パンデミック(pandemic)は、日本語的には“感染爆発”などと訳され、感染症や伝染病が全国的・世界的に大流行し、非常に多くの感染者や患者を発生することをいいます。 語源はギリシャ語のパンデミアで、パンは「全て」、デミアは「人々」を意味します。 過去に起こったパンデミックとしては、14世紀にヨーロッパで流行したペスト(黒死病)、19世紀から20世紀にかけ地域を変えながら7回も大流行したコレラ、第一次世界大戦中の1918年から1919にかけて猛威を振るったスペインかぜ(インフルエンザ)、1968年に発生した香港かぜなどがあります。 スペインかぜは世界人口の約50%が感染し死者が2000万人以上、一説には4~5000万人といわれています。世界保健機構(WHO)は流行の規模に応じ、地域的なエンデミック、国内ないし数か国のエピデミック、世界的で規模が最も大きいのをパンデミックと使い分け、1~6の警戒段階を設けています。 現在の世界は交通機関や運送手段の発達、人口の増加、都市への人口集中などでパンデミックが起きやすい状況です。 特に近年は鳥インフルエンザや新型インフルエンザの発生によるパンデミックが脅威。鳥インフルエンザの場合、日本ではまだヒトでの発症は報告されていませんが、発症すれば17~64万人の死者が出ると推計されています。 |
「高学歴層が増える中国」が迎えうる"意外な未来" "現代最高の知性"が予言する「新しい全体主義」
「新しい種類の全体主義」の可能性
──パンデミックの危機は、特に先進国において、分断を加速させるような形で民主主義の危機をもたらしている。そうお考えのあなたに、中国についてもお伺いしたいと思います。
エマニュエル・トッド:パンデミックへの対処において、中国共産党による事実上の独裁である権威主義体制が民主主義より優れている、という中国の主張についてどう思われますか?
私たちが見てきたのは、新しい種類の全体主義システムの可能性です。
中国という国家、つまり共産党や警察部門、主語をどう表現すべきかは迷ってしまいますが、たしかに彼らはロックダウンなどの実行に成功しました。ある意味、信じられないことです。
興味深いのは、ロシアで起きたことは、中国と正反対だったことです。
どちらも権威主義の伝統を持っていますが、コロナに関する限り、ロシア政府は国民をまったく制御できませんでした。
教育の動きについてお話ししたとき、私は先進国社会における一種の普遍的モデルに言及しました。
識字能力があまねく社会で共有された後、高等教育が広がり、階層化し、そして社会を断片化するという諸段階です。
これはすべての国に当てはまりますね。しかし、考慮しなければならない要素がもう1つあります。
すべての先進国の制度を寡頭制的とも表現できる、ということです。さまざまな種類の民主主義があるのと同様、今やさまざまな種類の寡頭制があります。
「家族制度」から見た日本と中国
私の研究テーマでもある「家族制度の重要性」、永続的な家族の価値の重要性といったことに関係しています。
つまり、組織化された社会で続く家族の価値であり、それは伝統的な農民家族が消失した後も存続するのです。
中国の家族、伝統的な中国の農民の家族は、権威主義的であり、非常に強い父親がいますが、同時に兄弟間で平等に相続するというルールを持つ平等主義でもあります。
それは強い父系でした。女性に比べて、男性を非常に重視します。
一方で、日本の伝統的な家族制度は直系家族制と呼ばれ、伝統的に長男の相続でした。
中国ほどではないが、権威主義的でした。これは社会人類学者が常に指摘することですが、中国の家族よりも権威的ではないものの非平等主義です。
日本の家庭では、兄弟は同じ価値ではありません。
これは両国の社会の権威主義的傾向を説明するとともに、中国が権威主義的で平等主義的な共産主義を生み出したという事実と、日本が移行に際して階層社会を生み出したことを説明できます。
日本は近代工業社会やポスト工業社会に、より容易に適応しました。
今、中国にあるのは、国民を制御するための最新の技巧です。
顔認証があり、インターネットがあり、最先端のあらゆるツールがあります。
しかし同時に、中国には、権威主義的および平等主義的な家族の価値が存続していて、彼らの社会的価値にもつながっています。
中国について考えるとき、中国が経済的に成功したせいで、中国は極めて同質的であると考えるかもしれません。
また、中国は完璧な権威主義システム、または世界で最も権威主義的なシステムとも表現されるでしょう。しかし、中国の指導者たちはそう見ていません。
彼らは中国が強い平等主義の価値観に基づいて、共産主義革命を起こしたことを覚えています。これらの平等主義的な価値観がまだそこにあることを知っています。
中国の社会には公正を求める要素があります。
中国の指導者たちは常に、人々の決起の可能性を考慮に入れておかなければなりません。
これは、中国を統治することが非常に厳しい理由の1つだと思います。それは内向きのもろさがあります。
もう1つ、付け加えておきましょう。
中国はすでに、人口の中に相当数の高学歴層がいるということです。
この状況は西洋のどこにおいても、伝統的イデオロギーの解体をもたらしました。
多くの人は知らないでしょうが、私は高等教育を受けた人々が人口のうちの25%を占めたことが、ソ連で共産主義が崩壊した本当の理由だと考えています。
私は1988年のデータを持っています。当時のソ連の国勢調査によると、高等教育を受けた者の割合が25%に達していました。
そして、1990年にシステムが崩壊したのです。
中国は、今のところまだこの水準(25%)には達していませんが、中国の将来について考えると、政治的バランスと民主主義の将来という観点から相反する2つの力があると思います。
一方には、中国の文化と革命の伝統として、平等主義の要素があります。
もう一方で、高等教育を受けた人々が増えています。中産階級と呼ばれる層です。
この階層の比率が、共産主義崩壊直前のソ連と同じ水準に達しようとしているのです。
韓国大統領の言動からみる「不安」
「ノージャパン」という名の亡霊
2023年04月04日
- 韓国経済ニュース時評アジア経済ニュース時評
(2)「主な原因は、半導体と中国に代弁される韓国の産業構造だ。韓国経済の最大主力品目である半導体の3月の輸出額は前年同月比34.5%減少した。情報技術(IT)製品などの需要が減少しているうえ、韓国半導体の主力のメモリー製品が値下がりしたからだ。半導体の輸出は昨年8月から8カ月連続で減少している」