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韓国、「大丈夫か」激増する単身世帯、半分は貧困層で4坪の住居「うつ病・認知症を発症」

2023-04-23 11:39:18 | 日記
韓国、「大丈夫か」激増する単身世帯、半分は貧困層で4坪の住居「うつ病・認知症を発症」


2023年04月23日


  • 韓国経済ニュース時評日本経済ニュース時評
   

韓国は、急速に進む高齢化に対応した政策が、ほとんど手つかずの状態だ。単身世帯は激増しているものの、約4坪という狭隘な住居に住み、精神衛生上も極めて不健康な生活を余儀なくされている。こういう事態を招いた根本的な理由は、韓国に安定した住宅制度がないことも理由であろう。

チョンセと言われ、一定の保証金を担保に、毎月の家賃支払いを免除される制度は、日本の感覚から言えば不可思議である。高額の保証金を担保にする経済的余裕があれば、その保証金を住宅購入資金に充当したほうがはるかに合理的だ。こういう考え方が、成立しないところに韓国社会特有の「損得方程式」があるのだろう。

『韓国経済新聞』(4月22日付)は、「韓国で単身世帯が急増、717万人 半分は貧困」と題する記事を掲載した。

韓国で単身世帯が毎年過去最多を更新し、急速に増えている。2015年の520万世帯から2021年には717万世帯へと6年間に38%も増えた。最近は、こうした増加傾向が加速している。

(1)「2016年には前年比20万世帯増だったが、2021年には前年比52万世帯増となった。わずか5年間で増加幅が2.5倍を超えた。その結果、今では3世帯のうち1世帯が「一人暮らし」だ。単身世帯が増えた理由は何か。職場の問題で一人暮らしの事例が34.3%で最も多かった。次いで「家庭の事情」(17%)、「死別」(15.5%)、「学業」(4.9%)などの順だ。

単身世帯が激増している。高齢化を反映したものだ。いわゆる単身赴任の一人暮らしは、34%だが、「家庭の事情」と「死別」は32.5%だ。これが、社会問題になっている層であろう。

(2)「統計庁は、現在は「20代以下」(19.8%)、「70代以上」(18.1%)、「30代」(17.1%)、「60代」(16.4%)、「50代」(15.4%)、「40代」(13.3%)の順だ。問題は単身世帯の経済力だ。韓国保健社会研究院によると、2020年基準で単身世帯の相対的貧困率は47.2%にのぼる。2人に1人は個人所得のうち自由に使用できる可処分所得が中位所得の50%未満ということだ。全世帯の貧困率(15.3%)に比べて3倍ほど高い。特に65歳以上の高齢者単身世帯の貧困率は72.1%にもなる。住居の形態を見ても家賃を支払って暮らす人が42.3%で最も多く、自分の家に暮らす人は34.3%だった」

50代以上の単身世帯が、49.9%と約半分を占める。これは、貧困率が高いことを伺わせている。65歳以上の高齢者単身世帯の貧困率は72.1%。借家住いが、42.3%も占める。日本では、60歳以上の持ち家は8割に達している。韓国の高齢者は厳しい状況だ。
(3)「経済的な余力が不足する単身世帯は、小さなワンルームに集中する。12日、ソウル延世大学正門付近の保証金300万ウォン(約30万円)、家賃40万ウォンの13平方メートル(3.9坪)の部屋を訪れた。玄関から2歩でシンク台の前だ。手すりもない階段型収納棚を上ってこそ横になる空間がある。ロフトは天井が60センチほどの高さで、座るのも難しい」

約4坪のワンルームマンションとは、どういう間取りか。寝る空間の高さは60センチほど。頭を上げる余裕もそうなさそうだ。「息が詰まる」とは、こういう状態を指すのであろう。

(4)「1人最低住居基準があまりにも狭いという指摘もある。現在、国土交通部が定めた1人最低住居基準は14平方メートル(4.2坪)で、2011年から13年間変わっていない。一方、日本は25平方メートル(7.5坪)、英国は38平方メートル(11.4坪)だ。4坪のワンルームに2年間暮らしたという会社員キム・スジンさん(28)は「乾燥機を開けると冷蔵庫の扉を開けられないほど狭く、食べて寝ること以外には家でできることはない。飼育されている感じだった」とし「どうして4坪が最小住居基準なのか分からない」と不満を表した。賃貸住宅や4坪ワンルームも確保できない人たちは、さらに劣悪な住居で暮らすことになる」

韓国の1人最低住居基準は、14平方メートル(4.2坪)。日本は25平方メートル(7.5坪)、英国は38平方メートル(11.4坪)。韓国の最低住居基準は、家畜並みスペースである。
(5)「単身世帯の社会的孤立・孤独も憂慮される。高麗大のハン・ギュマン精神健康医学科教授は「疫学的に、既婚よりも未婚や離婚・別居で単身世帯になった場合にうつ病発生の頻度が高い」とし「心理的な側面でも社会とつながっている感じがせず、特に韓国では単身世帯の財政的状況が良くないため、経済的な理由がうつ病のリスクを高めたりする」と話した。ソウル市立大のキム・ジュヨン都市社会学科教授は「単身世帯が増える現象自体よりも、一人で暮らしながら孤立感を感じる人が増えれば、うつ病のリスク、自殺率が高まるおそれがある」と説明した。また「特に一人暮らしをする高齢者の場合、急激に認知機能が低下することがある」と警告した。

韓国の自殺率は、OECD(経済協力開発機構)でワーストワンである理由の一つは、住居環境の悪化であろう。高齢者の一人暮らしは、急激に認知機能を低下させるという。韓国は、生活面で改善すべき点が実に多いことを示している。