ひな様は真昼は
うとうと眠っておいでです
喧噪のこの世では
ひなさまはゆっくりお話もできません
テレビジョンの音は金属的で
心安まる時もありません
ひな様のお好きな笙の音色も
お正月くらいしか聴けません
美しい言葉は
荒々しい会話に変わり
時は忙しく空しく
あっという間に流れ去るだけ
たべものは過ぎるうまみに味が変わり
濃い味もすぎると辛く
ひな様は少しの塩だけでなんでもおいしいと
欲望を離れ自然のままおられます
ひな様の横顔は何時も静か
怒りを見せず
哀しみを見せず
傍に居る人をただ和ませ
聞こえぬ天上の音色のなか
春の宵を
ゆっくり流れる時間の中においでです
ひな様は夜更けは眠ることなく
時の流れを振り返り
想い出をなぞり
ふたりでそっと語り合われる
白酒をすこし口にされたり
黄色と桃色の花の色を愛でられ朝まで
今年もおふたりの短い早春のまつりを
楽しまれておいでです
うとうと眠っておいでです
喧噪のこの世では
ひなさまはゆっくりお話もできません
テレビジョンの音は金属的で
心安まる時もありません
ひな様のお好きな笙の音色も
お正月くらいしか聴けません
美しい言葉は
荒々しい会話に変わり
時は忙しく空しく
あっという間に流れ去るだけ
たべものは過ぎるうまみに味が変わり
濃い味もすぎると辛く
ひな様は少しの塩だけでなんでもおいしいと
欲望を離れ自然のままおられます
ひな様の横顔は何時も静か
怒りを見せず
哀しみを見せず
傍に居る人をただ和ませ
聞こえぬ天上の音色のなか
春の宵を
ゆっくり流れる時間の中においでです
ひな様は夜更けは眠ることなく
時の流れを振り返り
想い出をなぞり
ふたりでそっと語り合われる
白酒をすこし口にされたり
黄色と桃色の花の色を愛でられ朝まで
今年もおふたりの短い早春のまつりを
楽しまれておいでです