「今日の一言」で連載中の、養生に役立ちそうな言葉を、週ごとにまとめておきました。
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人の学ばずして能くする所の者は、其の良能なり。
慮らずして知る所の者は、その良知なり。
(『孟子』』「盡心上」より)
学ばなくても、できる、それが「良能」と呼ばれるもので、
考えなくても、知る、それが「良知」と呼ばれているものです。
人には、生まれながらにして、この「良知良能」が備わっています。
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人の生まれるや柔弱なり。其の死するや堅強なり。
(『老子』「七十六章」より)
生まれたばかり、赤ちゃんの頃は、だれでも柔らかいものです。
そして、死ぬと硬直してしまいます。
だから、身体も心も柔らかく保つことが大切です。
でも、柔弱は、力ない豆腐のような柔らかさではありません。
剛を制する、力強さをもった柔軟性が必要のようですね。
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恭しければ則ち寿し。
(『古詩源』「帶銘」より)
いろいろと養生法がありますが、態度というものも大切です。
恭しく、謙虚に、小さなことにも配慮を怠らないこと、それが長寿の秘訣です。
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心和し気平らかなる者は、百福自ずから集まる。
(『菜根譚』「前集二百九」より)
心が和かで、気持ちが平静であれば、
自然と、たくさんの幸せが集まってきます。
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病は以て身を保つべし。
(『菜根譚』「後集百十九」より)
人は、病気があるからこそ、身体を健康に保ちたいと思います。
それは、死があるからこそ、生を大切にするように。
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人の霊は
水にも似たるかな
空より来たり、
空へ昇る。
再びくだっては
大地にもどり、
永久に変わりてやまず。
(ゲーテ『ゲーテ格言集』「水上の精の歌」高橋健二訳より)
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冥冥に視、無声に聴く。
(『荘子』「外篇天地」より)
目に見えないものを視る。
声しないものを聴く。
鍼灸医学でも、これらは大切なことです。
病の本質、予兆などは、たいてい目に見えません。
身体からの声、メッセージなどは耳では聞こえません。
治療は、それらを観て、聴いて、それから行うことが必要です。
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