ブッダ伝(3)
ブッダのさとりについては、後世、複雑化しています.
そもそも覚りには段階などなく、サールナートでコン
ダンニャが、ブッダに次いで覚りを得たときも、
「コンダンニャが覚った」と大喜びされたそうです.
この覚りが階位、何段目だったなどというのはナンセ
ンスです.
覚りの段階としては、52階位と7階位がありますが
7階位というのは、四向四果(しこうしか)のことで、
預流向 (よるこう) ・預流果,一来向・一来果,
不還向 (ふげんこう) ・不還果,阿羅漢向・阿羅漢果
をさします.ただし預流向 (よるこう) だけは出発点
なので、覚りではありません.よって覚りはその次
から始まる7段階となります.
覚りを得ると、ブッダと称されるはずなのですが、
創始者のゴータマの権威を高めるため、後世、ブッダ
と阿羅漢果を得た弟子たちとの区別として、覚りの名
称をブッダの「正覚」と弟子たちの「阿羅漢果」とに
したものだと推測いたします.
ちなみに、52階位は:
妙覚(みょうかく):52位
等覚(とうかく) :51位
初地~十地 :41位〜50位
初廻向~十廻向 :31位〜40位
初行~十行 :21位〜30位
初住~十住 :11位〜20位
初信~十信 : 1位〜10位
登り詰めるのは大変なようです.もちろん
こういうものは後世に制定されたもので、
初期にはありませんでした.