語学学習日記です.そこらのおっちゃんが書いてます.怪しいよ!眉唾物です.

ご一緒に学習を!
私は先生ではありません.間違いだらけかと思います.
ご容赦下さい.

1532番:さすらいの青春(190)

2022-09-05 16:58:47 | 日記


𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
  
さすらいの青春(190)

 
—————————【190】————————————————

  Il s'approcha, me saisit par le bras, me forçant à
m'asseoir sur le rebord du lit,  et il me dit:
  « Je ne puis pas t'emmener, François.  Si je con-
naissais bien mon chemin,  tu m'accompagnerais.
Mais il faut d'abord que je le retrouve sur le plan,
et je n'y parviens pas.
  ——Alors, tu ne peux pas repartir non plus ?
  ——C'est vrai, c'est bien inutile... fit-il avec décou-
ragement.  Allons, recouche-toi.  Je te promets de ne
pas repartir sans toi. »
                                    
——————————(訳)—————————————————

 彼は近寄ってきて、私の腕を掴みました.そして
ベッドの片隅に座らせて言うのです:
 「フランソワ、君を連れて行くことは無理だ.も
しぼくが道をちゃんと知っていれば、一緒に行ける
のだがね.だけど、まずぼくが地図上で場所を見つ
けなければならない、そしてそれが地図でもたどり
着けないんだ.
  ——じゃあ、君だって行けないんじゃないか?
 ——そうさ、その通り.無駄なことなんだ...
モーヌは、がっかりした様子で答えました.さあ、
もう一度寝るんだ、君.行くときは必ず君を連れ
て行くって約束するよ.


..—————————⦅語句》————————————————
          
Il s'approcha, me saisit par le bras:
    彼は近寄って私の腕を掴んだ.
    par は辞書では「~によって」となっています.
  腕によって私を掴んだ、というわけですが
  その腕は「彼」の腕か「私」の腕かがわからない.
  所有形容詞ではなく定冠詞になっているので.と
  いう素朴な疑問、よくわかります.答えをいうと
  定冠詞ということは、その腕は「わかりきった」
  腕だということです.
  どう「わかりきっているか」といえば、
  彼は私を掴んだと先に言っているから、後続の腕は
  私の腕になります.
  英語でもそうですがHe took me by the hand.といえ
  ば「彼は私の腕を掴んだ」のであって、彼の腕に
  よって私を掴んだのではありません.
  その証拠文がこちら:
  He took me by the shoulders.
    彼は私の両肩を掴んだ.
  さすがに彼が自分の肩で私を掴むのは無理.
  同様にフランス語でも
  tenir un couteau par le manche
    ナイフの柄を掴む
  一般にprendre qn par le bras で
  誰それの腕をつかむ
  となります.
forçant:(現在分詞) <forcer (他)
    forcer qn à 不定詞 ~することを誰それに強いる
  me forçant à m'asseoir sur le rebord du lit,
    私をベッドの端に座らせて、
  となります.
  me がたくさんあるそ、と言って驚かないで下さい.
  あとの方はs'asseoir という代名動詞です.
  まだわかりにくい人のためにいうと
  s'asseoir は動詞です.座るという意味の動詞、
  不定詞です. 
parviens:<parvenir (間接他)~に達する、到達する       
inutile:(形) 役に立たない、無駄だ    
fit-il:(単純過去3単) <faire  挿入節などで使われると
   「言う」、「答える」の意味になります.
promets:(1単現)<promettre (他) 約束する
   promettre à qn de 不定詞:
   人に…することを約束する
      Je te promets de ne pas repartir sans toi.
      君を放っておいてまた行くなんてことは
   しないと約束するよ.

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1531番:さすらいの青春(189)

2022-09-05 06:42:03 | 日記


𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
  
さすらいの青春(189)

 
—————————【189】————————————————

 Je  me  dressai  un  peu  et  je  lui  criai  tout  bas: 
  « Meaulnes !  tu repars ? »
  Il ne répondit  pas.  Alors,  tout à fait affolé ,  je  dis:
  « Eh  bien,  je  pars  avec  toi.  Il  faut  que tu m'em-
mènes ».
  Et je sautai à bas.
  
                                    
——————————(訳)—————————————————

私は少し起き上がって低い声で彼に呼びかけた:
 「モーヌ!君、また出かけるのかい?」
 モーヌは返答を寄こさなかった.そうなると私も急に
取り乱したように言った:「じゃあ、ぼくも君と行くよ.
連れて行ってくれなきゃ.」
   そう言って私はベッドから飛び下りた.


..—————————⦅語句》————————————————

me dressai:(単純過去1単) <se dresser 
      立ち上がる、起き上がる
     criai tout bas:低い声で叫ぶ、というのは
   おかしな日本語です.「叫ぶ」のは大声で
   いうから「叫ぶ」なのです.辞書(クラ仏6版)で
   確認しても、「大声で言う」「叫ぶ」となってい
   ます.こんな矛盾したものを訳すというのは
   「翻訳も大変な仕事だなあ」と思いました.
   他の訳本はどうなっているのか気になったので
   見てみます.(lui の部分は無視)
    ❶パロル舎 :小声で呼んだ
    ❷岩波文庫 :小声で言った
    ❸角川文庫 :低い声で呼びかけた
    ❹旺文社  :声をひそめて呼びかけた
    ➎講談社  :ちいさな声で~と叫ぶのに...
    ➏みすず書房:低い声で呼びかけた
      もう一度、別の辞書(ロワイヤル中)を見たところ
   文語表現で③[文]呼びかける、とありました.
   これで手を打っておきます.ただし文語なので
   「出かけるのかと、声荒らげたるや、返答なし」
   みたいな感じです.    
affolé(e):(形) 気も狂わんばかりの、逆上した、
     取り乱した        
à bas:下の方へ; sauter à bas de son lit
                  ベッドから跳び下りる

 

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