちとも

花売る女の手ぬぐいの

紺の意匠もまたおかしく

浅き春の祝いの日

おとこおみなのほほえみを

芽吹く草の葉また緋なる

乙女官女の裾にこそ置く

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