セピア色の艶を持つきれいな木の実が
はじけて落ちてくるのは
秋の陽の温もりのせいです
セピア色の秋の木の実が
黄金色に熟れて甘いのは
大気がしっとりと美味だからです
セピア色の木の実を煮る湯気のなかで
皮をむくとき
秋は じっくりと実って
木の葉焚く煙の匂いに幼い日の
にぎやかだった茶の間の思い出がやってきます
けむり色の セピア色の匂いです
『清水みどり詩集 黒猫』東京文芸館 1997 より
はじけて落ちてくるのは
秋の陽の温もりのせいです
セピア色の秋の木の実が
黄金色に熟れて甘いのは
大気がしっとりと美味だからです
セピア色の木の実を煮る湯気のなかで
皮をむくとき
秋は じっくりと実って
木の葉焚く煙の匂いに幼い日の
にぎやかだった茶の間の思い出がやってきます
けむり色の セピア色の匂いです
『清水みどり詩集 黒猫』東京文芸館 1997 より