さすらいの青春(650)
𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
———————【650】——————————
Arrivé aux Quatre-Routes, il entendit
seulement——comme son oncle——très
loin, sur la colline des Riaudes, le bruit
d'une voiture dont le cheval devait galo-
per les quatre pieds levés. Garçon malin
et fanfaron, il se dit alors, comme il
nous le répéta par la suite avec l'insup-
portable grasseyement des faubourgs de
Montluçon :
« Ceux-là sont partis vers La Gare,
mais il n'est pas dit que je n'en
“chaufferai”pas d'autres, de l'autre
côté du bourg. »
————————(訳)————————————
四辻まで来たとき、彼は、ただ——伯父と同じ
く——ずっと遠く、リオードの丘の上に馬車の
馬音、足を4本跳ね上げ疾走していたに違いな
い馬の音を聞いた.気を利かせたくて空威張り
をするこの少年は、そのとき思ったことを後日
わたしたちにモンリュソン地方の人たちの喉式
のrを使う聞くに耐えない発音でくり返し話し
ていたように、そのとき彼はこう独白した:
「あいつらめ、駅に向かって行きやがった.
まあいい.別の仲間を街の別のところで、こ
の俺が捕まえないとも限らないさ.」
..———————⦅語句⦆———————————
Quatre-Routes:「四辻」だが大文字なので、
固有名詞の「四辻」
entendit:(直単過/3単) < entendre (他)
entendre:(他)~が聞こえる、~を聞く、
~がわかる
Riaudes:(固有) リオード.
(地名か丘の名かは不明.とりあえず
丘の名前と考えます)
galoper:❶(自)(馬が)ギャロップで走る;
❷(他)(馬を)ギャロップで走らせる
les quatre pieds levés:脚を4脚とも跳ね上げて
malin, maligne:(形) 利口な、抜け目のない、
悪賢い、気の利いた
fanfaron, ne:(形) 空威張りする、はったりの
Garçon malin et fanfaron:狡猾ではったりの利く男
se dit:(直単過/3単) < se dire 自分に言う
se dire:(pr) 自分に言う、ひとりごとを言う、
思う.
nous le répéta:その考えをわたしたちにも言った
par la suite:後日、後になって、後々.
Il s'en repentira par la suite. / 彼は後々その
ことを後悔するだろう.
insupportable:[アンスュポルターブル](形) 耐えられない、
我慢のならない.
ordeur insupportable / たまらない悪臭
enfant insupportable / 手に負えない子供
grasseyement:[グラセイマン](m) r を喉で発音すること.
懸壅垂(のどひこ)のことだと思います.
faubourg:[フォブール](m) 郊外、場末、
faubourgs:(pl) 場末の労働者たち
Montluçon:(地名)モンリュソン.
オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏
アリエ県の郡庁所在地.美しい家並の街.
avec l'insupportable grasseyement モンリュソン労働者
des faubourgs de Montluçon:たちの不快きわまる喉発
音のr
Ceux-là:(m/pl) あの者たち、あいつら
Ceux-là sont partis vers La Gare:あいつ等は駅に
向かって行ったぞ.
il n'est pas dit que:このil は人ではなく形式主語
で、que の先行詞.il n'est pas dit は受け身.
受け身ですが「言われない」つまり、~
だとも限らないぞ、と言っています.
chaufferai:(単純未来/1単) < chauffer (他)
chauffer:(他) 現場を押える、(人の)不意をつく
je n'en “chaufferai”pas:en は quelcun d'autres
のことで「あいつらの仲間の誰かほかの
者」、それを俺は捕まえないとも限らない.
単純未来の部分をカッコで強調している
ので「~しないだろう」ではなく
「~しないとは限らない」と訳します.
de l'autre côté du bourg:たとえここでなくても、
この街のどこかで
———— ≪ジャスマン・ドルーシュの独白≫ ————————————
まけ惜しみのセリフです.まあ確かに悔しいでしょう.
ヒナを12羽もドロボーされたのですから.
.——————— ≪rについて≫ ————————————
懸壅垂(のどひこ)とは:
口の奥に垂れている小さな暖簾みたいなやつ.
あれを動かすには、ガラガラとうがいする
しかない.教科書には舌の奥を盛り上げて
そこと上あごの隙間から息を通せ、とあり
ますが、ラ行の音は出ません.ハ行になり
ます.それでも大丈夫.フランス人はHの
音は発音しないので混同はしません.有音
のh も発音しないので、ハ行でやっちゃっ
て大丈夫!
ところで花子さんの発音HANAKOはアナ
コになります.それではHANAKOにせず、
RANAKOにすればいいかというと、今度
は、ちょっとだけ「ガナコ」に聞こえます.
でも、みなさん、フランス人はHの音は
発音できると言っていましたので、花子
さんは真正有音のh で「ハナコ」†††
HANAKOと言ってくれ、と言えばいいと
思います.
フランス人がここにいればちょっと実験
してみたいのですがHANAROと書けば
アナゴと読んでくれるのか?ハマチは
アマチになるのでRAMATIでどうか?
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