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韓国の債権市場が危機的状況 きっかけは“レゴランド債”の破綻 松崎隆司

2023-04-20 16:04:24 | 日記
韓国の債権市場が危機的状況 きっかけは“レゴランド債”の破綻 松崎隆司

2023年2月20日

開業はしたもののレゴランドの人気は振るわない Bloomberg
 鳴り物入りでスタートしたテーマパーク開発が資金難に見舞われ、影響は債券市場に波及。金利急騰や社債発行を断念する事態が起きている。
前江原道知事(共に民主党)が推進、現知事(国民の力)が債務保証撤回
 韓国の金融市場が危機に直面している。2500兆ウォン(約250兆円)規模ともいわれる債券市場が機能不全を起こし、資金調達が厳しくなっているからだ。
 きっかけとなったのが韓国北部、江原道(カンウォンド)春川(チュンチョン)市に造成された「レゴランド・コリアリゾート」に関連したプロジェクトファイナンス(PF)の事実上の破綻だ。
 レゴランドは2010年に盧武鉉(ノムヒョン)元大統領の側近だった李光宰(イグァンジェ)氏(現共に民主党)が江原道知事に当選した直後から動き出したプロジェクトだ。ところがその翌年には違法な政治資金を受け取った疑いで逮捕され、大法院(最高裁判所)から有罪判決を受けて失職。その後、崔文洵(チェムンスン)氏(現共に民主党)が江原道知事に就任し、このプロジェクトを本格的に進めた。
 プロジェクトは衣岩湖内の中島の敷地にブロック玩具のレゴで作った遊園地やホテル、商店街、ウオーターパークなどを誘致し、敷地は江原道が50年間無償で提供する。運営を担当するのは世界第2位のエンターテインメント・レジャー企業の英マーリン・エンターテイメンツ。世界25国、130カ所以上で、「レゴランド」やろう人形館の「マダム・タッソー館」などのアトラクション施設を運営している。
 崔文洵江原道知事は当初、「江原道民の金は一銭もかからない100%外国資本誘致事業だ」と説明し、年間200万人以上の集客と1万人以上の雇用創出、年間50億ウォン(約5億円)以上の地方税増収というバラ色の展望を掲げてスタートした。11年に江原道は運営会社、英マーリン・エンターテイメンツ、LTPコリア、現代建設など七つの機関と投資合意覚書を締結。12年には江原道が44%、マリーンが22%出資し、造成のためのエルエル開発(LLD、現江原中島開発公社)を設立した。
 開発資金の調達にはPFが活用された。PFとは開発に資金と時間がかかり、運営期間が長期にわたるような大型プロジェクトなどで活用され、将来発生するキャッシュフロー(収益)を担保に資金を調達する仕組みだ。建設会社がマンションなどを建設する際によく活用される仕組みとして知られていた。
CPが償還できず
 レゴランドのPFのスキームはこうだ。まず開発公社が特殊目的法人(SPC)「アイワンファースト」を設立する。これがABCP(Asset-backed Commercial Paper、資産担保コマーシャルペーパー)を発行する。ABCPとは売掛債権などの金融債権を裏付けとしてSPCが発行するコマーシャルペーパー(企業が事業のために発行する短期の無担保約束手形)のことで、レゴランドの場合はさらに信用補完するために江原道が債務保証を行い、CPとしては最高格付けのA1を取得し、その後ABCPはBNKインベストメント&セキュリティーズを通じて10社の証券会社に売却された。調達した資金は2050億ウォン(約205億円)だといわれている。
 ところが14年には埋蔵文化財の発掘調査中に開発予定地から青銅器時代の遺物が大量に発掘され、工事は中断。さらに建設工事の請負業者探しも難航した。当初優先交渉権を持っていた現代建設や大林コンソーシアムとの交渉は暗礁に乗り上げ、その後優先交渉の対象となった斗山建設も交渉が難航して工事がなかなか進まず、債務が膨らんでいった。
 オープンしたのは22年5月5日。ところが当初から大型アトラクションが停止するなど不具合が続き、来場者数は5月が13万人、6月10万人、7月7万人と目標の年間200万人に遠く及ばず、総額7380億ウォンを投入してレゴランド建設を進めてきた開発公社は経営危機に陥った。
 そして9月にはABCP2050億ウォンのうちの412億ウォン分が償還を迎えたが、開発公社は自力での償還が不可能であると判断し、これを江原道に伝えた。
 これを受け22年7月1日に崔文洵氏に代わって道知事に就任した保守党国民の力の金鎮台(キムジンデ)氏は、9月28日に裁判所に対して開発公社の再生手続きを申請した。江原道が債務保証するというそれまでの方針を180度変えたわけだ。こうした知事の方針転換に対して「地方政府の支払い保証も履行されないほど韓国は危ない」と金融市場は敏感に反応、CPなど短期金融市場は大混乱に陥ってしまった。
 その後、道の言い分は二転三転する。再生手続きを申請したのは不正事業をなくすためであり、22年度中に借金を返済すると主張を大きく翻す。しかし、これに債権者は納得しなかった。結局10月5日、開発公社が設立したSPC「アイワンファースト」の発行したABCPの格付けはA1からD(債務不履行)にまで落ち、SPCは事実上破綻した。
トリプルAでも流札に
 これを受け大型プロジェクト開発を支えてきたABCPを発行する短期金融市場の金利は暴騰し、なかには20%を超えるところも出た。11月14日には建設大手、GS建設が信用補完したSPC「パインウノ」の発行したABCPの金利が20.3~21%。現代建設が連帯保証しているソウル黒石9区域再開発PF貸出ABSTB(資産担保付き短期債券)の借入金利は昨年9月には年3.34%だったのが、年7%と2倍以上急騰した。そのような中で現代建設やロッテ建設など大手建設会社がかかわっていた首都圏の大規模開発事業では、プロジェクト融資のためのローンの借り換え(リファイナンス)に失敗し、大手建設会社が自社の中で資金を用意する羽目となった。
 波紋はABCPにとどまらず、債券市場全体に広がった。韓国の債券市場は、この問題以外にすでにゆがみを抱えていて、そこに開発公社の破綻が火をつけたのである。
 韓国政府は米国の金融引き締めの中でウォン安を回避するために金利を立て続けに引き上げ、債券市場が萎縮しているところに、トリプルAの最高格付けを持つ韓国電力公社が高利回りで大量に社債を発行し金融市場の資金を吸い上げていたからだ。
 韓国電力は脱原発を推進する中で大規模な赤字を抱えた。にもかかわらず文在寅(ムンジェイン)政権の5年間、一度も電気代を上げようとしなかった。「脱原発をしても電気代は引き上げない」というのが文在寅政権の公約だったからだ。政権交代後も国民生活に直結する電気料金の引き上げは有権者の不評を買うため二の足を踏んだ。そのため赤字体質から脱却することができず資源高などのあおりを受けて22年度だけでも30兆ウォンの赤字が予想されている。その中で韓国電力は昨年だけでも6%という高金利で一昨年の2倍を超える計23兆ウォンの社債を発行した。
 トリプルAの格付けを持つ企業が高い金利で巨額の社債を発行し、市場から大量に資金を吸い上げれば、大多数の会社はそのあおりを受ける。しかもそれはブーメランのようにトリプルAの会社にも返ってくる。
 開発公社の再生手続きが申請された昨年9月には韓国公社企業や一般企業などトリプルA級の優良社債の平均は直前の8月から1.6ポイント上昇し、5.6%台に跳ね上がった。造船業トップ3の一角、サムスン重工業が2年物の社債500億ウォンを7.1%、釜山ロッテホテルが1年物の社債400億ウォンを8.5%で発行。社債発行規模1位のSKは昨年10月、創業以来初の5.6~5.7%という高い金利で2000億ウォンのCPの発行を余儀なくされた。
 公的機関が債務保証した債券の破綻は金利上昇だけでなく、高い格付けを持つ企業の資金調達に大きな影響を与えた。22年11月5日付の『朝鮮日報』は、金融関係者の間で「基準金利は4%だが、今は債券金利が10%でも資金が集まらない」とささやかれていることを指摘している。韓国ガス公社や韓国水力原子力などトリプルAの格付けを持つ公企業も1000億~2000億ウォンの社債発行を試みたが、全額流札した。
 市場の混乱を招いた当事者でもある韓国電力もレゴランドの一件以降、4回にわたって1兆2000億ウォン規模の社債を発行しようとしたが、5900億ウォンしか発行することができなかった。それだけではない。韓国道路公社は1000億ウォンの規模で債券の発行をしようとしたが断念した。11月には中堅生命保険会社、興国生命が自社のドル建て債券について満期前に償還できるコールオプションの延期を発表、海外市場にも波紋を投げかけた。コールオプションの未実行はリーマン・ショック直後の09年のウリィ銀行以来の13年ぶりだという。
韓国・江原道春川市から始まった信用不安は全国に広がった Bloomberg
政府が緊急資金
 韓国政府は10月23日に慌てて「50兆ウォンプラスアルファ」の緊急資金を投入し、機関や個人投資家の代わりに社債やCPを買い入れ、企業に資金を供給することを表明した。
 具体的には①20兆ウォン規模の債券安定化ファンドの余剰資金1兆6000億ウォンで社債・CP買い入れを行う、②韓国産業銀行、中小企業銀行、信用保証基金による社債・CP買い入れプログラムを8兆ウォンから16兆ウォンに拡大する、③財務状況の悪化した証券会社に3兆ウォンの資金を供給する、④不動産プロジェクトファイナンス市場安定化に向けて、住宅都市保証公社や住宅金融公社が短期的に資金難に陥った優良不動産PF事業を支援するため23年までに10兆ウォン規模の保証支援を行う、などの政策を実施するという。
 巨額の資金投入に一時的な金利高騰の沈静化を図ることには成功したが、構造的な問題が解消されているわけではなく、今後の不安を完全に払拭(ふっしょく)することはできていない。12月25日付の『朝鮮日報』によると、「韓国銀行が(12月)22日に発表した『金融安定報告書』によると、韓国の金融不安指数は10月に危機段階(22以上)に当たる23.6を記録した。これは新型コロナウイルス感染症が拡散し始めた20年4月(24.7)以来2年6カ月ぶりの高水準だ」という。
 金融不安指数は8を超えれば「注意段階」、22を超えれば「危機段階」に分類される。1997年の通貨危機と08年の世界的な金融危機のときには注意段階を超え、危機段階に到達するのにかかった期間は平均で6~8カ月だったというが、昨年はロシアがウクライナに侵攻した3月に注意段階に突入し、レゴランドのABCPが不渡りとなった10月には23.6まで上昇、「注意段階から危機段階に突入するのにかかった期間は7カ月だった」(同紙)として、今後の韓国の金融市場に警鐘を鳴らしている。
(松崎隆司・経済ジャーナリスト)
週刊エコノミスト2023年2月28日号掲載
韓国債券市場が危機的状況 「レゴランド債」債務不履行で混乱=松崎隆司


韓国は「大卒貧困者の割合が世界トップレベル」の社会

2023-04-20 15:37:21 | 日記
「食事は食パンとキムチと水だけ」バイトにもありつけない韓国の若者たち

2020年10月2日(金)16時55分

印南敦史(作家、書評家)


Newsweek Japan
<韓国は「大卒貧困者の割合が世界トップレベル」の社会。BTSや『愛の不時着』が世界でヒットしても、若者たちの「現実」は想像以上だ>
8月末、ポップグループ、BTSのシングル「Dynamite」が米ビルホード「HOT 100」で1位を獲得して話題になった。それに先駆け昨年から映画『パラサイト 半地下の家族』が大ヒットしてもいる。『梨泰院クラス』『愛の不時着』と、ドラマも好調だ。
そんなところからも分かるとおり――少なくとも文化的な面においては――韓国には先進的かつ洗練されたイメージがあると言えるだろう。
ところが、『韓国の若者――なぜ彼らは就職・結婚・出産を諦めるのか』(安宿緑・著、中公新書ラクレ)の見解は少し違っているようだ。著者は東京に生まれ、小平市の朝鮮大学校を卒業した後は米国系の大学院を修了。朝鮮青年同盟中央委員退任後に、日本のメディアで活動を開始したというライター、編集者である。
 2020年2月、韓国映画「パラサイト――半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)がアカデミー賞で作品賞など4つの部門を受賞するという、外国語の映画として初の快挙を遂げた日、筆者はソウルにいた。筆者が現地のバーや露店で若者にその話題を振ると、嬉しくてたまらない、といった様子の人はほとんど見受けられなかった。市井の反応など大体はそんなものであるが、むしろ「それどころじゃない」、そんな心の声が伝わってくるかのようだった。取材を進めていくと、この温度差こそが「パラサイト」が断片的に描き出したリアルであったということを認識するようになった。(「はじめに」より)
理由は、1999年6月以降最多だという失業者数の多さだ。そのうち6割が15〜29歳で、全年齢中最も多かったという。
しかしその一方、大学進学率は70%台で推移しており、国民の約8割が大卒にあたる。ところが大卒者であっても、一握りの者しか入社できない財閥系大企業の正社員になれなければ、30歳で年収2000万〜3000万ウォン、つまり日本円に換算すれば200万〜300万円に留まり、生涯賃金の格差は大きい。
「高学歴貧困者」の数が世界トップレベルにあるため、多くの若者が必然的に大企業を目指しては落ち、人生を浪費するのだ。そう聞くだけでは実感が伴わないかもしれないが、本書を読み進めていくと、想像を超えた韓国の若者の"現実"に驚かされることになる。
 韓国南東部の港湾都市、釜山出身のミン・チュナさん(仮名・23歳・女)は2019年1月に技術系の短大を卒業し、今は仁川で一人暮らしをしている。
 家賃は46万ウォン。卒業と同時に教授の斡旋でウェディングプランナーとして就職できたが、そこは朝10時から夜7時まで働いて月給が80万ウォンという、いわゆる「ブラック企業」だった。
「友達はホテルに就職して月給220万ウォンもらっているのに......。私は家賃とスマホ代だけでカツカツ。これならバイトのほうが倍以上は稼げると思い、昨年10月に退職したんです」(28〜29ページより)

日本の労働市場は人手不足に悩まされているが、韓国で問題になっているのは若者の高い失業率。特に1997年のアジア通貨危機以降は失業率が上昇基調にあり、2000年からはほぼ最悪に近い状態で停滞しているという。
つまり、そんな状態が20年も続いている韓国は、まさに「大卒貧困者の割合が世界トップレベル」という状況に置かれているわけだ。
文政権の最低賃金引上げでアルバイトの競争が激化した
しかも地方在住の若者の場合は、標準的な就職活動のレールに乗ることすら困難だという。就職できたとしても、キャリアアップは至難の技。ソウルの上位大学出身者が地方の職までを奪ってしまうからである。
さらに2017年の文在寅政権の発足以後は、アルバイトすらも激しい競争に晒されている。その原因として指摘されているのは、最低賃金の上昇だ。
文在寅政権は18年に7530ウォンだった最低賃金を、19年には8350ウォンまで大幅に上げた。その結果、競争が激化してアルバイトにさえありつけない若者が増えたというわけだ。
上記のミン・チュナさんも、単発バイトを知人に紹介してもらっていたものの、19年末からはほとんど収入のない状態が続いているという。
「実家からたまに仕送りをもらっていますが、今月はもう家賃が払えない。花屋さんのバイトに何とか受かりましたが、それも週1日だけ。洋服は組み合わせを変えて着まわし、食事はシリアルとヨーグルトを買って毎日少しずつ食べ、それでしのいでいます」
 極貧生活を抜け出すため、今は日本で働くことを希望している。
「10月から日本にワーキングホリデーを使って行く予定ですが、日本のバイトの給料は韓国よりはるかに高いと聞いています。韓国に未練はありません」(32〜33ページより)
内陸にある忠清道からソウルの大学に進学するために上京したという27歳の女性も、大学でTOEIC800点を獲得し、難易度の高いIT系の資格を複数取得したにもかかわらず、就活が円滑に進むことはなかった。
「エントリーシートはもう400枚書きました。それに、たとえば国内業務しかないリフォーム会社でもTOEICの点数が高くないと早い段階で落とされる。ただただ疲弊する毎日です」
 就職活動と単発のアルバイトを掛け持ちし、週4回働いて月に80万ウォン。
「食事はもう何か月も、食パンとキムチと水だけ。もしこの先就職できなかったら、と思うとゾッとしますね」と話す。(33ページより)

若者たちは愚直なまでに勤勉で誠実、実力も高かったが
では就職で勝ち抜くことができれば幸福かといえば、そう簡単な問題でもないようだ。
 日本でも販売されているラーメンなどを製造する大手食品企業で勤続3年目となるオ・テグさん(仮名・38歳・男)。彼は英語、韓国語、スペイン語と中国語の4か国語ができ、IT関連の各種資格を持つハイスペック人材だ。(36ページより)
名門大学を2年間休学して海外を放浪。帰国後は半年ほどかけて就活を行う。エントリーシートを出した50社中、5社は最終面接まで辿り着き、そのうち大企業数社から内定を獲得したというのだから、先の女性と比較するまでもなく恵まれているようにも感じる。だが思いは複雑で、生まれたばかりの子どもには同じような競争は経験させたくないと話す。
「食品業界は社風も保守的で、イノベーションが必要とされないので業務は単調です。ほかに内定していた会社にすれば良かったと悔やまれます。かといって、今辞めても僕の歳ではほかの業種への転職は厳しい」
 人気の大手企業に就職し、活躍する立場にまでなっても、その幸福度は低いようで、「これで良かったのかと逡巡する毎日」と、テグさんは話す。(36ページより)
話を聞いた韓国の若者たちの印象を、著者は「愚直なまでに勤勉で、自他に対し誠実であろうとし、実力も高かった」と記している。本書を通じて彼らの声を知る限り、私も同じような印象を抱いた。
彼らが正しく評価され、各人がその能力を発揮できる韓国社会が訪れてほしいと思う。そして、そんな状況だからこそ、日本の若者の役割も大きいだろう。
近年は日本文化に興味を持ち、日本語を覚え、働きにやってくる韓国の若者も多い。逆も然りで、韓国に魅力を感じ、韓国に定住する日本の若者も少なくない(私の知人にも、ソウルで単身生活を送っている女性がいる)。
少なくとも若者の間では従来の「日高韓低」の構図からフラットで自由な関係への変化が始まっているのだ。しかも現実問題として日本もまた、若者が虐げられる国だ。
いろいろな意味で両国の若者には共通項があるわけで、そのあたりに良好な状態へとつながる突破口があるように思えるのである。



















韓国の「国の借金」が初めて1000兆ウォンを突破、GDPのほぼ半分にー韓国メディア

2023-04-20 15:30:27 | 日記
韓国の「国の借金」が初めて1000兆ウォンを突破、GDPのほぼ半分にー韓国メディア

レコードチャイナ4/5(水)12:00

4日、韓国・チャンネルAは「中央政府・地方政府が返済しなければならない実質的な『国の借金』である国家債務が初めて1000兆ウォンを突破した」と伝えた。

2023年4月4日、韓国・チャンネルAは「中央政府・地方政府が返済しなければならない実質的な『国の借金』である国家債務が初めて1000兆ウォンを突破した」と伝えた。

この日に閣議決定した22会計年度国家決算報告書によると、昨年の国家債務は1067兆7000億ウォン(約107兆6700億円)で、前年比10%増加した。対国内総生産(GDP)比は49.6%で、前年より2.7ポイント上昇した。国の借金がGDPのほぼ半分に達したことになる。

国家債務を統計庁が推計した昨年の人口(5162万8000人)で割ると、1人当たりの国家債務は前年より192万ウォン増加の2068万ウォンとなり、初めて2000万ウォンを超えた。

昨年の国家負債は2326兆2000億ウォンで、前年より6.0%増加した。これまでの最高値だった2195兆3000億ウォンを1年で更新したという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「文在寅(ムン・ジェイン前大統領)政権が5年間で国の経済をめちゃくちゃにした」「国の負債が雪だるま式に増えた。犯人は文前大統領と『共に民主党』だ」「文政権5年間の借金は、韓国建国以来、全ての政権が作った借金の合計額より多いらしいぞ」「文政権の責任を問うべき」など、前政権批判のコメントが殺到している。

一方で、「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権でコロナ禍になってたら、国の借金は2000兆にはなっていただろう。文前大統領とK-防疫のおかげで、この程度で済んでる」「青瓦台(チョンワデ、大統領府)の移転費用から始まった借金だろう」などの現政権批判の声も多く寄せられている。(翻訳・編集/麻江)



韓国、世界一の「借金癖」で3回目の通貨危機へ。救済されてもまた繰り返す

2023-04-20 14:44:52 | 日記
韓国、世界一の「借金癖」で3回目の通貨危機へ。救済されてもまた繰り返す

=勝又壽良
韓国で3回目の通貨危機が指摘されている。通貨危機とは、ドル資金流出に伴うウォン相場の急落である。日本も円安が急速に進んだが「円危機」という言葉を聞かない。それは、根底に日本経済への信頼感があるからだ。韓国は、そういう信頼感のないことが最大の問題である。韓国経済を揺るがしているのは、企業と家計が過剰債務に陥っている点だ。国民の「借金癖」が韓国経済を危機に陥れている。
中国経済と共倒れか。韓国に迫る危機
韓国経済は、これまで経験しなかった状況に遭遇している。
韓国は過去2回、通貨危機(1997年と2008年)を経験したが、中国経済の急成長に伴う輸出増加で切り抜けられた。現在、迫りつつある経済危機では、頼みの中国経済が急減速しているのだ。この点が、従来にない新たな不安要因となっている。
中国にまつわる不安は、これだけでない。米中対立が長期に続く様相が濃くなってきたことだ。習近平氏の3期目の国家主席就任は、台湾統一を第一目標に掲げている。「大祖国統一」という御旗を掲げ、武力行使も辞さない姿勢だ。さらに、2049年の建国100年には、米国覇権に対抗して、経済・外交・軍事において世界のリーダーを目指すとしている。
 
こういう目標が、習氏によって掲げられた以上、米国と同盟を結ぶ韓国は、これまでの「二股外交」は不可能になった。米国と一体化して、中国の攻勢に立ち向かわなければならない立場になっているのである。
米中のデカップリング(分断)が進むことで、韓国は中国との関係が希薄化される運命なのだ。
 
もう1つ中国経済自体が、次のような根本的な弱点を抱えている。
1. 少子高齢化による生産年齢人口の減少
2. 不動産バブル崩壊に伴う過剰負債の処理
3. 「共同富裕論」による生産性低下の問題
こうした「三重苦」によって、2049年の世界覇権獲得は「絵空事」に終わるはずだ、中国自体はそれに気付かず、軍拡という無駄な行動を重ねるであろう。だが、中国経済の衰退とともに、韓国の対中輸出は減らざるを得ないのだ。
韓国の対中輸出比率は約25%である。香港を含めれば3割に達する。これだけのウエイトを持つ中国経済の減衰は、韓国にとって大きな痛手になる。
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懸念される3回目の通貨危機
こうした客観情勢の中で現在、3回目の通貨危機が指摘されている。
通貨危機とは、ドル資金流出に伴うウォン相場の急落である。すでに、1ドル=1,403ウォン(11月5日5時59分)である。危機ラインとされる1,200ウォンを大きく割り込んだ。
日本も円安が急速に進んだが「円危機」という言葉を聞かない。それは、根底に日本経済への信頼感があるからだ。韓国は、そういう信頼感のないことが最大の問題である。
 
韓国経済を揺るがしているのは、企業と家計が過剰債務に陥っている点だ。
韓国の「借金癖」は、民族特有の問題でもある。この点については後で詳細に取り上げるが、韓国は借金と支払能力をバランスさせる感覚が根本的に欠如しているのである。
どうにもならない韓国の狂った「金銭感覚」であり、日本とは水と油の違いである。
 
通貨危機の裏にある借金癖
国際金融協会(IIF)の『世界負債』報告書によると、韓国の第1四半期(1~3月)の家計負債が、世界36の主要国の中で唯一、GDPを上回って104.3%になった。企業負債(金融企業を除く)は、対GDP比で116.8%である。韓国の家計負債比率は、昨年第2四半期(4~6月)から、ずっと主要国1位を記録している。
家計債務と企業債務は性格が異なる。家計債務は、消費が目的である。企業債務は、設備投資や研究投資など利益を生み出す目的だ。こういう債務の性格に違いはある。だが、対GDP比で、家計債務が100%を上回ったのは後々、返済を巡って大きな問題になる。
韓国の対GDPの家計負債比率が、昨年4~6月以降に主要国で1位になったのは、文政権の住宅政策失敗が背景にある。文政権5年間で、ソウルの住宅相場は8割も値上りした。この住宅相場の高騰に煽られ、駆け込みで住宅購入した層が、多くの借金を抱えている。このほか、低金利を利用して株式投資にのめり込んだ層も借入金を増やしたのだ。
こうした状況下で、韓国の政策金利は米国の利上げに引っ張られる形の追随引き上げを迫られてきた。米連邦準備制度(FRB)は先週、0.75%ポイントと大幅な基準金利の引き上げに踏み切った。4回連続の0.75%ポイントの引き上げだ。米国の基準金利が、15年ぶりの最高値である3.75~4.0%に高まった結果、韓国金利(3.0%)との差は1%ポイントにも広がった。こうなると、韓国は再び利上げを迫られるのだ。
韓国は、21年7月に政策金利0.5%を0.75%に引き上げて以来、これまで矢継ぎ早の引き上げである。0.5%時代は、20年5月からでざっと14ヶ月も続いた。この間に、不動産バブルの「燃料」が仕込まれたと言える。今から振りかえれば、痛恨の期間になった。
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少ない1人あたり金融純資産
韓国の家計債務を国際比較すると、興味のあるデータが得られた。韓国は、1人あたり名目GDPに比べて、1人あたり金融純資産(金融資産-金融負債)が少ないことだ。
韓国はよく、1人あたり名目GDPで日本へ接近して来たとか、経済的に無意味な購買力平価換算で日本を抜いたとか、韓国に都合のいいデータだけを並べて悦に入っている。
だが、1人あたり金融純資産では日本の45.2%(2020年:OECD調べ)と半分以下である。こういうデータを並べると、「日本が朝鮮を植民地にして資産を吸い上げた」などと暴論が出て来そうだが、個人レベルの金融純資産でもこれだけの差があること認識すべきである。
参考までに、過去の日韓の1人当り金融純資産のデータを掲示した。
<日韓の1人当り金融純資産比較(単位:米ドル)※OECD調べ>
       日本   韓国
2010年  88.382  29.061
2011年  93.495  28.844
2012年 101.406  31.669
2013年 106.912  33.293
2014年 110.923  36.270
2015年 110.323  40.215
2016年 110.731  41.462
2017年 115.526  44.190
2018年 115.972  44.074
2019年 113.217  47.023
2020年 128.723  58.277
日本は、2014年以降の金融純資産の伸びが鈍化している。これは、為替政策の転換で円安に転じた結果である。賃上げが低いという理由もある。この点は、反省しなければならない。
韓国の1人あたり金融純資産が、日本の半分以下という事実は何によってもたらされたのか。それは、言うまでもなく韓国人の「借金癖」にも影響されている。
鈍い金銭感覚が招く落とし穴
朝鮮李朝時代から、朝鮮の人々は「宵越しの金を持たない」とされてきた。明日の生活を考えず、持ち金を使い切ると指摘されていたのだ。
この背景には、朝鮮が中国と同様に「氏族制社会」の流れを受け継いで来たことと無縁でない。朝鮮は、血縁と地縁を極めて重視した。何百年経っても家の系譜を大事にしているから、出身地と血縁さえ分かれば、簡単に過去へ遡れるのである。
こういう社会での金融は、相互融資である。金銭に困った人を助けながら資金を調達する社会では、西欧流の契約概念は成立しない。韓国で規約書通りに仕切ることは、融通の利かない人間として排斥される。つまり、「まあまあ」「なあなあ」という、厳しい規則のないルールの下で、庶民は何百年も生活してきたのだ。それだけに、契約概念は通用しない社会だ。このことが、韓国人の債務増に鈍感にさせている。
韓国は、今なお「徳政令」を行なっている。日本では、奈良時代に行なった記録があると言うが、徳政令を出したことで借金返済が滞ったとされる。その結果、日本では徳政令が消えたと指摘されている。徳政令は一見、人情味に溢れた政策に見えるが、自己責任を回避させる口実に使われるのだ。
韓国社会では今なお、自分の非を認めることがない。すべて、相手が悪いと言う形で、罪をなすりつけている。
韓国最大野党代表の李在明氏の発言は、責任逃れの典型的な例である。自分に降りかかってきた罪業の数々は、すべて検察の作り事として逃げ回っている。証拠を突付けられても平然としてウソを並べる。挙げ句の果ては、ユン大統領の政治弾圧として、罪をユン氏に擦り付けているのだ。
これは、李氏だけの話ではない。2018年末、海上自衛隊機が日本海を哨戒飛行していた際、韓国艦艇がレーダー照射して大問題になった。未だに、韓国国防省は日本へ謝罪せず、すべての責任を日本側に擦り付けている。そのウソと言い訳は、一級の「芸術品的」であるが、ウソはウソであって、いくら取り繕っても真実を隠し通せない。韓国は、非公式に自国の非を認めているが正式な釈明・謝罪がないままだ。
このように、自己の非を堂々と認めずに歪曲する。この責任逃れが、韓国の「借金癖」に繋がっている。
借りたものは利息を付けて返済する。これが、社会の基本ルールであるにもかわらず、韓国は徳政令でこれを踏みにじっているのだ。この悪習が、韓国を近代国家に発展させない理由である。
発展途上国は現在、過剰債務で債権国へ元利免除を要請している。これは、返済能力を考えずに過剰な借入をした結果である。韓国では、これが個人レベルで日常的に行なわれている。韓国社会が、「発展途上国」的な要因を多く抱えている理由だ。
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日韓関係に20年ぶりの雪解け気配
日韓関係は、20年ぶりに雪解け気配が出てきた。
ユン大統領が幼児時代、父親の日本留学にあわせて滞在したという縁もあってか、日本へはオープンな姿勢を見せている。その意味では、一つ門が開けられた感じだ。
韓国が、日本への対話姿勢で重要なことは、事実を事実として認めることに尽きる。韓国に都合の悪いことを隠さないことだ。
例えば、1997年の韓国通貨危機において、当時の韓国政府は、自らの責任を回避して、日本へ擦り付けたのである。日本が、韓国へ金融支援しなかったことで、韓国が通貨危機へ陥ったとした。
これは、韓国政府の無責任な姿勢を100%示している。韓国が、あたかも日本の属国のような振る舞いをしており、恥ずかしく思わないのかと日本が絶句する場面だ。
過去の韓国「通貨危機」を救った日本
ここで、韓国の金融危機を救済した記録が残っているので、改めて取り上げたい。日本が韓国に対して親身な面倒を見ていたのだ。
<1997年 韓国が受けた金融救済額(出所:韓国財政経済院)>
IMF    210億ドル
世界銀行   100億ドル
アジア開発銀行 40億ドル
日本     100億ドル
米国      50億ドル
英仏独加    50億ドル
合計     550億ドル
日本は、隣国として100億ドルと欧米各国を上回る緊急融資をしている。それにも関わらず、韓国政府は自らの不始末の責任を日本へ擦り付ける、言語道断な振る舞いをしたのである。
韓国が、責任を取る「大人」になることは、日韓関係を正常化へ導く機縁となろう。それには、まだ長い時間がかかるだろう。
勝又壽良著・マネーボイス引用
 
だから韓国は青蛇と呼ばれる訳で、借金を返済してもまた借りるから周辺諸国も嫌がる訳で。その癖思い通りならなかった周辺諸国、特に日本に噛み付くのですから。グリQに居た在日コリアン連中は自国の実態をどう思っていたのでしょうか?
断交した方が良いと言う意見が出るのも分かる気がします。
まぁ、ケンチャナオのいい加減な姿勢にも問題がありますが。


韓国、貿易赤字500億ドル目前で倒産ラッシュへ。

2023-04-20 14:30:22 | 日記
韓国、貿易赤字500億ドル目前で倒産ラッシュへ。

強い労組と年功序列制が韓国企業を蝕んでいる=勝又壽良
2022年12月25日ニュース シェア131 はてブ1 ツイート Pocket
韓国経済は、輸出に支えられている。その頼みの貿易収支が今年は、14年ぶりに赤字へ転じることが確実視される状況だ。今年の貿易赤字額は、過去最大の500億ドルに達する可能性があるというほど。貿易赤字が500億ドルにもなることは、それだけ外貨が流出している計算だ。韓国企業の資金繰りに、大きな影響を与え倒産企業の多発が懸念される。経済危機の到来だ。(『 勝又壽良の経済時評 』勝又壽良)
【関連】韓国、世界一の「借金癖」で3回目の通貨危機へ。救済されてもまた繰り返す=勝又壽良


プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)
元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。


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改革能力を持たない韓国

朝鮮李朝は、500年余にわたって儒教を国教とした。このため、韓国の思想・行動は中国的発想法になっている。日本が、明治維新とともに文化や制度を欧州に求めたことと、大きく異なるのだ。
これが、多発する日韓の社会的摩擦を引き起こす根底にある。日本は、今なお「儒教国」韓国と対峙しているのである。130年前と変わらないのだ。
その韓国が、来年6月から「数え年制」廃止に踏み切る。なぜ、こういう「些末」な話をするのかと言えば、日本は1950年(昭和25年)1月1日を以て「満年齢制」に切り変えているからだ。実に、日本よりも遅れること73年である。私は遅生まれのため元日、歳が1歳若返って妙な気持ちになった記憶が今も残る。
韓国の国会法制司法委員会は12月7日、満年齢で計算して表示することを議決した。現行民法も「満年齢」の使用を原則とするが、日常では出生日から1歳になり、毎年1歳ずつ増える「数え年」を使い、福祉・医療行政サービスの提供などで混乱と紛争が続いていた。

そうであれば、なぜもっと早く変えなかったのか。この点にこそ、韓国の改革能力のなさを示す象徴的な例である。
「数え年制廃止」だけでない。このほかにも、労働慣行で年功序列制が守られ、これが終身雇用に繋がって、韓国の労働市場の流動化を著しく阻害している。この弊害が分かりながら、労働組合の反撃を恐れ制度改革に取り組まないのは、もはや「惰性」としか言いようがない。「数え年制」よりも、はるかに深刻な事態を招いているのだ。
これが、韓国経済の根幹を蝕んでいることに気づかず放置している状況は、なんとも理解できない現象である。

貿易赤字500億ドルの衝撃

韓国経済は、輸出に支えられている。その頼みの貿易収支が今年は、14年ぶりに赤字へ転じることが確実視される状況だ。今年の貿易赤字額は、過去最大の500億ドルに達する可能性があるというほど。貿易赤字が500億ドルにもなることは、それだけ外貨が流出している計算だ。韓国企業の資金繰りに、大きな影響を与え倒産企業の多発が懸念される。経済危機の到来だ。
韓国上位100社の営業利益は、第3四半期(7~9月期)に激減したことが判明した。4~6月期が利益のピークであった。韓国経営者総協会は、今年第3四半期の上位100社の営業利益は、前年同期比24.7%も減少したと明らかにした。売上は18%伸びたにもかかわらず、原材料費や利払い費用、人件費の支出が全て急増し、営業利益が大幅に減ったものだ。
さらに、トラック運転手による長期ストで、鉄鋼、石油化学、建設分野の受けた損失が第4四半期(10~12月期)に加わって、業績はさらに悪化する。韓国を代表する企業まで、倉庫に在庫が溜まっており、財務内容は2008年金融危機時の水準まで悪化している。こうして企業が、コスト節減でプリンター用紙代まで節約し始めている、という話が伝わっている。ここまで、事態は逼迫してきたのだ。

企業が、プリンター用紙代まで節約するとは尋常ならざる事態である。日本企業も高度成長時代は、良く聞かされた話である。貿易赤字が限界に達し、強烈な日銀の金融引き締めで、企業が四苦八苦した頃の出来事である。富士製鉄(後の日本製鉄)の経理担当専務が、「地方の農協まで出かけて借りた資金がもうなくなった」(1963年ころ)と歎いていたほどだ。
現在の韓国大企業が、こういう当時の日本の大企業の苦悩を、今も味わっているとは信じ難いことだ。これは、韓国企業の内部留保が足りない証拠である。

2割は非生産的な限界企業
内部留保が薄ければ、金融機関からの借入れに頼らざるを得なくなる。韓国の全国経済人連帯会議(全経連)の報告書「OECD国家限界企業比率分析(2021年)」によると、2021年の韓国の限界企業の比率は18.5%と、OECD(経済協力開発機構)加盟25カ国の平均(15.2%)より3.3ポイントも高かった。韓国は、OECD加盟国の中で6番目に高い値だ。
限界企業にドミノ崩壊が生じる場合、金融機関の不良債権になって、韓国経済全体を揺さぶることになる。

限界企業とは、営業利益で利子も返済できない状況(インタレスト・カバレッジ・レシオ1未満)が3年以上続いている企業をいう。この「幽霊企業」が、韓国で2割近くも存在するのは、韓国経済の生産性を著しく引き下げる「お荷物」だ。
本来ならば、こうした非生産的企業を整理し、その労働力は生産性の高い企業へ移動させるべきである。韓国の硬直化した労働市場が、これを阻んでいるのだ。なんとも矛楯した話だが、どうにもならないのである。
限界企業の比率が、最も低いのは日本で3.2%である。韓国は、日本と比較して5.8倍にも達している。日本は「ゼロ金利」であるから支払利子が低いはずである。ただ、業績の悪い企業には貸倒れリスクを折り込んだ貸付金利になっているであろう。こういう条件を勘案しても、日本企業の限界企業比率は、それなりに内部留保を擁している結果と見られる。韓国企業の状況とは、大きく異なっていると判断できるのだ。
高い自営業者比率の問題点は
韓国の暗い話は未だ続く。全国経済人連帯連合会は12月、全国のレストラン業や卸小売業などの自営業者500人を対象に「自営業者の2022年実績および2023年展望 アンケート調査」を行なった。その結果、自営業者の4割が、「今後3年内に廃業を考慮している」と答えた。


廃業を考慮する主な理由は、次のようなものである。
1)営業実績の持続的な悪化:26.4%
2)景気回復展望が不透明:16.1%
3)資金事情の悪化および借入償還負担:15.1%
韓国の自営業者比率は約24.64%(2019年)で、OECD加盟国で最も高い水準である。この裏には、深い意味を持っている。韓国は、何でも「一番」であることを自慢するが、これだけは自慢できない「一番」であろう。それは、労働市場が流動化されていない結果、企業務めを辞めると再就職の機会が乏しいので、自営業に転じるほかないという苦渋の選択結果である。会社勤めと自営業を比べて、どちらが経済的に楽であるか。
言うまでもなく、会社勤めであろう。限られた労働時間、月給の他に賞与の支給、有給休暇など「労働者」の権利は守られている。だが、自営業では一転して経営者兼労働者になる。労働者としての権利はないゆえに、上記のごとく自営業者の4割が、「今後3年内に廃業を考慮している」という切羽詰まった状況に置かれるのであろう。

日本の自営業者比率は、9.93%(2020年)である。順位は29位だ。米国は6.32%(2020年:35位)である。自営業者比率が低いのは、雇用労働者が多いことを意味している。労働市場が、流動化されているので転職自由な結果である。
こうした、日米の自営業者比率と比較して浮かび上がる韓国の自営業者像は、廃業を考慮する主な理由の中に示されている。すなわち、ビジネスとして将来性がないことだ。それは、韓国の人口高齢化が急スピードで進んでいることと関係する。

日本を上回る速度で高齢化

韓国は、2025年に人口全体に占める65歳以上の割合が20.6%に達し、「超高齢社会」を迎える。高齢化の速度は、日本を上回るスピードで進んでいるのだ。
超高齢社会における自営業は、どういう位置づけになるか。

高齢者自身は、身体的能力の低下で外出を渋ることになろう。そうなれば、気楽に街で買い物をしたり、旅行する機会は減る。これは、自営業者にとってビジネスチャンスの喪失になる。
まさに、危機の到来を意味する。韓国の自営業者が、将来に危機感を抱くのは当然だ。
強硬労組が韓国を潰す危険性
今回のアンケート調査を行なった全経連では、「自営業者の困難が長期化すれば、庶民経済全体が不安定になることから、細かく行き届いた政策的支援につながらなければならない」としている(『中央日報』12月12日付)。
この見方は、正しいであろうか。私は再考を要すると見る。韓国の自営業者比率が、なぜOECDで1番かという点についての「原因究明」をしていないからだ。

雇用者所得と個人業主所得を比較した場合、前者は安定しているが後者は不安定である。こういう性格の違いを認識すれば、雇用者所得比率を増やして個人業主所得比率を下げる。これが政策目標になるはずだ。となれば、労働市場の流動化が不可欠になる。安定して働きたい人は、年齢や性別に関係なく企業に雇用されることが理想的である。韓国は、こういう理想的な労働市場になっていないことが最大の問題だ。
それを阻んでいるのが、年功序列賃金制と終身雇用制である。
この制度は、もともと日本で生まれたものだ。第一次世界大戦後の好景気で、大企業が熟練工を確保するための「労働者囲い込み」が契機である。ブルーカラーに適用された年功序列制が、第二次大戦後の日本では、ホワイトカラーにも適用されて、労働市場を著しく硬直化させた。日本は、この反省に立って2000年代以降、年功序列制と終身雇用制が是正され始めている。
韓国は逆である。「貴族労組」が金科玉条として左派政権下で強固な制度として組み込んでしまったのである。これが、韓国経済を脆弱化させている背景だ。

韓国ユン政権は、労働改革案を未来労働市場研究会(未来研)へ依頼した。未来研は12月、現在の年功序列制から職務級制への賃金体制の転換や、硬直した週52時間制の柔軟化を主な柱とする勧告案を提出した。具体的には、少子高齢化社会や第4次産業革命時代に対応するために、現行の工場時代に合わせられた労働関連制度は、大きく見直さなければならないという提案である。
この是正案に、韓国左派がどう反応するかである。

韓国経済に柔軟性が求められている
「貴族労組」を支援する左派は、「反企業主義」である。企業の利益を減らしても賃金引き上げを優先させる、という主張を高く掲げているのだ。
これが、韓国企業の内部留保を減らしている要因であり、企業の不況抵抗力を奪い、「風にそよぐ葦」という状況をつくり出している。韓国では、100人以上の事業所の56%、労組のある企業の68%が年功賃金制である。

韓国は、既得権益を守ることになると目の色を変える国民性である。どこまで、韓国経済の将来のための変革を受け入れるか。年功序列制の変革は、今後を占う試金石になろう。
日本は、定年である65歳を超えた社員に対し、70歳まで働く機会を提供する賃金体系を導入した。また、各企業が高齢者雇用を拒まないようにすべく、業務により賃金を調整できるようにしている。
こうした柔軟性は、韓国にも求められる。現実にはどうなるかだ。