緑羽梟
「もう一度大阪を書きたくなる時がきっと来ます」
「それまで、大阪から逃げ出す気にはなれないんです」
と、作家高村薫が大阪について語った。(読売・2006.4.6)
高村薫は処女作で、sumitomo大阪本店地下金庫襲撃を舞台にしたサスペンスを書いた。
「元々大阪は商業の町で、コツコツと働くことが大阪人の身上だったはず。
大阪の地盤沈下で公共工事への依存度合いが高まり、コツコツ働く気質が失われた。
商人の美徳も消え、生活者の心もすさんできた」、だけど
「今は過渡期。再開発が進み都市空間が変わっていく。あと、10年もすれば、大阪の未来が見えてくるはず」
「格差が広がった不幸な社会かもしれないが、もう一度大阪を書きたくなる時がきっと来ます」、と語る。
10年と言わず、もっと早くにもう一度大阪を書いて欲しい。
町に歴史あり、人物豊富な大阪を舞台に、壮大な小説を書いて欲しい。