花男の物置部屋 引っ越して3箇所目

備忘録的に食ったもん、読んだもん、聴いたもん等を書いてます。

「百鬼園事件帖」 三上 延

2023-09-05 17:05:11 | 活字もすっげえたまには読むぞ

 

昭和初期の神楽坂。大学生の甘木は存在感が希薄なようで、人の記憶に残りにくい。重ねると某となる自分の名前もなんか嫌い。そんな甘木は、純の文字を丸で塗りつぶした元純喫茶=不純喫茶? 食事は美味いがコーヒーがやたら不味い喫茶店でちょっと偏屈な教授と知り合いになる。夏目漱石の門人で芥川龍之介とも交流があった内田と言う教授は借金の天才でもあった? 内田と行動を共にするようになった甘木は、徐々に不思議な現象に遭遇するようになる。そして甘木は内田と怪異によるトラブルを解決する・・・のか?? と言うようなお話。

 

ソフトホラーとでも言うのか・・・非常に柔らかいタッチで不思議で何とも読み心地が良ですね。そしていい小説にはエッジの効いた素敵な脇役が居る? 喫茶店の女給の宮子、ナイスです。自分のドッペルゲンガーとのやり取りあたりはピークですね(笑) おさまりの良い終わり方なので、続編は無さそうな気がするけどあっという間に読み終えて名残惜しい気もするので、もし出るようなら是非読みたいですね。

 

非常に面白かったです。



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